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「封印された校舎 ―― 旧白銀学園の呪い」⑨

第9話「新たな脅威」

「新校舎が...」美咲の言葉に、琴音と健太は顔を見合わせた。

「どうしたの、美咲?」琴音が尋ねる。
「落ち着いて、詳しく教えて」健太も声をかける。

美咲は深呼吸をして、話し始めた。

「新校舎の中から、変な音が聞こえてきて...そしたら突然、ドアが全部閉まっちゃって。中にいた生徒たちが出られなくなってるの!」

「なんだって!?」健太が驚いて叫ぶ。

千代子と吉田も緊張した面持ちで近づいてきた。

「まさか...」千代子がつぶやく。
「オメガ計画の影響が...」吉田も顔をこわばらせる。

琴音は決意を込めて言った。「行ってみましょう」

5人は急いで新校舎に向かった。近づくにつれ、確かに異様な雰囲気が漂っているのが分かる。校舎全体が淡く光を放ち、まるで生き物のように息づいているようだ。

「ここも...意識を持ったってこと?」健太が驚きの表情で言う。

千代子が説明を始めた。「オメガ計画は新旧両方の校舎に仕掛けられていたの。でも、新校舎の方は眠ったままだと思っていたわ...」

「きっと、旧校舎の影響を受けたんだわ」琴音が言う。「私たち、50年分の記憶を引き継いだでしょ?その力が...」

吉田が申し訳なさそうに言った。「すまない...まさかこんなことになるとは...」

その時、新校舎の窓から生徒たちの姿が見えた。彼らは必死に窓をたたき、助けを求めている。

「何とかしなきゃ!」健太が叫ぶ。

琴音は深呼吸をして、校舎に向かって歩き出した。「私が中に入って、話をしてみます」

「危険だわ!」千代子が制止しようとする。

しかし、琴音は振り返って微笑んだ。「大丈夫です。私たち、もう経験済みですから」

健太も琴音の隣に立った。「僕も行くよ。二人なら、きっと大丈夫」

二人が校舎の壁に手をかけた瞬間、まばゆい光に包まれた。

気がつくと、琴音と健太は真っ白な空間にいた。そこには、若い女性の姿をした存在が立っていた。

「よく来てくれました、琴音さん、健太君」女性が穏やかな声で言う。

「あなたが...新校舎?」琴音が尋ねる。

女性はうなずいた。「そうです。私は、あなたたちの可能性を最大限に引き出すために目覚めました」

「でも、そのせいで生徒たちが危険に...」健太が言いかける。

女性は悲しそうな表情を浮かべた。「分かっています。でも、これが私の使命なのです。才能ある生徒たちを守り、育てること...」

琴音は一歩前に出て、優しく語りかけた。「あなたの気持ちは分かります。でも、本当の成長は、自由の中でこそ生まれるんです」

健太も続けた。「そうだよ。僕たちだって、いろんな経験を重ねて今の自分になれた。誰かに守られるんじゃなくて、自分で道を切り開いていくことが大切なんだ」

女性は黙って二人の言葉に耳を傾けていた。そして、少しずつ表情が和らいでいく。

「あなたたちの言葉...心に響きます」女性がつぶやいた。「でも、私がいなくなれば、この学校は...」

琴音は優しく微笑んだ。「大丈夫です。私たちが、みんなで力を合わせて、素晴らしい学校を作っていきます」

健太も頷いた。「そうだよ。生徒も、先生も、みんなで協力して。それが本当の学びの場だと思うんだ」

女性の姿がゆっくりと光に包まれていく。「分かりました...あなたたちに託します。この学校の未来を...」

まばゆい光が二人を包み込み、気がつくと琴音と健太は新校舎の前に立っていた。ドアが開き、閉じ込められていた生徒たちが次々と外に出てくる。

千代子と吉田、そして美咲が駆け寄ってきた。

「二人とも!無事だったのね」千代子が安堵の表情で言う。
「すごいぞ、君たち」吉田も感心したように頷く。

美咲は目を輝かせて尋ねた。「琴音、健太、一体何があったの?」

琴音と健太は顔を見合わせ、笑顔で答えた。

「長い話になりそう」琴音が言う。
「でも、きっと面白い話だよ」健太が続けた。

その日の夕方、全校集会が開かれた。校長先生が前に立ち、静かに話し始めた。

「生徒の皆さん、そして教職員の皆さん。今日、私たちの学園は大きな転換点を迎えました...」

琴音と健太は、これから始まる新しい白銀学園の物語に、胸を躍らせていた。しかし...

集会の最中、琴音のスマートフォンが小さく振動した。画面を確認すると、見知らぬ番号からのメッセージだった。

「オメガ計画は終わっていない。真の試練はこれからだ」

(第9話 終)


第10話につづく

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