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中学でも分かる➃「指数関数」

指数の拡張について

 $${2^n}$$ の計算方法について考えます。これは ”$${2}$$ の $${n}$$ 乗” とよみ、右肩の $${n}$$ を指数といいます。
 中学で学んだのは、$${2^3}$$ や $${5^4}$$ など、指数 $${n}$$ は自然数 $${1,  2,  3,  \cdots}$$ でした.これらは
 $${2^3=2\times2\times2}$$
 $${5^4=5\times5\times5\times5}$$
を意味しており、$${a^n}$$ は

$${a}$$ を $${n}$$ 回掛ける

を意味します。ここで、指数 $${n}$$ を

自然数 $${\rightarrow}$$ 整数 $${\rightarrow}$$ 有理数 $${\rightarrow}$$ 実数

と拡張することを考えます。

 つまり、例えば

$$
\begin{align*}
\underset{\tiny 自然数乗}{2^3}\hspace{-1pt}
\rightarrow   \underset{\tiny 整数乗}{2^{-3}}\hspace{2pt}
\rightarrow\underset{\tiny 有理数乗}{2^{\frac{3}{2}}}\hspace{-1pt}
\rightarrow  \underset{\tiny 実数乗}{2^{\pi}}
\end{align*}
$$

と、計算できる指数の範囲を広げていきます(参考1で数の分類)。

 まずは「自然数 $${\rightarrow}$$ 整数」の拡張から始めていきましょう。


指数が自然数のとき

 $${2^n}$$ について、指数 $${n}$$ が自然数 $${1,  2,  3,  4,  \cdots}$$ のときは、次のように計算されます。

$$
\begin{align*}
2^1&=2\\
2^2&=2\times2=4\\
2^3&=2\times2\times2=8\\
2^4&=2\times2\times2\times2=16\\
&\hspace{6pt}\vdots
\end{align*}
$$

 つまり、$${2^n}$$ とは $${2}$$ を $${n}$$ 回かけることを意味します。
 一般に、実数 $${a}$$ に対して $${a^n}$$ は次のように定義されます。

<定義>指数が自然数のとき

$$
\begin{align*}
a^n&=\underbrace{a\times a\times a\times \cdots \times a}_{n  個の積}\\
\end{align*}
$$

***

 このとき、次のような指数法則が成り立ちます。

<指数法則>(自然数バージョン)

 $${a\ne0,  b\ne0}$$ で、$${m,  n}$$ が自然数のとき

$$
\begin{align*}
1. a^ma^n=a^{m+n}  2. (a^m)^n=a^{mn}  3. {(ab)}^n=a^nb^n
\end{align*}
$$

 例えば、指数法則を用いて次のように計算します。

1. $${2^22^3=2^{\overset{たす}{2+3}}=2^5}$$
2. $${(2^2)^3=2^{\hspace{-1pt}\overset{かける}{2\times3}}=2^6}$$
3. $${(2\times3)^2=\overset{\tiny 分配する}{2^23^2}}$$

1. は指数同士をたします。
2. は指数同士をかけます。
3. は指数を分配するイメージです。

  証明は次のように容易です。一般の場合も同様に証明されます。

1. $${2^22^3=\underbrace{(2\times2)\times(2\times2\times2)}_{5つの積}=2^5}$$
2. $${(2^2)^3=2^2\times2^2\times2^2=\underbrace{(2\times2)\times(2\times2)\times(2\times2)}_{6個の積}=2^6\raisebox{2ex}{ }}$$
3. $${(2\times3)^2=(2\times3)\times(2\times3)=\underbrace{2\times2}_{2個の積}\hspace{-2pt}\times\hspace{-2pt}\underbrace{3\times3}_{2個の積}=2^23^2\raisebox{2ex}{ }}$$

 ここまで指数は自然数でした。ここから指数の範囲を整数に拡張します。

 整数は、自然数と $${0}$$ と負の整数で構成されます。

$$
整数
\begin{cases}
自然数(1,  2,  3,  \cdots)\\
0\\
負の整数(-\!1, -2, -3,  \cdots)
\end{cases}
$$

 すると、$${a^0}$$ や $${a^{-2}}$$ をどのように定義するか。これまでのように、$${a}$$ を $${0}$$ 回かけるや、$${a}$$ を $${-2}$$ 回かけるでは意味が通りません。

