宇宙からみたら些細な話よ⦅舞台:「星の降る時」⦆
なんとなくもうちょっとマイルドな話かと思ってたら思ってたよりもだいぶ火力強めな家族の話だった。
深夜のテレビCMで見てまだチケットあるんですか!!!!!!!となり。
突然行きたくなったやつなので事前情報も何もなかったけど、ローレンスオリヴィエ賞関連×栗山民也演出ってあたりがもう絶対自分の好きなタイプの作品だと思った。
ちなみに以前に観たことがあるのは内野聖陽と伊藤歩の二人芝居「BLACK BIRD」
これもなかなかに観終わったあとに「おぉ…」ってなる重みがあったけども今回もなかなかになかなかの重みでございました。
しかしこの話はこの家族とイギリスの文化がどれくらい理解できるかできないかによって結構深刻度合いも変わるのかも。
〜あらすじ〜
イギリスのかつて栄えた炭鉱町に生まれ育った三人娘。
今では二人の娘を持ち相変わらず倉庫勤務の長女ヘーゼル(江口のりこ)と、町に嫌気をさして実家を遠く離れていた次女マギー(那須凜)、そしてポーランド移民と恋に落ちた三女シルヴィア(三浦透子)。
今日は三女の結婚式。母親代わりの叔母キャロル(秋山菜津子)と共に、パーティの準備をしている。
早くに妻を亡くしたが、三姉妹を守ってきた父親トニー(段田安則)、その兄とは長年に渡る絶縁状態の叔父ピート(八十田勇一)、移民に職を奪われ失業状態の長女の夫ジョン(近藤公園)も久しぶりに顔を合わせ、三女の夫マレク(山崎大輝)を迎えて祝いの宴が催されるが…
人生で最も幸せなはずの一日が、問題をはらんだ家族間の扉を開けてしまうことになり…果たして家族は再び向き合い、新しい朝を迎えることができるのか…
三姉妹の「日常」
冒頭、一つの部屋で三姉妹と長女ヘーゼルの娘たち2人
途中からやってくる叔母
部屋の中は完全に“女子会”状態で結婚式の準備が進んでいく
いいなぁと思ったのはそもそも結婚式の文化が日本とはまるで違うので、花嫁である三女のシルヴィアも一緒に準備をするんですよね
”結婚式場“って場所に行ってどうこうする日本の文化と違って海外はおうちでお支度をするのが当たり前(らしい。あんま知らんけど)で必ずヘアメイクさん呼んだりするわけでもないみたいなので、なんか”生活の延長線上”って感じがする海外の結婚式もいいなぁと
久しぶりに会う次女や叔母の近況報告話の中に「髪がうまく結べないー!」とか「誰かアイライナー貸して」とか、さらには「あんたいつまでスマホ触ってんの!!!」っていうオカンの怒りやら…まぁ様々な年代でも女子が6人もおなじ部屋にいればとにかくガチャガチャしゃべりまくって情報量がめちゃくちゃ多い笑
そんでもってシルヴィアまさかのドレスを一度も試着しておらず
「…ドレスが……着れない…泣」
の大パニック笑
さらにそんな最中に父のトニーは「シルヴィア〜…シルヴィア〜…」と向こうの部屋からずっと一番おめかしに忙しいであろう主役を呼びつけてる
お父さん!!!!!うるさいよ!!!!!!笑
誰か他の人に頼みなさいよ!!!!!!
今はシルヴィアじゃないでしょーが!!!!!
