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創業経緯

『起業しました』
正直なところ、起業するまでのこの期間に自身のキャリアについて何度も悩み、苦しんだ時間がありました。

「この先自分は何をするべきなのか。」

「これまで培ってきた経験を、どこで最も価値に変えられるのか。」

何度も自問自答を繰り返した末に出た答えが、起業という選択でした。

今日は、「何を始めたのか」ではなく、「なぜこの事業を始めたのか」を書きたいと思います。


自己紹介

私のキャリア

これまでnoteにいくつか投稿はしていましたが、初めて自分について記載するのでまずは自己紹介させてください。

私は東京の江戸川区で産まれ、幼少期は身体が弱く入退院を繰り返すような病弱な子供でした。

そんな僕に両親は病は気からだという精神のもと、幼稚園の年中から格闘技(空手とキックボクシング)を習わされ、子どもの頃の夢は世界チャンピオンなんて言っていました笑

※過去の話はまたどこかでさせてください笑

キャリアの部分でいうと、青山学院大学を卒業後、新卒で商社に入社しました。

ロシアや中国向けの人工衛星関連商材のトレーディングや、とあるエリアのスマートシティ推進プロジェクトなど、少し珍しい仕事に携わっていました。

一見すると、スケールの大きな仕事でやりがいがありそうに思われるかもしれません。

しかし、当時の私が感じていたのは少し違いました。

実際には、会社のブランドや長年築いてきたネットワークを活用した既存ビジネスを維持する仕事が中心でした。

もちろん、それ自体に価値がないとは思っていません。

ただ、当時の私は、

「このままでは、自分には何も残らない。」

「仕事にやりがいを感じられない。」

そんな焦りを抱えていました。


祖父と父の仕事


突然余談になりますが、この二人が私の仕事の基準を作ってくれました。

私の祖父は地元で八百屋を営んでいました。

その地域で一番野菜が売れるお店だったらしく、幼い頃に祖父のお店へ行くと、(トラックに野菜を積んで近所の公園で売っていたので、正確には公園がお店でした。)

トラックの前にはいつも見たことないレベルの長い行列ができていて、誇らしく思っていたことを記憶しています。

そんな祖父は、本当に亡くなる直前まで店頭に立ち続けていました。

「仕事が楽しくて面白くて、自分の身体がボロボロになっていることにも気づかなかった。」

病院でそう笑いながら話していたことを、今でもよく覚えています。

おそらく祖父にとって、人と話しながら野菜を売ることが"天職"だったのだと思います。


一方、父はテレビ業界で働いていました。

皆さんが想像するように、本当に忙しい仕事です。

私が幼い頃は家にほとんどおらず、本気で父親でなく、「知り合いのおじさん」だと思っていた時期もあったようです(父からしたら、かなりショックだったと思います……笑)

そんな父でしたが、家で仕事の愚痴は言うことはおろか、辛そうな表情を見せることもありませんでした。(父として強くあるという意思もあったのだと思いますが)

