制約理論(TOC)
■制約理論(TOC)とは
企業の目的「現在から未来にわたって、より多くのお金を儲けること」を実現するために、物理学者のエリヤフ・ゴールドラットさんが提唱した理論。小説でエッセンスが紹介されています。
■岸良さんの解説動画
Goldratt Japan CEO 岸良さんのとてもわかりやすい解説動画が公開されています。
制約理論・全体最適・ボトルネックとは?
金の知恵入門シリーズ
■制約条件
ボトルネック、あるいはシステムの中で最も弱い部分。制約条件を継続的に改善することが、システムのパフォーマンスを向上するための鍵になる。
●鎖のメタファー
・鎖のパフォーマンスは、一番弱い輪に依存する

※https://toc-consulting.jp/toc/ から引用
●ハイキングのメタファー
・ボーイスカウトの子どもたちをハイキングに連れて行く場面
・一本道を一列に並んで進む
・隊列全体をより早く目的地に到着させる
・隊列の中央に歩くのが遅い子(ハービー)がいる
・ハービーの速度を早くしなければ
隊列全体を早く到着させることはできない
■部分最適化と全体最適化
制約条件以外をパフォーマンス改善してもムダになってしまう。
●部分最適化
・非制約条件の部分的なパフォーマンス改善
・ハービー以外の子がスピードアップしても間隔が延びるだけ
●全体最適化
・システム全体のパフォーマンス向上を目的とした改善
・ハービーが1.2倍にスピードアップすれば、全体が1.2倍にスピードアップ
■5つの集中ステップ
全体最適を実現するために必要な、制約に集中するためのステップ
■生産ラインでの制約条件の管理
●統計的変動と依存的事象
統計的変動に配慮し、依存的事象をコントロールして制約条件を管理する
統計的変動
体調や事故、災害など、確率によってパフォーマンスが変動する要因。これを避けることはできない。ばらつきでボトルネック前後にかかる負荷が変わる。
依存的事象
ある要因が他の要因と従属関係にあること。工程での前後関係。ボトルネックに依存する工程があるため、ボトルネック以上の性能でスループットを生み出すことはできない。
●ドラム・バッファー・ロープ
制約条件を徹底活用し、他を制約条件に従属させる手法

ハイキングのメタファー
ハービーに自分の歩くリズムでドラムを叩かせ、全員同じペースで歩く。先頭の子とハービーをロープでつなぎ、隊列の長さを一定にする。ロープの長さは、先頭〜ハービーまでの間の子が転んでも、ハービーを止めることなく再び歩きはじめられる分。
先頭の子とハービーをロープでつなぐことは、制約条件と入り口の工程を同期させることに置き換えられる。
ハービーを止めることなく再び歩きはじめられる分のロープの長さは、制約の前に置く在庫や時間のバッファーに置き換えられる。
・バッファーの種類
1. 制約バッファー
制約の前に置く在庫
制約を止めないため
2. 組み立てバッファー
最終工程の前に置く在庫
最終工程の遅れを防ぐ
3. 出荷バッファー
出荷期日の前に置く期間
顧客の指定時間通りに届けるため
・バッファーのサイズ
・決める要因
予定消費量
補充するための時間
・考慮すること
バッファーが長いとリードタイムが延長
バッファーが短いと制約条件が止まる
●プロジェクト・バッファー
個々の工程でバッファーを持たせるのは部分最適化。最終工程の後にプロジェクト全体のバッファーを設ける
・時間にゆとりがあるとすぐに仕事に取り掛からないのが人間
・早く終わったとしても、やらなくても良い作業で時間はムダに使われる
・プロジェクト・バッファーの取り方
・各工程の見積もりを半分にする
・最終工程の後で合計をプロジェクト・バッファーとして置く
・さらにプロジェクト・バッファーを半分にする
●クリティカル・パス
PERTの、時間的に全くゆとりのない工程のつながり ≒ 制約条件
・合流バッファー
・非クリティカル・パスからの合流が遅れると全体が遅延
・制約バッファーとして、合流前にバッファーを置く
●クリティカル・チェーン
人やモノといったリソースが、複数の工程で用いられる場合、競合の危険性がある。この競合が発生するリソース上で行われる作業
・PERTの各工程にリソースを割り当て
・競合を発見したら、そのリソースの負荷を減らす
他の工程に仕事を移す
他の時間に仕事をずらす
■思考プロセス
●5ツリー法
・何を変える?
現状問題構造ツリー
・何に変える?
対立解消図
未来問題構造ツリー
・どう変える?
前提条件ツリー
移行ツリー
●現状問題構造ツリー
問題として認識される要素のほとんどは症状であって、問題ではない。因果関係から、根本的な問題 = 制約条件 を探し出す