と思った私は長女です笑
三姉妹の母のウエディングドレスがなんとか着られた、というミラクルがおき、ヘーゼルに裾上げをしてもらってこれからみんなで結婚式へ向かう
ガチャガチャでうるさすぎる、なんてことのないこの三姉妹にとっての"日常"
両手の人差し指をくっつけたら時間が止まる魔法を使えたお伽話の少女の話。
「今のこの幸せが、この瞬間で永遠に止まったらいいのに」
これから結婚するシルヴィアにとっては望むとも望まざるとも生活が変わることは間違いない。そして心配性のシルヴィアはただただこの瞬間の幸せのことだけを考えていたのではなく
”なんか不吉な予感がする“
だから
”この瞬間で時間が止まればいい“
結果的にこのシルヴィアの予感は当たってしまうわけです。
大手を振って喜ばれない結婚は闇が深い
まぁ”不吉な予感“ってやつはなんとなく無意識的でも根拠があったりするんですよね。たぶん。
パーティのはじまり。
シルヴィアと運命的な出会いで結婚することになった夫のマレクはポーランド移民。
この”移民“という背景が日本には馴染みがなく知識も少なかったのでちょっと最初置いてかれるところではあります。
ただ見てればだんだん事情はわかってくるし、人間の根深い闇だなと。
シルヴィアの夫マレクには移民として幼いころから差別されてきた苦労があり、その差別をしていた側に当たるのがイギリス人たち、つまりシルヴィアたちはいわばマレクたちを”差別してきた側”にあたるわけです。
家族はシルヴィアが結婚することに対して嬉しい気持ちと、相手がポーランド移民という、ただただ“他国の人”だけでは言い表せないなんとも言い難いバックボーンをもった相手であるという複雑な気持ちをもったまま結婚式当日を迎えてしまったわけで。
なんか
知ってるこの空気…。
「本人同士が決めたことなんだから周りが口出すことじゃない」
というだけでは片付かないこの空気。
"移民"って文化があんまりよくわからなくても、こういう人間同士の対立は避けて通れないんだな、と。
生まれは本人の意思で選べるものじゃない、ただのタグ付けみたいなもので。それでもそういうタグにも「移民とか絶対にやだ!」って人もいれば「なんとなくやだな」ぐらいの人もいるし「そんなの関係なく個人を見るべき話だよ」って思う人もいるわけで。
日本も移民ではないけど似たような事情はいくらでもある。
これに結婚が絡むと…まぁ厄介よね……
ヘーゼルの夫ジョンは現在職なし。
娘2人を抱えながらヘーゼル自身もパート先の仕事は多くなく、その原因になっているのは「移民に仕事を取られているから」
そんな中、マレクは今や経営者として成功して
今後も事業拡大を進める予定という絶好調状態。
そんな中でジョンに対して“うちで働く??”と言っちゃうマレク
……おぅ…ちょっと…配慮が足りない…かも…( ˊᵕˋ ;)
カチンときちゃったヘーゼル思いっきり嫌味で返しちゃうし
……おぅ…怖いよねーちゃん…
比較的中立な意見の父と、あんまりよく思ってないヘーゼルや叔母さん。
なんか…諸々ちゃんと…解消してから結婚したほうがよかったんじゃないのかいシルヴィア……??
結婚式なのに…なんか嫌な空気………。
不倫、ダメ、ゼッタイ。
パーティのはじまる前からずっとあからさまに何かから逃げ回っていた次女のマギー。
マギーは実はヘーゼルの夫のジョンに惹かれていて
ジョンも実はマギーを愛していて、ヘーゼルへの関心は薄れつつある
これもまた話ややこしい!!!!笑
なぜねーちゃんの旦那を!!!!!!
しかもジョンなかなかに熱烈にマギーのことを追いかけてる。
空気読めよジョン!!!!!!
思いっきりねーちゃんいるのにその熱烈さは気まずすぎるだろ!!!!!!
マギーが実家から離れたのはこれ以上ジョンと一緒にいられないと思ったから。
そこまでしてマギーは離れたのに。
もう実家出たんだからマギーあきらめてよ!!!!!!
しつこい!!!!!
なんならちょっとキモいまである!!!!!!笑
マギー…可愛かった…。
確かに好きになっちゃうかもしれない。
“自由奔放だ”と家族に言われてきて、3回も結婚しているマギー
でも真ん中っ子特有?というのか…うまく姉妹や家族の中を立ち回って繋いでいるんですよね。
好き勝手やっているように見せて、実家にも寄り付かなくても本当は家族のことを一番と言って良いぐらいに好きなんだと思います。
っていうか!!!!