指数法則が成り立つように指数を拡張する

 指数を拡張するにあたって、必ず満たさなければならない条件があります。それが指数法則です。つまり
 「指数法則が成り立つように指数を拡張する」
必要があります。逆に、指数法則が成り立たなくなるような拡張の仕方はマズイ方法になります。

指数を整数に拡張する 

 指数を自然数から整数に拡張するには、先に述べた指数法則

(再掲)<指数法則>(自然数バージョン)

 $${a\ne0,  b\ne0}$$ で、$${m,  n}$$ が自然数のとき

$$
\begin{align*}
1. a^ma^n=a^{m+n}  2. (a^m)^n=a^{mn}  3. {(ab)}^n=a^nb^n
\end{align*}
$$

***

について、この法則が指数を任意の整数に拡張しても成り立つようにします。
 ここで、指数法則 1. について、「$${n}$$ が自然数」という制限を外して $${n=0}$$ としてみましょう。

$$
\begin{align*}
&a^ma^0=a^{m+0}=a^m \cdots (*1)\\
&\hspace{23pt}\uparrow\\
&\hspace{18pt}\footnotesize{n=0  としてみる}
\end{align*}
$$

 この $${(*1)}$$ を成り立たせるためには、$${a^0}$$ を次のように定義します。

<定義>指数が 0 のとき

$$
\begin{align*}
a^0\underset{def}{=}1
\end{align*}
$$

***

 なお、”def” とは定義 ”definition” の意味です。特に書く必要はないですが、定義することを強調するために必要に応じて表記します。
 このように定義することによって

$$
\begin{align*}
a^ma^0&=a^m\times1=a^m
\end{align*}
$$

と、$${(*1)}$$ と同じ結果にすることができます。

 さらに、指数が負の整数 $${(-1, -2, -3, -4,  \cdots)}$$ のときを考えます。
 $${n}$$ を自然数として、負の整数を $${-n}$$ と表します。
 ここで、指数法則 1. について、「$${m}$$ が自然数」という制限を外して $${m=-n}$$ としてみましょう。

$$
\begin{align*}
a^{-n}a^n&=a^{-n+n}=a^0=1 \cdots (*2)\\
&\,\uparrow\\
&\hspace{-6pt}\footnotesize{m=-n  としてみる}
\end{align*}
$$

 この $${(*2)}$$ を成り立たせるためには、$${a^{-n}}$$ を次のように定義します。

<定義>指数が負の整数のとき

 $${a}$$ を $${0}$$ 以外の実数 $${(a\ne0)}$$、かつ  $${n}$$ を自然数 $${(1,  2,  3,  4,  \cdots)}$$ とすると

$$
\begin{align*}
a^{-n}\underset{def}{=}\frac{1}{a^n}
\end{align*}
$$

***

 このように定義することによって

$$
\begin{align*}
a^{-n}a^n=\dfrac{1}{\cancel{a^n}}\times\cancel{a^n}=1
\end{align*}
$$

と、$${(*2)}$$ と同じ結果にすることができます。 

 $${a^n}$$ について、指数 $${n}$$ が $${0}$$ と負の整数で定義されたことによって、指数はすべての整数にまで拡張されました。

 なお、指数が整数に拡張されても、一般に次のように指数法則は成り立ちます。厳密に証明することは可能ですが、ここでは割愛します(もっとも指数法則が成り立つように、指数は自然に拡張されています)。

<指数法則>(整数バージョン)

 $${a\ne0,  b\ne0}$$ で、$${m,  n}$$ が整数のとき

$$
\begin{align*}
1. a^ma^n=a^{m+n}  2. (a^m)^n=a^{mn}  3. {(ab)}^n=a^nb^n
\end{align*}
$$

 例えば、指数法則を用いて次のように計算されます。

1. $${2^52^{-2}=2^{5-2}=2^3}$$
2. $${(2^5)^{-2}=2^{5\times(-2)}=2^{-10}}$$
3. $${(2\times3)^{-2}=2^{-2}3^{-2}}$$

