見出し画像

絶品ケーキの源流へ 「神の手」が摘む“朱玉”のイチゴと、孤高の味わいをつなぐストロベリーロード


至宝のひと粒を求め、長野・駒ヶ根へ向かう。

日本全国どこにいても、美味しい食材、美味しい商品が、早ければ翌日には手元に届く今。

だからこそ、美味しさを育くむ、ひとの表情、一期一会の風景に触れてみたい。

そうも想像すれば、天竜川がつらぬく伊那谷は、胸おどるストロベリーロードに。この先に、あのイチゴがある。

茅野市は信州大黒屋さんの気鋭のパティシエ、伊丹利徳(いたみ・としのり)さんは、どんな「ひと粒」を見出すのだろう。

あの絶品ケーキに秘められたイチゴの源流へ。


イチゴづくり30年のパイオニアにして匠(たくみ)の平塚登さん

えっ、信州でイチゴ?

およそ30年前、平塚登さんは長野県駒ヶ根市で農園「ヨッシャア駒ヶ根」をおこし、イチゴ栽培を始めた。まさに、パイオニアである。

昭和は、高度経済成長を経て生活に彩りと華やぎが定着し始めたころ。期待感は膨らめども、まだ市場が成熟する手前の「見通しきれなさ」が残る時期。

平塚さんはその時代に、一面、田んぼと樹々しかなかった麓で、「イチゴ」という“新しい井戸”を掘り始めた。

冬、日本海からの湿った雪が中央アルプスを覆う。標高およそ3000メートルから地層に浸みた伏流水は、「ゆたかな水」となり、農産物は命を萌(きざ)す。

そこに、朝晩の冷涼な空気が「寒暖差」をつくり、苗を鍛える。

甘みの強さでは抜群の評価が寄せられる平塚さんのイチゴ。糖度を鍛えるもうひとつの秘密は、その栽培地を選んだ「自然の条件」にあった。


「日の出が早く、日の入りが早いところが大事。」


えっ??イチゴと日の出?どういうこと??

平塚さんによれば、日照時間が長ければいいわけではない。

「朝陽の方が苗の光合成が盛んだから。午後の西陽が長いよりも、朝陽が早く、長く当たることで、甘さに決定的な違いがでる」

平塚さん、イチゴ一筋「30年の極意」—。

3000坪におよそ7万株超が栄える農園を見渡せば、なるほど、と納得。

中央アルプスの稜線が陰影をつくる駒ヶ根の麓にあって、平塚さんの農園は、まさに極意そのままの風景の中。もちろん、自身の哲学を実践する場として選んだのがかの地であった。哲学は見事に、30年という時間を経て、極意となったのだ。

ときに、消費者として、誤解しがちなことがある。

スーパーに並ぶものであっても、同じ品種ならば同じ甘さ、とは限らない。

平塚さんの仕事は、それを見せてくれる。

生産者の目と手によって、甘さはこれほどに差をうむのか!!


手にのせられたひと粒を口に含めば誰しもが納得するだろう。あまりの甘さに歯がうずく。そんな経験、ないだろうか?

このイチゴは、すべてが砂糖でできているのか!?そうも錯覚させる。

平塚さんの「30年」が結実する“朱玉”のひと粒

だから、うちのイチゴには練乳は不要です、と平塚さんはやさしく目尻を下げる。平塚さんの農園「ヨッシャア駒ヶ根」でのイチゴ狩りでは、練乳は用意していない。人工の甘味以上に甘いのだから、それも納得。

加えて、果肉の歯ごたえが、文字通り、絶妙。

駒ヶ根という「自然の条件」と、平塚さんという“神の目と手”によって最高度まで熟れた甘みは、強く押し出さずとも、みずから溢れ出てくる。これぞ、至宝のひと粒。

赤い艶やかさがまぶしく映える。思わず、口をつく。

まるで、美味しい宝石みたい—。

なるほど。「ヨッシャア駒ヶ根」でのイチゴ狩り(例年、5月末ごろまで)には、リピーターが溢れているという奇跡の情景も、深くうなずける。


この美味しい宝石に魅せられたのが、茅野市の信州大黒屋さんだった。

宝石もまた、磨かなければ光らないというではないか。

すでに、イチゴとしてこれ以上の鮮度、熟度、そして糖度は、という最高の状態にある平塚さんのイチゴを、ケーキとしてさらに磨きあげるパティシエのお店がある。それが信州大黒屋さんと平塚さんとの、「妥協なき者の邂逅(かいこう)」だった。


