効果はゼロではないが劇的でもない/脳科学
脳科学の話である。
科学雑誌『Nature(ネイチャー)』に掲載された大規模研究では、市販の「脳トレ」のソフトやゲーム、トレーニングドリルには、一般的な認知能力全般を高める効果(いわゆる「地頭」や別タスクへの応用力)は認められないと結論づけられている。
では、Newtonの『脳大図鑑』ではどう述べているか要約してみよう。

世の中にあふれている脳の俗説の多くは、ビジネス化されていることもあって信じている人は案外多い。
たとえば、「脳は全体の10%しか使っていない」「3歳までに脳の重要な能力はすべて決まる」といった、さざまな俗説があふれている。
脳トレに関しては、ジムで筋トレするかのごとく、脳の特定部位をくり返し活動させることで脳の機能を向上させるということは証明されていない。
効果はゼロではないが、劇的に成果が出るというわけでもない、というのが答えのようだ。
これらは「神経神話」と呼ばれているが、2000年代に入ってから脳科学の研究がより進み、日本神経科学学会では研究成果の発表の仕方について研究者に注意を促す声明を発表している。
人は、見えないもの、触れられないことに対して何かしらの理由を求めようとする。
こうした意味付与(meaning-making)の欲求は、人間の自然な反応であり、例えば宗教や霊性(スピリチュアル)となって表現されたり、ジンクス、物語、神話といった形で現れる。
これらの存在を、非科学的なものとして片付けるのではなく、不安や不確実性を補うために人間自らが作り出した社会的・心理的安定装置だと理解すればいいのではないだろうか。