整数乗をグラフにする

 $${y=2^x}$$ について、$${x}$$ を整数とする関数とみて、いくつかの値を計算してみましょう。

$${x=3}$$ のとき $${y=2^3=8}$$
$${x=2}$$ のとき $${y=2^2=4}$$
$${x=1}$$ のとき $${y=2^1=2}$$
$${x=0}$$ のとき $${y=2^0=1}$$
$${x=-1}$$ のとき $${y=2^{-1}=\dfrac{1}{2}\raisebox{3ex}{ }}$$
$${x=-2}$$ のとき $${y=2^{-2}=\dfrac{1}{2^2}=\dfrac{1}{4}\raisebox{3ex}{ }}$$
$${x=-3}$$ のとき $${y=2^{-3}=\dfrac{1}{2^3}=\dfrac{1}{8}\raisebox{3ex}{ }}$$

 以上の結果を表にすると、次のようになります。

$$
\def\arraystretch{1.7}
\begin{array}{c|c|c|c|c|c|c|c}
x & -3 & -2 & -1 & 0 & 1 & 2 & 3\\ \hline
y & \dfrac{1}{8} & \dfrac{1}{4} & \dfrac{1}{2} & 1 & 2 & 4 & 8\\
\end{array}
$$

 これらの値を $${(x,  y)}$$ 座標
 $${\mathrm{P}(3,  8)}$$
 $${\mathrm{Q}(2,  4)}$$
 $${\mathrm{R}(1,  2)}$$
 $${\mathrm{S}\,(0,  1)}$$
 $${\mathrm{T}\,(-1,  \dfrac{1}{2})\raisebox{2.5ex}{ }}$$
 $${\mathrm{U}\,(-2,  \dfrac{1}{4})\raisebox{2.5ex}{ }}$$
 $${\mathrm{W}(-3,  \dfrac{1}{8})\raisebox{2.5ex}{ }}$$
にして、下図のように $${xy}$$ 座標に打ち込んでいきます。

 ここでは点が飛び飛びに並んでいますが、指数をさらに有理数、実数と拡張することによって、点がなめらかに結ばれて、次にようなグラフになることが予想されます。

 さて、指数はすべての整数まで拡張されました。
 さらに、指数を有理数まで拡張しましょう。有理数とは、例えば  $${\dfrac{3}{2},  -\dfrac{4}{3},   \cfrac{5}{1}\,(=5)}$$ のように、分数で表せる数です。

指数を有理数に拡張する

 指数を整数から有理数に拡張するためには

<指数法則>(整数バージョン)

 $${a\ne0,  b\ne0}$$ で、$${m,  n}$$ が整数のとき

$$
\begin{align*}
1. a^ma^n=a^{m+n}  2. (a^m)^n=a^{mn}  3. {(ab)}^n=a^nb^n
\end{align*}
$$

について、この法則が指数を任意の有理数に拡張しても成り立つようにします。
 $${l,  n}$$ を自然数として、有理数を $${\dfrac{l}{n}}$$ と表します。有理数は分数で表せる数です。
 ここで、指数法則 2. について、「$${m}$$ が整数」という制限を外して $${m=\dfrac{l}{n}}$$ としてみましょう。

$$
\begin{align*}
{\big(a^{\frac{l}{n}}\big)}^n&=a^{\frac{l}{\cancel{n}}\times\cancel{n}}=a^l\\
&\,\uparrow\\
&\hspace{-5pt}\footnotesize{m=\dfrac{l}{n}  としてみる}
\end{align*}
$$

より

$${a^{\frac{l}{n}}}$$ を $${n}$$ 乗すると $${a^l}$$

 よって

$${a^l}$$ の $${n}$$ 乗恨が $${a^{\frac{l}{n}}}$$

となります。

$$
\begin{align*}
\\[-14pt]
&\hspace{13pt}\xrightarrow[]{\hspace{5pt}n  乗\hspace{5pt}}\\[-12.5pt]
&a^{\frac{l}{n}}\hspace{39pt}a^l\\[-12.5pt]
&\hspace{13pt}\xleftarrow[  n  乗恨  ]{}
\end{align*}
$$