朝早く出勤するときも、深夜に仕事へ向かうときも、いつも笑顔でした。

楽しそうに仕事へ向かう姿を見て育ちました。

祖父も、父も。

二人にとって仕事は、きっと"天職"だったのだと思います。

また、二人に共通していたのは、お客様から深く信頼されていたことでした。

自分の仕事に誇りを持ち、心から仕事を楽しんでいる人は、その姿勢が自然と周囲にも伝わります。

そして、その積み重ねが高いパフォーマンスにつながり、お客様からの信頼を築いていたのだと思います。


そのことを、自分自身の転職活動を始めるタイミングで思い出しました。

まだ20代前半。

それなのに、仕事の面白さも、やりがいも感じられていない。

このまま何十年も働く姿が、どうしても想像できませんでした。

「とにかく、本気で打ち込める仕事を見つけなければ。」
「このままでは何できない人間になってしまう」

色々と考えた結果、

「成長するなら、厳しい環境のスタートアップへ行くしかない。」

という、今思えばかなり飛躍した結論にたどり着き、転職活動を始めました。


実は、その時のエージェントさんに、

「厳しい環境に行きたいので、ブラック企業を紹介してください。」

とお願いしたことがあります笑。

結果、本当に"ザ・ブラック企業"の面接を受けることになりました。

怪しげなビルの怪しげな社長さんにタメ口で面接をしていただいことも、今では笑い話です。

その後、自分自身がエージェントになり、数千名以上の候補者様とお話ししてきましたが、あのようなことを言われたのは、後にも先にも私だけだったと思います笑


アサインとの出会い、そしてHR業界へ

そんな不安を抱えながら転職活動をしていたとき、偶然目に留まったのがアサインという会社でした。

アサインは、

・価値観を起点に長期的なキャリアを描くこと

・「点」ではなく「線」でキャリアを支援すること

を大切にしている人材紹介会社でした。

当時の私は、

「自分には何が向いているのだろう。」

「自分は何ができる人間なのだろう。」

そんな不安ばかり抱えていました。

だからこそ、この考え方は強く心に刺さりました。

話を聞いていく中で、単に転職を支援する会社ではなく、

「キャリア支援を当たり前の世の中にする。」

そんな大きな志を持ち、業界そのものを変えようとしている会社だと知りました。

さらに、アサインには業界を代表するようなエージェントの方々が数多く在籍していました。

この理念を本気で体現している方々のもとで学べる環境は、自分にとって何より価値がある。

そう感じました。

転職活動を始めた頃に抱えていた不安は、いつの間にか期待へと変わっていました。

「エージェントという仕事を通じて、顧客を、企業を、そして社会をより良くしたい。」

心からそう思えるようになり、私はアサインへ入社しました。

当時、創業して間もないアサインに当時最年少で参画し、マーケティング部門の立ち上げと、創業者直下で企業と候補者双方をご支援する両面型エージェントとして従事し、

創業フェーズならではのスピード感の中で、毎日ついていくことに必死でしたが、創業者の元でエージェントだけではなく、事業づくりや人としての考え方を学ばせていただきました。

ここで学んだことがその後のキャリアや人生にも大きな影響を及ぼし、
自身で会社を創業する時に多くのことが活きております。


仕事の概念が変わった瞬間

第一志望の企業から内定をいただき、涙を流しながら感謝の言葉を伝えてくださった候補者様もいます。

商社時代にも大きな仕事に携わる機会はありましたが、このように誰かの人生の節目に寄り添い、直接「ありがとう」と言っていただける経験はありませんでした。

その出来事は、私にとって人生で初めて、仕事の本当のやりがいを実感した瞬間でした。

この仕事を通じて、心から「ありがとう」と感謝を伝えてくださる方々と出会えたことは、私にとって何にも代えがたい経験でした。

その後に転職した人材紹介会社でも両面型エージェントとして数多くの企業の採用をご支援し事業推進やマネジメントにも携わらせて頂き、

普通はお会いできない上場企業の経営者様や役員の方々と議論することも多々あり、これまで以上に刺激的な時間を過ごすことができました。

私にとって、エージェントという仕事のすばらしさと人生の哲学や考え方を学ばせてくださった方々に、今でも心から感謝しております。

エージェントキャリアで、ありがたいことに年間1億円以上の売上や某スカウト媒体でのSランクという実績を作らせていただく中で、

数多くの経営者様や採用責任者様と採用について議論し、多くの候補者様の転職という人生の意思決定に向き合ってきました。

だからこそ、人材紹介という仕事には、本当に価値があると心から思っています。

企業にとって採用は、事業の未来を左右する経営課題です。

候補者様にとって転職は、人生を左右する大きな意思決定です。

その両方に本気で向き合える人材紹介という仕事が、私は好きです。

エージェントという仕事は、単に人を紹介する仕事ではありません。

企業の未来をつくり、人々の人生に寄り添い、ときには双方の意思決定に最後まで伴走する仕事です。

このキャリアを歩む中で私より遥かに優秀なエージェントも数多く見てきましたし、企業様・候補者様双方に真摯に向き合い、本当の意味で顧客志向を体現している方々もたくさんいます。

だから今回の創業は、人材紹介という仕事を否定したいからではありません。

では、なぜ私がエージェントでなく、採用コンサル・RPOで起業したのか


起業の理由

エージェントをしていて感じた違和感


仕事を続ける中で、ずっと感じていた違和感があります。

人材紹介は成果報酬型のビジネスです。

だからこそ、採用成功の可能性が高い企業や、高い紹介手数料を支払える企業へ支援が集まりやすくなります。

これは誰かが悪いわけではありません。

ビジネスとして、ごく自然な構造です。

しかし、その構造によって生まれる現実があります。

採用予算を確保できる企業は、さらに採用できる。

一方で、資金が限られるスタートアップや中小企業は、素晴らしいサービスやプロダクト、高い志があっても採用に苦戦する。


マネーゲームになってないか?