信州大黒屋のパティシエ、伊丹利徳(いたみ・としのり)さんにとっては、やはりパティシエであった父の代から、二代にわたるお付き合いとなる。

「妥協なき味わいの追求」は、父の代から引き継ぐ、“掲げざる看板”でもある。

「やっぱり、自分が納得できたものだけをご提供したいんです。」

だから、伊丹さんも平塚さんのイチゴを「ぜひ、活かしていきたい」と決意する。

平塚さんの美味しい宝石たるひと粒ひと粒が、気鋭のパティシエの腕によってさらに磨きをかけられ、絶品ケーキという孤高へ向かう。

そして、自称・スイーツ道楽の前でとけあう、覚悟に満ちた二つの笑顔。これぞ、眼福。


イチゴの花よりも美しい?お二人の表情 栽培の現場を知ることでパティシエとして手にとる素材の表情(特徴)を体感することができる。それが味わいをうむ秘訣になる。         (手前がパティシエの伊丹さん 奥が“ゴッドハンド”の平塚さん)


でもでも…

山岳地帯の日本はそもそもが水の王国。冷静に見れば、いい条件の生産地は決して少なくないのでは??

いえいえ。

そこに、研究意欲と探究心に妥協なき「信州スピリッツ」あってこそ、唯一無二の「美味の条件」ができるのでは?

いつしか、平塚さんのイチゴは、信州大黒屋さんのような妥協なきパティシエさんにこそ注目されるように。

——素材の産地とブランド名だけを売りにするケーキではない、イチゴの真の良さをケーキとしてさらに高めて、おいしいフルーツケーキをつくりたいならば、平塚さんのイチゴを——


出荷後、口に入るまでを見据えての「賞味目線」での栽培管理にも平塚さんの目と手が光る。だからこそ、出荷先はどこでも、誰でも、ではない。鮮度、熟度、糖度というイチゴの個性をスイーツづくりのなかで見極められる、呼吸のつながるパティシエを愛し、愛される。

甘いこと。

たしかにそれは、消費者目線では何より大事なこと。

ただ、平塚さんのイチゴも、かすかな酸味を消し去ってはいない。わずかでも酸味があることで、甘みがきわ立つ。いわば、甘みを最大限に引き立たせるための酸味の良さも残された、ひと粒ひと粒なのだ。

だから!!

イチゴによって美味しさを際立たせたいケーキづくりには欠かせない。


嗅覚がとらえた香りが鼻から入り、食感とともに口の中にしっかりとしみ入ってくる。

これが、ジェントル・ボディ(紳士的でスマートな甘さ)の信州大黒屋特製の生クリームと一体となって喉もとを、えも言われぬ満足感とともに過ぎていく。

どれだけ食べても飽きのこない、柔らかな軽さと潤いのある抱擁感に満ちた、まるで羽毛さながらのフェザータッチの特製スポンジとともに、三位一体の輝きを放つ。

ひと粒、ひと粒を見つめるパティシエの伊丹さんが、甘味と酸味、食感といった、てらわない素材本来のリズムを、一品のケーキとして調和させていく。

そこに、味わいという旋律が生まれる。

そうか!パティシエとは、マエストロでもあったのかと気づく。

中央アルプスに落ちた一滴が、3000メートルというミネラル豊かな“天然の時間”を経て、イチゴという至宝のひと粒に結実する。それが極上のケーキへと…。

これこそ神がかりな、それでいて現実の奇跡ではないのか!!そう、イチゴもケーキも、手に取れる「奇跡」ではないのか!!