 これより

$$
\begin{align*}
\sqrt[n]{a^l}=a^{\frac{l}{n}}
\end{align*}
$$

となるので、両辺を入れ換えて

$$
\begin{align*}
a^{\frac{l}{n}}=\sqrt[n]{a^l}
\end{align*}
$$

 つまり、これを $${a^{\frac{l}{n}}}$$ の定義とします。

<定義>指数が有理数のとき

 一般に、$${a>0}$$ で、$${l,  n}$$ を自然数 $${(1,  2,  3,  4,  \cdots)}$$ とするとき

(case1) 正の有理数 $${\dfrac{l}{n}}$$ に対して

$$
\begin{align*}
a^{\frac{l}{n}}\underset{def}{=}\sqrt[n]{a^l}
\end{align*}
$$

 つまり、$${a}$$ の $${\dfrac{l}{n}}$$ 乗は、$${a^l}$$ の $${n}$$ 乗恨と定義する。
 特に、$${l=1}$$ のときは

$$
\begin{align*}
a^{\frac{1}{n}}=\sqrt[n]{a}
\end{align*}
$$

と、$${a}$$ の $${n}$$ 乗恨になる。

(case2) 負の有理数 $${-\dfrac{l}{n}}$$ に対して

$$
\begin{align*}
a^{-\frac{l}{n}}\underset{def}{=}\dfrac{1}{a^{\frac{l}{n}}}=\dfrac{1}{\sqrt[n]{a^l}}
\end{align*}
$$

 つまり、負の有理数乗のときは符号を変えて逆数にして、その後の分母は (case1) と同じ計算をする。

***

 この定義による計算例をいくつか示します。

 $${2^{\frac{3}{2}}=\sqrt[2]{2^3}=\sqrt{8} \small{(右肩の  2  は省略)}}$$
 $${3^{\frac{4}{5}}=\sqrt[5]{3^4}=\sqrt[5]{81}}$$
 $${2^{\frac{1}{2}}=\sqrt[2]{2^1}=\sqrt{2}}$$
 $${2^{-\frac{3}{2}}=\dfrac{1}{2^{\frac{3}{2}}}=\dfrac{1}{\sqrt[2]{2^3}}=\dfrac{1}{\sqrt{8}}}$$

 なお、$${a<0}$$ だと $${a}$$ の偶数乗恨(平方根、4乗根、・・・)は実数の範囲では存在しないので、今後は $${a>0}$$ の場合にだけ、$${a}$$ の有理数乗(さらにはその先の実数乗)を考えることにします(中学でも分かる➂「平方根」参照)。

(例)$${a=-2\,(<0)}$$ とすると、その $${\dfrac{1}{2}}$$ 乗、すなわち $${-2}$$ の平方根
 $${{(-2)^{\frac{1}{2}}}=\sqrt{-2}}$$
は実数の範囲では存在しない。同様に、その $${\dfrac{1}{4}}$$ 乗、すなわち $${-2}$$ の4乗根
 $${{(-2)^{\frac{1}{4}}}=\sqrt[4]{-2}}$$
は実数の範囲では存在しない。以下同様。

 以上で、指数はすべての有理数にまで拡張されました。

 なお、指数が有理数まで拡張されても、一般に次のように指数法則が成り立ちます。厳密に証明することは可能ですが、ここでは割愛します(もっとも指数法則が成り立つように、指数は自然に拡張されています)。

<指数法則>(有理数バージョン)

 $${a>0,  b>0}$$ で、$${r,  s}$$ が有理数のとき

$$
\begin{align*}
1. a^ra^s=a^{r+s}  2. (a^r)^s=a^{rs}  3. {(ab)}^r=a^rb^r
\end{align*}
$$

***

 なお、$${a,  b}$$ の条件は、「$${a\ne0,  b\ne0}$$」から「$${a>0,  b>0}$$」に変わることに注意してください。
 例えば、指数法則を用いて次のように計算されます。

1. $${2^{\frac{5}{2}}2^{-\frac{1}{2}}=2^{\frac{5}{2}-\frac{1}{2}}=2^{\frac{\cancel{4}}{\cancel{2}}}=2^2=4}$$
2. $${(2^{\frac{3}{2}})^{-\frac{1}{3}}=2^{\frac{\cancel{3}}{2}\times(-\frac{1}{\cancel{3}})}=2^{-\frac{1}{2}}=\dfrac{1}{2^{\frac{1}{2}}}=\dfrac{1}{\sqrt{2}}}$$
3. $${(2\times4)^{\frac{1}{2}}=2^{\frac{1}{2}}4^{\frac{1}{2}}=\sqrt{2}\sqrt{4}=\sqrt{2}\times2=2\sqrt{2}}$$