採用予算が潤沢にあり、エージェントへ多額の紹介手数料を支払うことができ、

誰もが知るブランド力のある企業様の採用が成功し続けることが本当に正しい在り方なのか。

確かに、キャッシュリッチな企業様やブランド力のある企業は、それだけ素晴らしいサービスを世の中へ提供しているケースが多く、候補者様にとっても魅力的な選択肢です。

一方で、現場では違和感に感じうる景色も見てきました。

以前は事業が好調で、紹介手数料も高く、多くのエージェントが積極的に支援していた企業がありました。(紛れもなく私も積極的なご支援をしていました)

しかし、市場環境の変化などによって事業成長が落ち着き、紹介手数料の水準も変わると、エージェントからの支援は徐々に減っていきました。

もちろん、これはエージェントが悪いという話ではありません。

成果報酬型である以上、成果につながりやすい企業へリソースが向かうのは自然なことです。

でも、その光景を見ながら、私は何度も考えました。

採用がマネーゲームになっているのではないか

本当に今、採用に困っているのはどの企業なのだろう。

事業が順調な時ではなく、変革期や苦しい局面だからこそ、本当に事業を牽引するような人材が必要なのではないか。

私たちが向き合うべき顧客は、そうした企業ではないのか。

この問いが、私の中で創業を決意する大きなきっかけの一つになりました。


高手数料率の弊害


もう一つ、ずっと考えていたことがあります。

企業は一人採用するたびに、多額の紹介手数料を支払います。

一人の支援に50%、100%、それ以上の料率まで…

もちろん、その価値がある支援は数多くあると思います。

私自身、その価値を提供する側として常に顧客の期待以上の価値を発揮することを意識し仕事をしてきましたし、

事実その結果、この構造の恩恵をたくさんの受けてきています。

また、人材紹介会社にいる中で、私よりも遥かに優れたエージェントや、本当の意味で顧客志向を体現しているエージェントを数多く見てきましたし、尊敬するビジネスパーソンもたくさんいます。

だからこそ、人材紹介業という仕事を否定するつもりは一切ありません。

ただ、本来企業に採用する力があればどうでしょうか。

・採用市場を理解し、正しく戦略を描けている。

・事業を伸ばすための集客戦略および実行が出来ている。

・候補者ベースで選考体験及びストーリーが練れる。

・候補者を深く理解し、個々人に合わせた訴求が出来ている。 などなど

そんな状態をつくることができれば、採用は外部サービスに依存し続けるものではなく、企業自身の競争力になります。

もちろん価値あるエージェントはこの先も残り続けると思います。

日本よりも遥か昔に終身雇用が崩壊している米国の採用市場においても、エージェントは残り続けていますし、

アメリカのビジネスマンが持つべきものは「医者と弁護士とエージェント」なんて言われるくらいです。

私は、採用力も営業力やプロダクト開発力と同じように、企業が持つべき経営資産だと考えています。

だから私は、人材紹介会社ではなく、

「企業にとって持続的な採用力をつくる会社」

を創業しました。


エージェントだからできる価値


この考え方は、決して私だけのものではありません。

近年では、「リクルート」ではなく「タレントアクイジション」という考え方が世界的に広がっています。

採用を単なる欠員補充ではなく、事業戦略を実現するための経営機能として捉える考え方です。

その代表例の一つがGoogleです。

Googleでは、タレントアクイジション組織の立ち上げ当初、多くの採用エージェント出身者が活躍していたと言われています。

また、エージェント時代の同僚が事業会社の人事へ転職し、その後、私がエージェントとして採用支援を行う中で、お客様(人事)として再会するケースもありました。

一緒に仕事をして感じたのは、ひいき目なしに「本当に優秀な人事だ」ということです。

彼らは採用を単なる採用活動として捉えるのではなく、事業戦略や組織戦略と結びつけながら考えていました。

経営陣と議論し、現場を巻き込み、採用を経営課題として推進している姿が非常に印象的でした。

なぜそれが出来るのか...