諸々の諸事情あけっぴろげすぎないかイギリス!!!!!笑Σ( Д )ﻌﻌﻌﻌ⊙ ⊙
なかなかにジャパニーズガールには刺激の強い話がバンバンでる!!!!!笑
自分、姉妹おらんからこれは普通なのかよくわからんけど
清純派だと思ってたシルヴィアですら
「あいつと◯ってどうだったか」
って話にしれっと参戦しておる!!!!!Σ( Д )ﻌﻌﻌﻌ⊙ ⊙
そしてみんななかなか評価厳しい!!!笑
っていうかマレクとシルヴィア喧嘩した勢いが燃え上がってそのままお外っていうかなんならパーティー中なんですけどもそのままはじまりかけちゃったりして(?)これはだいじょぶなんですか!!!!!!????Σ( Д )ﻌﻌﻌﻌ⊙ ⊙
おビックリです!!!!!!!!!!笑
どれくらい気まずいかって、リビングでみんないる時に全裸監督再生しちゃうぐらいにはわりと気まずい!!!!!!!!!!!!!!笑
オープンすぎるでしょイギリス!!!!!!!!!!!!Σ( Д )ﻌﻌﻌﻌ⊙ ⊙笑
っていうかなんかもうみんななんらか後ろめたいじゃん!!!笑
何があったのか大きくは言及されないけど父トニーとキャロル叔母さんは若い時にはお互いにターザンとヒロインをやるぐらいの惹かれあっていた間柄で
にも関わらず実際にキャロルと結婚したのはトニーの弟であるピート
え??
ここもややこしいの???(´・Д・)笑
そしてまさかの
思春期ガールこと娘1のセアラが、マギーと自分の父であるジョンがキスしているのを見てしまう
これだけでも絶句なのに
なぜか(?)パニックのあまりマレクに自分からキスしてしまう&ぐちゃぐちゃになった場をごまかしたいために「マレクにキスされた」という超弩級の火種をぶっこんでしまうという
うわぁ………
「時間が止まればいい」
っていうかもう
いっそ止まっててくれたほうがよかっただろうに…
もう結婚式どころじゃないものすごい大炎上しながら終わらない今日という日の夜中に突入していくという
火力が強すぎる笑
「家族」ってなんなんだ
直接は言及されないけれどもおそらく何か少し家族の中に傷を残すことがあったのであろう三姉妹の母の死
そしてこの家族の中に「移民」という少し棘をもった異分子、しかも絶対に自分を曲げない夫マレクと自分にとってこれまで何より大事にしてきた家族との間に挟まれる三女のシルヴィア
ヘーゼルがマレクをなんか好きになれないのも、心からマギーのこともシルヴィアのことも愛しているのも本当で
マギーが自分の生活を捨てて逃げ回ってそれくらい姉との関係を壊したくなかったのも、それでもジョンに会ってしまったらやっぱりどうしても惹かれてしまうのもどちらも本当で
今のこの幸せな瞬間のまま時間が止まればいいって思っているぐらいに愛している姉たちなのに、違うルーツをもつ夫を受け入れてくれないことがどうにも許容できないのも本当で
わかりやすく敵対して良い悪い・好き嫌いで全てを決められない、むしろ入り組みすぎていて何も動かせないからこそもう踊り狂うしかないようなこの衝動がもどかしすぎて
これはもう国籍とか文化の違いとかは関係なく
うわぁ………わかるぅ………って感じ………笑
日本の文化的にはちょっとヘヴィだったかもしれない…
正直ここまでギッタギタに心折れたらなかなか…ちょっと修復がむずかしいかも…笑
だがしかし
ひとつびっくりだったのが“このオチは大丈夫なのか?”と思って他に観劇レビューを書いておられる方を探したなかで、留学経験がある、という方が「たぶんそれでも明日の朝にはみんなで紅茶を飲んでビスケット食べて何事もなかったように過ごすんだと思う」って書いておられて
ほぉーーーーーーーー( °◊° )
って思ったのです。
文化の違い…!