 ここで、いくつかの複雑な計算例を示します。
 なお、"$${\cdot}$$" は "$${\times}$$(かける)" の意味です。

$$
\begin{align*}
&\sqrt[3]{2}\cdot\sqrt[6]{16}=2^{\frac{1}{3}}\cdot(2^4)^{\frac{1}{6}}=2^{\frac{1}{3}}\cdot2^{\frac{4}{6}}=2^{\frac{1}{3}}\cdot2^{\frac{2}{3}}=2^{\frac{1}{3}+\frac{2}{3}}=2^1=2\\
&\sqrt[3]{25}\times\sqrt[3]{5}\div25=(5^2)^{\frac{1}{3}}\times5^{\frac{1}{3}}\times\dfrac{1}{5^2}=5^{\frac{2}{3}}\times5^{\frac{1}{3}}\times5^{-2}=5^{\frac{2}{3}+\frac{1}{3}-2}=5^{-1}=\dfrac{1}{5}
\end{align*}
$$

 計算に慣れるには、問題集などでたくさんの演習を重ねることが重要です。累乗根は累乗(指数)の形にして指数法則を用いると、わりと正確に計算できます(各自で要演習)。

有理数乗をグラフにする

 $${y=2^x}$$ について、$${x}$$ を有理数とする関数とみて、いくつかの値を計算してみましょう。

$${x=-\frac{3}{2}}$$ のとき
 $${y=2^{-\frac{3}{2}}=\frac{1}{2^{\frac{3}{2}}}=\frac{1}{\sqrt[2]{2^3}}=\frac{1}{\sqrt{8}}=0.3535\cdots}$$
$${x=-\frac{1}{2}}$$ のとき
 $${y=2^{-\frac{1}{2}}=\frac{1}{2^{\frac{1}{2}}}=\frac{1}{\sqrt[2]{2^1}}=\frac{1}{\sqrt{2}}=0.7071\cdots}$$
$${x=\frac{1}{3}}$$ のとき
 $${y=2^{\frac{1}{3}}=\sqrt[3]{2^1}=\sqrt[3]{2}=1.2599\cdots}$$
$${x=\frac{1}{2}}$$ のとき
 $${y=2^{\frac{1}{2}}=\sqrt[2]{2^1}=\sqrt{2}=1.4142\cdots}$$
$${x=\frac{3}{4}}$$ のとき
 $${y=2^{\frac{3}{4}}=\sqrt[4]{2^3}=\sqrt[4]{8}=1.5874\cdots}$$
$${x=\frac{3}{2}}$$ のとき
 $${y=2^{\frac{3}{2}}=\sqrt[2]{2^3}=\sqrt{8}=2.8284\cdots}$$
$${x=\frac{7}{3}}$$ のとき
 $${y=2^{\frac{7}{3}}=\sqrt[3]{2^7}=\sqrt[3]{128}=5.0396\cdots}$$
$${x=\frac{11}{4}}$$ のとき
 $${y=2^{\frac{11}{4}}=\sqrt[4]{2^{11}}=\sqrt[4]{2048}=6.7271\cdots}$$
$${x=\frac{13}{4}}$$ のとき
 $${y=2^{\frac{13}{4}}=\sqrt[4]{2^{13}}=\sqrt[4]{8192}=9.5136\cdots}$$
$${x=\frac{10}{3}}$$ のとき
 $${y=2^{\frac{10}{3}}=\sqrt[3]{2^{10}}=\sqrt[3]{1024}=10.0793\cdots}$$
$${x=\frac{7}{2}}$$ のとき
 $${y=2^{\frac{7}{2}}=\sqrt[2]{2^7}=\sqrt{128}=11.3137\cdots}$$

 これらの値を $${(x,  y)}$$ 座標にして、先ほどの $${y=2^x}$$($${x}$$ は整数)のグラフに追加しましょう。赤丸が新たに加えられた点です。すべての点が、なめらかな曲線になるように連なっていることが分かります。