これをおいて、リアルな体験、などあるのだろうか。


おっと…ひとりよがりな感動で、読者のかたが興醒めに転じる前に…


いつもの、自称・スイーツ道楽のひと言も、失礼してよろしいでしょうか……(恐縮です)。


スイーツを求めるタイミングはひとつ、ではなかったりします。

甘さが欲しいとき。

甘さを愉しみたいとき。

甘さが欲しいだけならば、それはコンビニスイーツで事足りるかもしれません。

でも、スイーツを愉しみたいとき。味わい深さを堪能したいとき。

なぜわざわざ、お気に入りのあのお店にいま一度、足を運ぶのでしょうか。


至宝のイチゴとフェザータッチな「神食感のスポンジ」、そして飽きることのないジェントル・ボディな生クリーム。他にはないスイーツ体験です。

日本中どこからでも、信州大黒屋さんに“帰って”くるワケはそこにあります。


だけど、この体験。信州大黒屋さんで終えてしまうにはちょっと心残り。

信州大黒屋さんは、新しいスイーツ食感の入り口として。

へえ、このイチゴいいね、と思ったら、ストロベリーロードはその先に。

平塚さんのヨッシャア駒ヶ根さんまで続いています。


まもなくエンディング。終わりのない余談ですが…。ええ、ここからが長いのです(苦笑)。


ええーい、アンタ。それほどまでにあおるけど。          そういうアンタは、ホンマにどれだけ信州大黒屋のケーキが好きか、納得させてくれるんかい?                   そんなお問合せに、弁解させてくださいませ。

今回ご紹介した平塚さんのイチゴを使った信州大黒屋の絶品ケーキを恋しくなった僕が、ノンストップで走った最長距離はこちらです。

800キロ。                         信州大黒屋さんのイチゴケーキ食べたさにノンストップで走った最長距離は800キロでありました。(ただし、もうちょっとだけ若い頃)。

山口県の山中深くにいた僕は、食べたくてたまらない一心から、ノンストップで高速道路を駆け抜けたのでした。

800キロを駆け抜けた後の、あのイチゴケーキの味は、いつも通り至福のものでした。

でも、その頃はまだ知らなかったのです。

美味しさには、さらに最源流があったのです。

そして。そこにはもうひとつ。

味を育ててきた表情があったのです。

そんなイチゴ(一期)一会の笑顔とともに、本当にそろそろお別れでしょうか。

ところで…

えっ??あの信州大黒屋のスポンジをまだ味わったことがない??

そんな方はぜひ一度ご賞味くださいませ。なにしろ、800キロを走る奇特な御仁もいるくらいです(笑)。


6月6日(金)、信州大黒屋さんには、ピカピカに輝くたくさんの絶品ケーキがショーケースに並びます。きっとそこは宝石箱のようにきらめくはず。                            当日は午前10時に祝開店。もしよろしければ、信州大黒屋さんのHPにてご確認の上、足を運ばれてみてくださませ。もちろん、平塚さんのヨッシャア農園で採れたイチゴのケーキも楽しみです。

信州大黒屋さんのHPはこちらから。 https://www.daikokuyasweets.com           同店のインスタグラムはこちらになります。https://www.instagram.com/shinsyu_daikokuya/

 

僕が買い占めて売り切れ御免になってしまう前にぜひ。

いいな、と思っていただけたかたは、茅野市の信州大黒屋のイチゴのケーキを堪能されたその足で、駒ヶ根へと足を延ばされてもいかがでしょうか。

平塚さんの農園「ヨッシャア駒ヶ根」さんのイチゴにご関心を持ってくださった方へ。アクセスがわかるHPはこちらです。

https://yossyaa.jp 

なお、「ヨッシャア」って?と思われるかた。それは平塚さんの元気みなぎる、覚悟のポーズからお察しいただければ。

よっしゃあ!!の覚悟で30年。この笑顔に秘められた
“神の目と手”が、極上スイーツの最源流にはご健在です。

平塚さんの挑戦はまだまだ続きます。今、取り組んでいるのは、白イチゴです。大切な娘さんの御名前を冠しての新商品です。まさにまだ希少なプレミアムイチゴですが、平塚さんの挑戦は30年を経てまだまだ続きます。

その挑戦の証はもちろん、通信販売でもお取り寄せ可能です。イチゴ狩りのリピーターが集う、至宝のイチゴはこちらから。          ( https://yossyaa.jp/strawberry-web-shopping/ )


新しい味、白イチゴを。まだまだ果てなきイチゴ道(どう)。白イチゴは種が赤くなります。

そうそう。白イチゴを前に、信州大黒屋のパティシエ、伊丹さんから、煌めく(きらめく)ひと言が思わずもれました。

「白イチゴを使ったものもつくってみたいな。プレミアムなものができるんじゃないかな」

嬉しい言葉で応じる平塚さん。

「まだそんなに数はないけど、使ってもらえるだけは出せると思うよ」

さあ、新しいことが始まる予感です。

全国のスイーツ愛好家の皆様、ストロベリーロードへようこそ!!

駒ヶ根を背に、これまでの挑戦とこれからの挑戦を。挑戦者に年齢なし!!限界なし!! 

 お目汚しの拙文に最後までお目通しを賜りましたこと、ご厚情に心から感謝を申し上げます。大変、失礼致しました。