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2026.6.15 「ルーチンワーク」と言われた日

6月15日(月)
先週無事に還暦を迎えたので、少し私の昔話に付き合って欲しいと思います。

今日と次回の2回に分けて、私の仕事観を根本から変えた2つの出来事についてお話ししたいと思います。
どちらも当時20代だった私の鼻をへし折り、今振り返ると大きな分岐点となった体験です。

今日はまず、その1つ目を聞いてください。



私の前職は鉄道会社でしたが、入社3年目のことです。
そのとき私は、「輸送指令」という職場に配属されました。

輸送指令とは、列車が安全かつ時刻どおりに運行できるよう全体を統制・管理する、いわば管制塔のような仕事です。リアルタイムで列車の位置を監視し、遅延や事故などの時には乗務員や駅へ指示を出して対応にあたります。
列車が遅延したとき、乗り換えの接続をとるかどうか。お客様の忘れ物をどう探して、どこで引き渡すか…といった仕事も含まれます。
状況が刻一刻と変わる中で常に神経をとがらせるため、最初のうちは仕事が終わるともぬけの殻になるほど疲弊しました。
私が判断を間違えて、現場から罵声を浴びせられて人間不信になることもありました。

それでも半年くらい続けるうちに、人間の適応力というのは本当に大したもので、次第に仕事をこなせるようになっていきました。

やがて余裕も生まれ、臨時列車の計画を任されたり、職場の効率化や安全向上のための提案業務を積極的に行うようにもなりました。
後輩の指導も任されるようになり、自分ではやりがいが最高潮に達していた、そんなときのことです。


ある日、本社での面接に呼ばれた私は、自分がいかに仕事をこなしているかを、胸を張って話しました。
ところが、人事部の面接官からこんな言葉が返ってきたのです。

「あなたは、そんなルーチンワークをやっていて楽しいですか?」

え!? ルーチンワーク??

私は毎日刻々と変わる状況を判断し、とても変化のある仕事をしているつもりでした。
それが本社の目には、決まった手順に従って繰り返すだけの「定型業務」に映っていたのです。
頭をハンマーで殴られたような衝撃でした。
仕事ができるといい気になっていた自分が、ほとんど評価されていなかったんですね。

しかしよく考えると、自分がやっていたのは「第1領域」、つまり今すぐやる仕事に過ぎなかったのです。
本社が求めていたのは、「緊急ではないが重要な仕事(第2領域)に、あなたはどれだけ取り組んでいますか?」ということでした。



社会で認められていく人というのは、目の前の緊急業務をこなすだけでなく、将来を作る第2領域の仕事に意識的に時間と力を注いでいる人なのだと、その日から私の意識は大きく変わりました。

多分みなさんも、自分のやっている仕事が”定型的な仕事”だと思っている人は少ないと思います。毎日状況が変わる中、頑張っていることに私も感謝しています。
でも、社会からみれば、それはやっぱりほとんどが定型業務なんです。

私がみなさんに日頃から「第2領域の仕事を意識してほしい」と伝え続けているのは、この原体験があるからです。


目の前の業務を確実にこなすことは大切です。
しかしそこで満足せず、「緊急ではないけれど、重要なこと」のために、意識して動ける人こそが、本当の意味でプロフェッショナルだと私は信じています。

みなさん一人ひとりが、その一歩を踏み出してくれることを、心から期待しています。


それでは今週もよろしくお願いいたします。


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