サブスクリプションは貧乏神
このトランプ関税ショックに対するデジタル課税の記事は半分正しいと思うが、半分は正しくないと思います。
論旨としては実際には十分な課税をしていないデジタル課税を実行することにより、日本への関税増大の対抗措置とするというもので、考え方としてはありうる話です。
しかし、ここにもあるようにもはやITインフラはGAFAMに握られており、日本政府もそのスキームを使っているのを、自前(国産)に転換する契機であるという論旨は絵に描いた餅だと思います。
仮に日本がGAFAMにデジタル課税を上乗せすると、おそらくネットサービスの提供料に彼らは増税分を乗せてくるでしょう。
今でも理由はよくわかりませんが、GoogleやApple、Microsoftなんかは突然サブスクリプションの月額料金を値上げ、あるいは通常会員からプライム会員への誘導をしてきています。
プライム会員への乗り換えは別としても値上げは月額で数十円~数百円程度なので、仕方ないか…。と受け入れる感覚になってきています。
その根本は国内のITサービスで代替できるものがないから、多少値上がりしても使わざるを得ないというのが大きな理由です。
そういえば先日NHKの聞き逃しで「桂枝雀」師匠の落語をやっていました。「貧乏神」まことに面白く聞きました。
ネタをアップしているサイトがあるので、そちらも紹介します。
この落語に出てくる働かない主人公は知り合いに金を借りて生活しています。それがこの部
●二十五銭借りまんねん。この額にちょっとコツおまんねん。二十五銭借りまんねん
▲二十五銭? えらい半端な金やなぁ
●半端な金、そこにコツがおまんねんやないかい。二十五銭、これがねぇ二円、三円、五円、高がちょっとまとまってみなはれ「う~ん、五円もこいつに金貸して、ひょっとして返してくれなんだらどぉしょ~。やめといたほぉがえぇやろなぁ」思うしでっせ、五円と高が決まりゃ「ごめんごめん、五円といぅよぉな金、いま持ち合わせが無い」と言えますわい。
ところがあんた、二十五銭ぐらいの金「これがひょっと返してくれなんでも仕方がないか」と諦めもつくし、大の男が二十五銭ぐらいの金「今日持ち合わせが……」持ち合わせもくそも、大の男がウロウロしてんのに「二十五銭無い」てなこと言えまへんわい。
まさにサブスクリプションとはこれ、25銭ならまあええかと思うところに付けこむわけですね。
すると仮にデジタル課税でサブスクリプション価格が上がったとしても、ユーザーの大半は唯々諾々で、受け入れざるを得ない。日本政府への税収は上がっても、個別のユーザー負担は増えるという構造になります。例えばiCloud+(50GBのストレージ付き)=@150円(月額)ですが、仮に15%とか24%となると、150円は200円にはなるでしょう。Amazonプライムも月額600円が800円くらいに。Googleプレミアム(2 TB)月額1,450も2,000円と軒並み値上げになったとすると、合計すれば年間数万円の増となる可能性もありますし、更に前述のように他のものに乗り換えができないとしたら、ユーザーとしては逃げようにも逃げられない、貧乏神に取りつかれた状態ですからどうしようもなくなります。
この週刊現代のコラムはその部分をあえて書いていない。少なくともサービスを受けるユーザーの方を向いてはいないといえるのではないでしょうか。