え?もしや…この脚本、イギリス人ジョークのうちに入るの!!!??Σ( Д )ﻌﻌﻌﻌ⊙ ⊙笑
いやもう日本人こんなにバチボコに喧嘩したら…立ち直れなくね????笑
さすがにそこまで大々的にジョークのうちに入るかはわかりませんが、しかしもしかしてこの話は日本とイギリスでは“重み”はもしかしたらちょっと違うのか??ともおもいました。
もちろん”思うところとかもたくさんあるけど表には出さずに”ということらしいですが、もう私には『この人たちの夜は果たして明けるのか?明日の朝一体どうやって顔をあわせるんだ?』という絶望的な未来しか見えなかった笑
だがしかし
そもそも”言いたいことは溜め込まない”的なこの思いっきりプライベートの夜の話まで全部開けっぴろげとかバッサバッサ文句言いまくるキャロル叔母さんとかもイギリスあるあるなんだとしたら(そうなんだろうか???笑)
すげぇ(小並感)
なので(?)
この脚本
そこで終わるんですかぁああああああああ!!!!!!!Σ( Д )ﻌﻌﻌﻌ⊙ ⊙
ってとこで終わります笑
鳥肌たった笑
ちなみに以前観た「BLACK BIRD」も
そこで終わるんですかぁああああああ!!!!!!????Σ( Д )ﻌﻌﻌﻌ⊙ ⊙
ってとこで終わりました笑
好きです、ローレンスオリヴィエ賞の作品。笑
綺麗にオチがつきすぎる作品ってわざわざ舞台で見なくていいかな、って思うので。
しょうがないよ、人間だもの
もう見終わったあと、「なんちゅう絶望的な終わりやねん」と思ったものの
そうでもないのかもしれない、と。
本当に明日の朝、何事もなかったかのようにみんな「おはよう」って言ってリビングに集まってくるのかもしれないし
これっきり本当に二度と家族が集まることもないのかもしれない
明日を迎える心の準備もなにもできてなくても
踊り狂ったとしても
逆にいえばどれだけ"この瞬間が止まればいい"と願ったとしても
どう頑張ったところで抗うことなんてできず結局時間がたったら明日を迎えてしまうわけで。
私たちの人生は星よりも、その辺の石すらよりもたぶん短い。
たぶんこんなに1家族からしたらものすんごい大問題だったとしても
宇宙の星々からしたら本当にどうでもいい話なんだよ。
だがしかし、もっと大事な教訓があると思う。
ただ一つ、これは国も文化も関係なく、間違いなく共通して言えることがある。
なんかさ?
ちょっと確かにね
微妙な空気だったとは思うの( ー̀ωー́)⁾⁾ウンウン
あのパーティーで「いやなんで今日のこの場でバチバチに角が立つような言い方するのかな?」とか「本当に結婚しちゃっていいのかな?この子親族になるのかぁ…」
とかさ?
思ってたはず( ー̀ωー́)⁾⁾ウンウン
いやもう”何この空気”って思った( ー̀ωー́)⁾⁾ウンウン
だからってさ…
………ウォッカ(だったかな?マレクのポーランドのお酒)をショットであんな飲んじゃだめだよ( '-' )笑
みんな
お酒には気をつけよう( '-' )
そりゃぁもう言わんでええことはバンバン飛び出すし、あられもないこともバンバン起きるしさ笑
理性を吹っ飛ばすのはろくなことない( '-' )
大事な席で度数の強めなお酒は身を滅ぼすからよい子はやめような!!!!!!!!笑
(これをかいて私は自分の身に起きた「トラウマについて」の話を思い出した)
読んでやんよ、と思ってくれた優しい方はこれを読んで供養してください笑
https://note.com/suuuk0629/n/nbc682c90f9b0
あんなに絶望的な夜はどうやって明けるのだろう、と思ったけども。
人間ってあんがい図太いのであんまり心配せずに寝ようとおもいます。
寝て起きたらまた違う気持ちになってるかもしんないしね!!
人間って大変だよね!!!!!!(っていう凡庸な結論)
