「ニッポン人は亡命する――けっして福井県高校演劇祭の『明日のハナコ』事件に取材したわけではない喜劇――」鈴江演出の上演、鳥取・倉吉での上演も終了しました。

三会場、かけぬけるように上演を終え。私たちは今燃えカスみたいになっております。上品芸術演劇団、表現部とっとりのハナコ、そして関係者の皆さん、ほんとにありがとうございました。
まったく舞台照明は使わず、まったく装置のない素舞台でなにができるか?という条件の中で私たちが選んだのは円形に客が座ってみているまんなかでやる、という上演のかたちでした。 だから、写真にとると、なんというか素朴そのもの。誰が客やら誰が演者やら……っていうふうに見えるのですが、まあ実際にご覧になったお客様はどう思われたでしょうか。
これがお客様の入る前の客席の形。ということは同時に、舞台の形。この小さい丸の中で全芝居が上演されるわけです。
今治会場。なにしろ演者と客が近い。振り回した腕がお客さんのあごにあたりそう。ちょっとうしろにのけぞるとお客様の足を踏みそう。そんな距離をどううけとめるか、これはもうお客様個々の感受性次第なわけです。
東京・大阪・北九州でのうずめ劇場「ニッポン人は亡命する」とはまるで違った演じ方、時間の長さ、テンポだったはずです。上演時間は70分ほど。うずめ劇場のは105分ほどではなかったでしょうか。両方の上演を見た方もおられます。
倉吉会場。…その違いには演劇の可能性というものが感じられたのでは……ないかなと自負しています。やり方によって、まるで違うんです。
役者、音楽家さえいれば、装置も照明もなくてもどこにでももっていける演目が一個できました。だけど役者と音楽家はもうとっても大変。あんまり軽くはもっていけないものです。演劇ってほんとに皆さんの協力と、背中の芯まで疲労が支配するような労力のたまものだと痛感します。
鳥取会場。…音楽演奏に、鍵盤ハーモニカをあやつる女性が舞台のまんなかに現れたのも大きな特徴。この女性が、なんとつとむの妻の役も演じます。重要な役どころを、迫力ある演奏をする音楽演奏の方が演じるのです。これもお客さまを驚きの時間につれて行ったのではないかな。武田詩乃さん、ほんとにありがとうございました。
鍵盤ハーモニカがこんなに強い音楽を打ち出すものだなんて私は初めて知りました。
今治、鳥取でのアフタートークも、お客様のお話がたくさん聞けました。皆さんの簡単に語りつくせない感想が展開されて、私たちもとっても感じるところが大きく、深い対話でした。これからも、対話を求めて、いろんなところで、いろんな表現をしていきます。どうぞお楽しみに!

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