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katsupyon
離れると決めた日より、揺れ続けた日のほうがつらかった
離れると決めた日は、思っていたより静かだった。
大きな言葉もなかったし、劇的な出来事もなかった。ただ、どこかで「これ以上近づいたら、お互いに壊れてしまう」とわかっていた。だからその選択は、悲しいというより、覚悟に近いものだった。
本当に消耗していたのは、その前の時間だった。
離れるべきか。
まだいられるのか。
距離を取るのは冷たいことなのか。
答えを出せないまま、毎日同じ場所を行き来していた。
少し距離を置けば、寂しくなる。
近づけば、また不安になる。
頭ではわかっているのに、心が追いつかない。
「これでいいのか」と問いながら、何も決められない夜が続いた。
外から見れば何も起きていない時間。
でも、自分の中では確実に削れていた。
相手の一言で揺れ、沈黙で沈む。
自分の感情なのに、扱いきれない。
あの頃の私は、決断できない自分を責めていた。
はっきりしないことが、情けなく思えた。
でも今ならわかる。
揺れていたからこそ、本音が見えた。
揺れ続けたからこそ、自分の限界を知れた。
離れると決めた日は終わりだったけれど、
揺れていた時間は、確実に私を育てていた。
決断は一瞬だけど、
揺れは、ちゃんと自分と向き合っている証だったのかもしれない。
もし今、まだ答えを出せずにいるなら、
その時間を急いで終わらせなくていい。
揺れているということは、
まだ大事にしているということだから。
そして、揺れきったあとにしか見えない景色が、
きっとある。