理由はシンプルです。

採用で本当に必要なのは、求人票を説明することではありません。

候補者様を深く理解し、その方に合わせて企業の魅力を伝え、意思決定を支援することです。

このことを理解したときにエージェントが企業を内部から支援することの

またエージェントは単に候補者様を紹介しているだけでなく、

(支援の範囲や品質は人や会社によってもだいぶ異なりますが)

結果を出すエージェントは採用企業向けに以下のようなことを取り組んでもいます。

・採用戦略の立案
経営者様や役員の皆様と採用について議論を重ねながら、事業フェーズや市場環境を踏まえ、「今、誰を採用すべきか」「その人材をどのように採用するべきか」といった採用戦略の立案やペルソナの見直し

・集客戦略の設計
ターゲットとなる候補者様と出会うために、スカウト媒体の選定・運用だけでなく、採用広報、イベント・セミナーの企画・運営、リファラル採用の設計など、企業ごとに最適な集客戦略の立案・実行

・承諾率向上・選考体験の設計
候補者様一人ひとりの価値観や志向性を踏まえ、「誰が、何を、どのように伝えるべきか」まで設計し、選考体験の改善や意向形成、承諾率向上の支援

・候補者の理解と本音の連携
採用企業は候補者の本音を理解したい。
面談を重ねて本音を言える存在になること、
経歴から読み解く次の意思決定、発言や表情から読む解く本音の仮説
「スカウト媒体の条件や記載はどのようなもの」かから読み解く転職のきっかけの想像

・人事が驚くレベルの即レス
何においてもですが、情報の連携がとにかく速いことは価値になります。 などなど

ちなみに、人を深く理解するために、サピエンス全史をはじめとする歴史書や、心理学・行動経済学を学び、とにかく小説や映画にも触れてきました。(サイバーエージェントの藤田さんの考え方にも大きな影響を受けています笑)

仕事の合間も、インプットに時間を使うことがほとんどでした。

もちろん、人だけではありません。

エージェントは「商材」がない仕事だからこそ、武器になるのは情報です。

業界動向や経済、市場環境、採用トレンドなど、常に知識をアップデートし続けてきました。

挙げればきりはありませんが、こうしたエージェントが日々積み重ねている暗黙知や情報、経験・スキルを、人材紹介会社の中だけに留めておくのではなく、企業自身が持てるようになることにこそ、大きな価値があると考えています。


私はサービスを売りたいわけではありません。

採用戦略、RPO、採用システム、エージェントマネジメント。

これらはすべて手段です。

全ては採用に課題を持つ顧客にこたえるため。

その考えのもと、企業ごとに最適な支援を提供していきます。

採用戦略を考えるにしても、採用代行をするにしても、ご支援に入る前から経営者様や人事責任者様、現場で活躍されているメンバーの皆様と何度も対話を重ねます。

・事業を始めた背景。

・これから実現したい未来。

・仕事に対する価値観。

・組織のカルチャー。

・現場だからこそ感じられる空気感。

採用は今や、企業にとって経営戦略を左右する重要な要素です。
だからこそ、そこに携わる人間が、求人内容をなんとなく理解しているだけでは通用しないと私は強く考えています

AIが急速に進化し、求人票やスカウト文面は、誰でも一定の品質で作れる時代になりました。

数字や求人票だけでは伝わらない、形容しがたい魅力を言語化し、候補者様に届けること。

それが、本当の意味で企業の魅力を伝えることにつながると信じています。

だから私は、採用を単に「代行」するのではなく、企業の想いを預かる立場として、採用戦略から一人ひとりの候補者様と向き合っていきます。

仮に企業様の採用課題の解決策としてエージェント活用が最善なのであれば、その要望に応える形でのエージェント事業を始めるかもしれません。

また、エージェント業界全体をより良いもの2していくという観点では、エージェント会社向けのコンサルもやりがい感じると思っています。


まとめ

…と、長々と綴ってしまいましたが、
まずはこんなにも長い文章をお読みくださりありがとうございました。
このような想いと経緯で会社を設立しました。

「島田さんはこの先どうしていくんですか?」
という問いをエージェント時代も今もよく聞かれます。

正直なところ、その回答にいつも困っています。

キャリアを支援してきた私自身が、一番自分のキャリアを描けていないのかもしれません。

ただ、漠然とではありますが、人生の最後にこうありたいというイメージはあります。

風船が少しずつしぼんでいくような終わり方ではなく、最後まで全力で膨らみ続け、パンパンになって弾けるような人生を送りたい。

そんな最期を迎えられたら、きっと幸せなんだろうなと、なんとなく思っています。

だからこそ今目の前の顧客と事業に本気で向き合います。

創業フェーズで大した実績もありませんが、採用の課題感やサービスの詳細を聞きたい方がいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

この想いに共感してくださる方と、一社でも多く、一人でも多く出会えたら嬉しいです。

私にできることがあれば何でも、そして全力で行います。

株式会社Sync Ascent(シンクアセント)
代表取締役社長 島田 龍太
https://www.linkedin.com/in/syncascent/


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