あなたのアイデアは本当に素晴らしいのか?
うちの事務所には特許を取りたいという人たちがやってくる。そして、自分たちのアイデアがいかに素晴らしいかについて熱心に説明してくれる。
でもね。あなたの説明には肝心なことが欠けているんだよ。
それは「比較対象」。
あなたの発明は「何と比べて」素晴らしいの?
比較対象がなければただの主観だよ。ひろゆきに「それってあなたの感想ですよね?」って言われてしまうぜ(笑)
客観的な判断をするには比較対象が必要なんだ。
一つのアイデアだけをじっと見つめただけではそれが素晴らしいかどうかを判断することはできない。AとBという2つのアイデアがあって、その2つを比べるからどっちが優れているかがわかるんだ。
それなのに、みんな「こんなアイデアは今までになかった」、「こんな製品、見たことがない」って、そればかりを言うんだよね。
愛は盲目。自分が苦労して生み出したアイデアは目に入れても痛くない。自分のアイデアは素晴らしく見えるものなの(笑)
だから、「良いアイデアができた!」と思ったときこそ、冷静になろう。
その技術はどういう進歩を遂げてきたのか?(技術のトレンド)
自分のアイデアの一つ前にはどんなアイデアが使われていたのか?(直近の先行技術)
その一つ前のアイデアと自分のアイデアは何が違っていて、その違いによってどんな効果の差異が生まれているのか?(先行技術との差異点)
こういうことを一つ一つ調べて、考えてみるのが大事。
僕ら弁理士が先行技術の調査をするのも、「比較対象」を探すためだ。良い比較対象が見つかれば、顧客のアイデアの特徴も明確になる。発明の輪郭がはっきりしてくる。
特許庁の審査官も過去の発明と出願された発明とを「対比」して審査をしている。
良い発明をするコツは周りの人達が何をやっているかをつぶさに観察することだよ。同じ業界にいる人は同じようなことを考えている。同じようなアイデアも生まれやすい。
自分だけが良いアイデアを生み出しているわけじゃないんだ。
自分を知るにはまず他者を知ることから、ですよ!