・UDE
Undesirable Effects
現状での問題として認識される要素
・下から上にIf-Thenロジックで構成
下から上の関係は、So What ?
そこから何が言えるのか?
上から下の関係は、Why So ?
どうしてそうなのか?
・作り方
UDEを列挙
UDE感の因果関係をIf-Thenロジックでつなぐ
理論が飛躍する場合、ステートメントを追加
すべてのUDEが結びつくまで繰り返す
根本問題を特定する
●対立解消図
意見の対立には仮定が存在し、この仮定が間違っていることから対立が生じる。間違った仮定を突き詰めて、新たなアイデアを導入する

・構造
目標、必要条件、前提条件をつなぎ
対立する前提条件間をつなぐ
・対立から描く場合の作り方
対立する要素を前提条件として記載、つなぐ
前提条件を何のために実施するのか、を必要条件としてつなぐ
必要条件を何のために実施するのか、を共通の目標としてつなぐ
間違った仮説を探し、解消するアイデアを追加する
コンフリクトが解消することを確認
●未来問題構造ツリー
新たなアイデアを現実に導入した場合、不都合が起こらないか予めシミュレートし対策を練る

・DE
Desirable Effects
好ましい状況
・作り方
対立解消図で得たアイデア
アイデアを現状問題構造ツリーに追加
UDEがDEに変化
新たな問題が発生した場合
対立解消図でアイデアを発想
を繰り返す
●ネガティブ・ブランチ
アイデアを採用するべきか不安をいだいている場合にネガティブな要素を列挙し、構造化。漠然とした不安の全体像を把握する

・状況を論理的に解説されると、相手からネガティブな要素を解消する解決策が生まれるもの
・自分が見つけた解決策を無理強いせず、相手が自発的に解決策を見つけ出すことでWin-Winの関係を構築できる
・作り方
アイデアからネガティブな結果までをIf-Thenロジックでつなぐ
●前提条件ツリー
目標達成を阻害する障害を整理し対策を練る

・作り方
目標達成の障害を考える
障害を取り除く中間目標を設定
中間目標の障害を考える
障害がなくなるまで繰り返す
●移行ツリー
目標を達成するための具体的な行動計画を練る

・作り方
前提条件ツリーの中間目標を下からたどる
各中間目標を達成するために具体的にどんな行動をすべきかをつなぐ
●3クラウド法
キーとなる問題がいくつかに絞れている場合の利用方法
・何を変える?
対立解消図
・何に変える?
現状問題構造ツリー
未来問題構造ツリー
・どう変える?
前提条件ツリー
移行ツリー
■スループット会計
出て行くお金を減らすより、入ってくるお金を増やすことを優先する管理
●評価尺度
・スループット
販売額 - 原材料費
販売によってシステムがお金を作り出す割合
・純利益
スループット - 業務費用
・投資利益率
(スループット - 業務費用) / 在庫
・在庫
販売を目的とした、あらゆるモノに投資した全てのお金
・業務費用
在庫をスループットに変換させるためにシステムが費やした全てのお金
・企業のパフォーマンスを高める方法
・スループットを増大する
・在庫を削減する
・業務費用を削減する
●スループット・ダラー
制約条件が時間あたりに、どの程度スループットを出せているかを測る尺度
・スループット・ダラー
スループット / 制約条件での作業時間
●スループット・ダラー・デイズ
在庫に投資したお金が、どれほど効率よく利用されているのかを測る尺度
・ダラー・デイズ
お金の価値 x 時間の価値 とした、価値の単位
1万円投資した10日後 = 10万円デイズ
・スループット・ダラー・デイズ
スループット:100万円 の製品
納期遅れ :10日間
= 1,000万スループット円デイズ
●コスト・ワールド
従来の部分最適化を重要視する会計制度
・従来
製品ごとに原価計算する
在庫は販売価格で資産計上するので、在庫を減らすと粗利が減る
・スループット会計
会社全体で計算する
業務費用を割賦せず、会社全体で見る
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