【饂飩美味紀行】#44 能古うどん 長尾本店(福岡県福岡市城南区)【名店紹介】
" 博 多 湾 の 恵 み、能 古 島 生 ま れ の 逸 品 "
❖ 福岡市城南区長尾の位置
福岡城下の南方に広がる長尾の地は、自然の要害に囲まれた静謐なる土地である。北には友泉亭および中央区笹丘、東に南区長丘、西に神松寺・友丘、そして南には樋井川が流れ、その地勢は防御に適したものとなっている。西には一本松川もまた流れ、これらの水脈が境界をなし、往時においては天然の防塁ともなったことが窺える。
この地の歴史を紐解けば、まず「友泉亭公園」の名が挙がる。黒田家第六代藩主・継高公が築いた別荘跡であり、今もその庭園は美しく整えられ、池泉回遊式の造りが武家の雅を今に伝えている。静かに水面を眺めれば、かつてここで過ごした武士たちの気配が感じられるかもしれぬ。庭内には茶亭もあり、ここで一服すれば、戦なき時代の穏やかなひとときを偲ぶことができよう。
また、この地を貫く樋井川の流れもまた、長尾の地勢を形作る重要な要素である。この川はかつて農作に用いられただけでなく、自然の防御線としての役割を果たしてきた。さらに南方へと目を向ければ、大池の静かな水面が広がる。ここは、古より水源として利用されてきた地であり、周囲には豊かな自然が残る。武士たちがここで馬を休め、水を飲ませながら息を整えた様子が、今でもありありと想像される。
長尾を貫く道にも、往時の名残を見出すことができる。西側には油山観光道路が通じ、これは古より福岡城下と南部を結ぶ重要な路であった。また、大池通りが東西に走り、南北には県道桧原比恵線が長丘との境界を成す。これらの道を歩けば、昔日の旅人や武士たちが往来した姿が目に浮かぶ。
さらに視線を南へと向ければ、油山がそびえ立つ。この山は古来より修験者たちの修行の地であり、また福岡城を護る天然の砦としても機能していた。長尾に住まう者たちにとっても、この山は変わらぬ存在であり、四季折々の姿を見せながら今も町を見守り続けている。
こうして長尾の地を眺めれば、単なる住宅地ではなく、戦国の世から続く歴史の息吹を感じさせる土地であることが分かる。福岡城を護る要の地として栄え、名所・旧跡を擁しながらも、今なお自然と共に生きる町。時代が移り変わろうとも、ここに息づく歴史の面影は決して消えることはない。
❖ 店舗外観
❖ 饂飩絵図

❖ 饂飩膳の記録
◎ 能古うどんの古式切り麦を求め、いざ出陣
幾度も通いし馴染みの店、「能古うどん 長尾本店」。
本日もまた、昼の喧噪を避け、遅き刻に門を潜りぬ。
頼むは、定めたる膳……と心に決めしが、折よく目に留まったは季節限定「かしわきのこご飯セット」。筑前の風雅、存分に味わわねばなるまい。
さあ、いざ口に運ばん!

◎ 能古うどんの歴史と由来 〜刀鍛冶のごとき職人の技〜
能古うどんの始まりは、今を遡ること幾十年、天保の昔ならぬ平成十一年のこと。筑前の地にて、辛子めんたいこの商いを生業とするセキワ物産なる者が、新たなる道を拓かんと立ち上がった次第。初めは贈答の品として都の商家に並ぶのみであったが、時を経て、博多湾に浮かぶ能古島にて製麺を始めるに至る。
職人衆は、まるで名工が茶器を仕立てるがごとく、粉を捏ね、寝かし、打ち、湯に潜らせ、見事なる細きうどんを創り上げた。筑前の風土と、幾重にも重ねし手業が生みし味、これぞまさに、粋と心意気の結晶なり。

◎ 剛柔併せ持つ、うどんの妙味 〜一閃、喉越しの快感〜
まず、うどんの真髄たる細きながらも凛としたコシ。能古うどんにおいては、混雑時を除き、茹で置きをせず、注文ののちに湯をくぐらす。そのため、茹でたての麺を流水にて洗い、さらに氷水にて締めることにより、他にはない喉越しと歯応えを生み出しておる。
出汁の味わいは見事なもの。澄み渡るが如き上品さながら、舌に残る余韻深し。気づけば盃を傾けるが如く、最後の一滴までも飲み干してしまうほど。まさに、湯屋帰りに嗜む冷茶のごとし!

◎ 武士の心意気、ごぼう天の妙 〜サクッと討ち取る快感〜
別添えのごぼう天、これまた侮れぬ。薄く切られたるそれは、見事なるサクサクの歯応え。出汁に潜らせるもまた一興、しっとりとした旨みが舌の上で舞う。これぞ、筑前の粋を極めし妙技なり!

◎ 戦場に挑む如し、かしわきのこご飯 〜武士の糧ここに極まる〜
季節の膳たる「かしわきのこご飯」、これぞ侍の腹を満たす逸品なり。炊き込みご飯のしっとりとした舌触り、かしわの深き旨み、きのこの香りが見事に調和し、思わず箸が進む。まるで茶屋にて一息つく折の滋味深き膳のごとし!

◎ 侍も憩う、店の趣 〜戦の後の静寂〜
店内は落ち着きたる和の趣。いかなる者も心安らぎ、静かに膳を味わうこと叶うべし。風流なる佇まい、女侍もまた安心してひとり食すこと叶う。
また、店内には明太子の品々も揃い、土産を選ぶ愉しみもまた一興。
◎ 食の一戦を終え、至福の締め 〜満腹こそ筑前の華〜
細きながらも確かなる芯を持つ能古うどん。素材にこだわり、手間を惜しまず仕上げられたるその味わいは、まさに職人の魂宿る逸品なり。
馴染みの店として、幾度も通うこと疑いなし。次なる折には、また異なる季節の膳を試し、さらに深く味わい尽くさん。さて、腹ごしらえも済んだことなれば、次なる離島へと向かうとしようか……!

❖ 店の評判帳
❖ 詳細な絵図
❖ 饂飩道を嗜む者へ(宣伝)

能古島 百花蜜 〜四季を映す甘露の妙〜
能古島の四季折々に咲く花々より、蜜蜂が丹精込めて集めし百花蜜。時節により味わい移ろい、さまざまな花の香りと共に、濃厚にして奥深き甘みを堪能できる一品なり。
その華やぎし風味、まことに見事。朝なれば炙りたる小麦の餅(トースト)に塗りて、夕べには香り高き茶(紅茶)に溶かして楽しむもまた一興。
【原材料】
純粋なるはちみつのみを用い、他のもの一切交えず。
【内容量】
八十匁(80g)
【賞味の刻】
製造の時より二年の間、変わらぬ甘露を楽しむべし。
粋人の嗜みとして、また贈り物にもふさわしき逸品なり。ぜひ手に取り、能古の四季を味わうべし。
❖ 過去の饂飩絵巻
美味を求む饂飩侍、風の如く歩みし味巡礼の記録なり
❖ 諏訪たけしの饂飩美味紀行全集
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