 さて、指数はすべての有理数まで拡張されました。
 最後に、指数を実数まで拡張しましょう。

指数を実数に拡張する

 指数はすでに有理数まで拡張されたので、実数まで拡張するためには、指数が $${\pi}$$ や $${\sqrt{2}}$$ のような無理数の場合でも計算できるように定義します。すなわち
 $${2^{\pi}}$$ や $${3^{\sqrt{2}}}$$
のような、無理数乗の定義です。

$$
実数
\begin{cases}
有理数 \rightarrow {\small 有理数乗はすでに定義された}\\
無理数 \rightarrow {\small 無理数乗をこれから定義する}
\end{cases}
$$

 なお無理数とは、繰り返しのない無限に続く小数です。
 $${\pi=3.14159265\cdots}$$
 $${\sqrt{2}=1.41421356\cdots}$$
 それでは、$${2^{\pi}}$$ をどのように計算すればよいかを考察しましょう。

<定義>指数が無理数のとき

 それには、下のように順次計算していくことによって

$$
\begin{align*}
2^3&=8\\
2^{3.1}&=2^\frac{31}{10}=\sqrt[10]{2^{31}}=8.5741\\
2^{3.14}&=2^\frac{314}{100}=\sqrt[100]{2^{314}}=8.8152\cdots\\
2^{3.141}&=2^\frac{3141}{1000}=\sqrt[1000]{2^{3141}}=8.8213\cdots\\
2^{3.1415}&=2^\frac{31415}{10000}=\sqrt[1000]{2^{31415}}=8.8244\cdots\\
&\hspace{6pt}\vdots
\end{align*}
$$

と、一定の値 $${8.8249\cdots}$$ に近づきます。途中の計算は有理数乗なので計算できます。小数点以下を小さくしていき、その近づく値(極限値)を $${2^\pi}$$ と定めます。つまり

$$
\begin{align*}
2^\pi=8.8249\cdots\\
\end{align*}
$$

 一般に、このようにして $${a  (>0)}$$ の無理数乗が定義されます。
 ちなみに、$${2^{\sqrt{2}},  2^{\sqrt{3}},  2^{\sqrt{5}}}$$ は次のようになります。

$$
\begin{align*}
2^{\sqrt{2}}&=2.6651\cdots\\
2^{\sqrt{3}}&=3.3219\cdots\\
2^{\sqrt{5}}&=4.7111\cdots
\end{align*}
$$

 無理数乗が定義されたことによって、指数はすべての実数まで拡張されました。

 なお、指数が実数まで拡張されても、一般に次のように指数法則が成り立ちます。極限や指数関数の連続性を用いることによって証明は可能ですが、ここでは割愛します。

<指数法則>(実数バージョン)

 $${a>0,  b>0}$$ で、$${x,  y}$$ が実数のとき

$$
\begin{align*}
1. a^xa^y=a^{x+y}  2. (a^x)^y=a^{xy}  3. {(ab)}^x=a^xb^x
\end{align*}
$$

***

実数乗をグラフにする

 $${y=2^x}$$ という関数について、$${x}$$ を実数とする関数とみて、いくつかの値を計算してみましょう。

$${x=-\sqrt{6}}$$ のとき
 $${y=2^{-\sqrt{6}}=\dfrac{1}{2^{\sqrt{6}}}=0.1830\cdots}$$
$${x=\sqrt{2}}$$ のとき
 $${y=2^{\sqrt{2}}=2.6651\cdots}$$
$${x=\sqrt{3}}$$ のとき
 $${y=2^{\sqrt{3}}=3.3219\cdots}$$
$${x=\sqrt{5}}$$ のとき
 $${y=2^{\sqrt{5}}=4.7111\cdots}$$
$${x=\pi}$$ のとき
 $${y=2^\pi=8.8249\cdots}$$

 これらの値を $${(x,  y)}$$ 座標にして、先ほどの $${y=2^x}$$($${x}$$ は有理数)のグラフに追加しましょう。緑丸が新たに加えられた点です。すべての点がなめらかに結ばれることが分かります。

