「封印された校舎 ―― 旧白銀学園の呪い」⑥
第6話「新たな使命」
琴音と健太は、不穏なメッセージの内容に戸惑いながらも、与えられた使命に向き合うことを決意した。二人は校長と千代子の指示のもと、オメガ計画の影響を受けた可能性のある生徒たちのケアを始めることになった。
ある日の放課後、琴音と健太は相談室として使われている教室に向かった。そこには、不安そうな表情の生徒が数人待っていた。
「みんな、こんにちは」琴音が優しく声をかける。「何か困ったことがあれば、私たちに相談してね」
一人の女子生徒が震える声で話し始めた。「私...最近、友達の考えていることが分かるようになったんです。でも、怖くて...」
琴音は彼女の手を優しく握った。すると、その生徒の過去の記憶が琴音の脳裏に流れ込んできた。オメガ計画の影響を受けていたことが分かる。
「大丈夫よ。その力は君を傷つけるものじゃない。むしろ、人々を理解し、助けることができる素晴らしい才能なの」
琴音の言葉に、生徒の表情が和らいだ。
一方、健太は別の生徒と向き合っていた。彼は突然、物体を動かせるようになったという。
「その力、すごいじゃないか」健太が励ます。「でも、使い方を間違えると危険だ。一緒に練習して、コントロールする方法を見つけよう」
日々、琴音と健太のもとを訪れる生徒の数は増えていった。二人は懸命に対応し、同時に自分たちの能力も磨いていった。
ある日、琴音は旧校舎を再び訪れた。そこで彼女は、かつての被害者たちの霊と対話することができるようになっていた。
「もう大丈夫よ。みんなの思いは、しっかりと受け止めたわ」琴音の言葉に、霊たちは安堵の表情を浮かべ、光となって消えていった。
しかし、平穏は長くは続かなかった。
ある日、琴音のもとに再び不穏なメッセージが届いた。
「お前たちの力を我々に引き渡せ。さもなければ...」
その夜、琴音と健太は千代子と緊急会議を開いた。
「オメガ計画の残党がまだいるようね」千代子が眉をひそめる。「彼らは、あなたたちの力を狙っているわ」
「でも、僕たちの力はみんなを助けるためのものです」健太が反論する。
琴音も頷いた。「私たちは、決して悪用させません」
その時、突然停電が起きた。暗闇の中、何者かの気配を感じる。
「来たわ...」千代子が警戒の声を上げる。
次の瞬間、教室のドアが勢いよく開いた。そこには、見知らぬ男性が立っていた。
「やあ、お待たせ。僕は高坂。かつてのオメガ計画の指揮官さ」男性が不敵な笑みを浮かべる。「琴音くん、健太くん、君たちの力を、我々の新たな計画のために使わせてもらうよ」
琴音と健太は身構えた。新たな戦いの幕が開こうとしていた。
しかし、二人の表情に迷いはなかった。これまでの経験が、彼らに強さと自信を与えていたのだ。
「断ります」琴音がきっぱりと言った。「私たちの力は、みんなを守るためにあるんです」
健太も同意する。「そうだ。君たちの野望のために使うつもりはない」
高坂の表情が歪む。「そうか...ならば、力ずくでも奪い取るまでだ」
彼が何かの装置を取り出した瞬間、琴音と健太の能力が共鳴するのを感じた。二人は無言で頷き合い、力を合わせて立ち向かう構えを見せた。
新たな戦いが始まろうとしていた。しかし、琴音と健太の心には迷いがなかった。彼らの力は、人々を守るため。そして、明るい未来を築くためにあるのだと。
(第6話 終)
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