指数関数

 指数がすべての実数で定義されたことによって、$${y=a^x}$$ という指数関数の導入が可能になります。
 例えば、$${y=2^x}$$ のグラフは、上のグラフの点をなめらかに結ぶことによって、次のようになります。

 このグラフの上に、$${y=3^x\hspace{-5pt}}$$(赤)と $${y=4^x\hspace{-5pt}}$$(青)のグラフを重ねて描いてみましょう。いずれも右肩上がりのグラフで点 $${(0,  1)}$$ を通ります。その点 $${(0,  1)}$$ の前後で、グラフの上下関係が逆になります。

 また、$${y={\left(\dfrac{1}{2}\right)}^x\hspace{-5pt}}$$(黒)、$${y={\left(\dfrac{1}{3}\right)}^x\hspace{-5pt}}$$(赤)、$${y={\left(\dfrac{1}{4}\right)}^x\hspace{-5pt}}$$(青)のグラフを重ねて描いてみます。
 例えば、$${y={\left(\dfrac{1}{2}\right)}^x}$$ のグラフは
$${x=-3}$$ のとき
 $${y=\left(\dfrac{1}{2}\right)^{-3}=\dfrac{1}{\left(\frac{1}{2}\right)^3}=\dfrac{1}{\frac{1}{2^3}}=2^3=8}$$
$${x=-2}$$ のとき
 $${y=\left(\dfrac{1}{2}\right)^{-2}=\dfrac{1}{\left(\frac{1}{2}\right)^2}=\dfrac{1}{\frac{1}{2^2}}=2^2=4}$$
$${x=-1}$$ のとき
 $${y=\left(\dfrac{1}{2}\right)^{-1}=\dfrac{1}{\left(\frac{1}{2}\right)^1}=\dfrac{1}{\frac{1}{2^1}}=2^1=2}$$
$${x=0}$$ のとき $${y=\left(\dfrac{1}{2}\right)^0=1\raisebox{3ex}{ }}$$
$${x=1}$$ のとき $${y=\left(\dfrac{1}{2}\right)^1=\dfrac{1}{2}\raisebox{3ex}{ }}$$
$${x=2}$$ のとき $${y=\left(\dfrac{1}{2}\right)^2=\dfrac{1}{4}\raisebox{3ex}{ }}$$
$${x=3}$$ のとき $${y=\left(\dfrac{1}{2}\right)^3=\dfrac{1}{8}\raisebox{3ex}{ }}$$
を通ります(要確認)。

 これらは、いずれも右肩下がりのグラフで点 $${(0,  1)}$$ を通ります。その点 $${(0,  1)}$$ の前後で、グラフの上下関係が逆になります。

 なお、$${y=2^x}$$ と $${y={\left(\dfrac{1}{2}\right)}^x}$$ のグラフは、$${y}$$ 軸に関して線対称となります。$${y}$$ 軸で折り返すと、両者のグラフは重なります。

 一般に、$${y=a^x}$$ と $${y={\left(\dfrac{1}{a}\right)}^x}$$ のグラフは、$${y}$$ 軸に関して線対称になります。

 あらためて、指数関数は次のように定義されます。

<指数関数の定義とグラフ>

 $${a>0}$$ かつ $${a\ne1}$$ であるとき、関数 $${y=a^x}$$ を、$${a}$$ を底とする $${x}$$ の指数関数という。指数関数のグラフは次にようになる。
(case1) $${0< a <1}$$ のとき
(case2) $${1< a}$$ のとき
で場合分けをする。

***

 例えば、
(case1) $${a=\dfrac{1}{2}}$$ のとき
(case2) $${a=2}$$ のとき
のグラフを描くと、次のようになります。

 なお、$${a=0}$$ のときは常に $${y=0}$$ となるため($${y=0^x=0}$$)、$${a=1}$$ のときは常に $${y=1}$$ となるため($${y=1^x=1}$$)考えません。
 また、$${a<0}$$ のときは、関数 $${a^x}$$ が実数にならない場合があるので考えません。

指数関数のグラフの性質

 指数関数 $${y=a^x}$$ のグラフには次の性質があります。

1.定義域($${x}$$ の範囲)は実数全体、値域($${y}$$ の範囲)は正の実数全体です。$${y}$$ が $${0}$$ や、負になることはありません。

2.$${0< a <1}$$ のとき、$${x}$$ の値が増加すると $${y}$$ の値は減少します。
 $${a>1}$$ のとき、$${x}$$ の値が増加すると $${y}$$ の値は増加します。

$${a>1}$$ のとき、$${x}$$ の値が増加すると $${y}$$ の値は増加します。

3.グラフは必ず点 $${(0,  1)}$$ を通り、$${x}$$ 軸に近づいていきます。この近づいていく直線を漸近線といいます。
 なお、近づいていくだけで、どこまでいっても $${x}$$ 軸と接しないことに注意しましょう。

対数について(簡単に)

 次の記事で対数関数を解説する予定ですが、ここで少しだけ紹介します。
 $${y=2^x}$$ のグラフは、$${x}$$ の値が増加すると $${y}$$ の値も増加します。よって、$${2^r=3}$$ を満たす $${r}$$ はただ一つ存在し、それを

$$
\begin{align*}
r=\log_2{3}
\end{align*}
$$

と表します。これを、$${2}$$ を底とする $${3}$$ の対数といい、"ログ $${2}$$ 底の $${3}$$" または "ログ $${2}$$ の $${3}$$" と読みます。

 対数の発見者は、スコットランドの数学者、物理学者、天文学者であるジョン・ネイピアといわれています。

John Napier (1550年2月1日-1617年4月4日)

 詳しくは次の記事で解説しますが、対数はかけ算をたし算に、わり算をひき算に変えるので、巨大な数のかけ算やわり算が、対数を使うと容易になります。つまり、次の対数の性質です。

$$
\begin{align*}
\log_a{\underset{\tiny かけ算}{MN}}&=\log_a{M}\hspace{-4pt}\underset{\tiny たし算}{+}\hspace{-3pt}\log_a{N}\\
\log_a{\underset{\tiny わり算}{\dfrac{M}{N}}}&=\log_a{M}\hspace{-3pt}\underset{\tiny ひき算}{-}\hspace{-4pt}\log_a{N}
\end{align*}
$$

 時は大航海時代。ヨーロッパ各国が新天地に向けて船を漕ぎ出した時代です。天体観測によって船の位置や方角を算出するのに、当時の天文学者は巨大な数の計算に苦労していました。彼らの計算を助けるために対数に目を向けたネイピアは、計算を簡略化するための対数表を20年もの年月をかけて完成させたのです。
 天文学の膨大な計算を簡単に行えるようにした対数について、フランスの数学者、物理学者、天文学者であるピエール゠シモン・ラプラス(1749 - 1827)は「対数は天文学者の寿命を 2 倍にした」と賞賛しています。

(参考1)数の分類

 数の分類は以下の通りです。

$$
\begin{align*}
\boldsymbol{複素数  a+bi} 
\begin{cases}
\overset{\small b=0  のとき}{\boldsymbol{実数  a}}
\begin{cases}
\underset{\scriptsize 分数で表せる数}{\boldsymbol{有理数}}
\begin{cases}
\boldsymbol{整数}
\begin{cases}
\boldsymbol{自然数}  \scriptsize{(1,  2,  3, \cdots)}\\
\boldsymbol{0}\\
\boldsymbol{負の整数}  \scriptsize{(-1, -2, -3, \cdots)}
\end{cases}\\
\boldsymbol{有限小数}\\
 {\footnotesize 例 0.17 (=\dfrac{17}{100})}\\
\boldsymbol{循環小数{\scriptsize(循環する無限小数)}}\\
 {\footnotesize 例 0.232323\cdots\left(=\dfrac{23}{99}\right)}
\end{cases}\\
\underset{\scriptsize 分数で表せない数}{\boldsymbol{無理数}}\\
 {\scriptsize 例 \pi  (=3.1415\cdots)  のような \boldsymbol{循環しない無限小数}}\\
      {\scriptsize e  (=2.7182\cdots)  のような \boldsymbol{循環しない無限小数}}\\
\end{cases}\\
\overset{\small b\ne0  のとき}{\boldsymbol{虚数  a+bi}} 特に  a=0  のとき  \boldsymbol{bi}  を\boldsymbol{純虚数}という。 
\end{cases}
\end{align*}
$$


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