楽園へ 第15話

 「暴行傷害、窃盗、死体損壊、不法侵入」畳に寝そべる瀧川が指を折りながら数える。これまで自分たちが犯してきた罪を並べ立てる。「これ、さすがに懲戒処分では済みませんよね」
 「ゾンビ化しているとはいえ民間人を傷つけたわけだからな。刑務所行きもあり得る」
 田崎がそう言うと、瀧川は「ああ」とため息をついた。
 「採用試験に受かった時にオカンがね、アホの不良息子が警察官になった言うて、飛び上がって喜んでくれたんですよ。それやのに…。またオカンのこと泣かせてまいますわ」
 田崎は、めずらしく暗い顔をする瀧川を見た。人生の折り返し地点を過ぎた田崎と違って、彼はまだ若く前途がある。できることならかばってやりたいと思ってはいるのだが。なにせ前代未聞のことなのだ。この件について上がどう判断するのか、田崎にも読めない。
 その時、建物の外で人の声がした。男女のようだ。風雨のせいで何を言っているかまではわからないが、言い争っている様子だ。窓の方から聞こえてくる。
 田崎と瀧川は顔を見合わせた。生存者はもうとっくに避難しているものだと思っていた。
 窓のカーテンをめくった。窓は東西にのびる通りに面している。道の端には、顔を布で覆われたゾンビが数体、転がっている。田崎たちが処理したものだ。
 右斜め向かいの家の軒先に立つ小太りの男と、ショートボブの女の姿がカーテンの隙間から見えた。どこかに行こうとする男の腕を、女がつかんで引き止めている。
 男女からすこし離れたところに、もうひとつ人影がある。雨が激しくて見えにくいが、おそらく男。足取りからしてゾンビではない。西の方から男女に向かってまっすぐ歩いてくる。彼らはその存在に気づいていないようだ。
 「あいつ、もしかして宮下…?」瀧川がつぶやいた。
 田崎は近づいてくる男の顔を見た。左頬の肉がそげているが、その顔は宮下に間違いなかった。
 まさかゾンビ化しかけているのだろうか。
 田崎は周囲を確認する。ゾンビの姿はない。窓を開けて飛び出した。
 二メートルほどの距離を空けて宮下の前に立ち、拳銃を構える。「動くな、警察だ」
 街灯の光に照らされた宮下の腕や首には、たくさんの歯形がついていた。
 「噛まれたのか」田崎が訊く。
 宮下は首を傾げた。目を細めて田崎の顔をじっと見る。「あんたどこかで会ったな」
 「噛まれたのか」
 宮下は面倒臭そうに両手を挙げて傷口を見せる。「ご覧の通り」
 「そこの街灯の柱に背中をつけろ」田崎は宮下のすぐそばにある街灯を目顔で示す。「ゆっくり動け。おかしなことは考えるな」
 宮下は拍子抜けするほど素直に従った。
 柱を後ろ手に抱えるようにして立つ宮下の手首に、瀧川が手錠をかける。完全にゾンビ化していない人間を柱に拘束するのは気が引けたが仕方ない。
 宮下はなぜか田崎の顔から目を離さない。
 拳銃をしまう。一週間、コソコソと逃げ回っていた割にあっけない幕引きだ。瀧川は向こうにいる男女のもとに走って行った。
 ふいに宮下が「あ」と声をあげた。「思い出した。あんた六年前に俺をパクった刑事だ」
 宮下がそう言い終わるか終わらないかのうちに、バキッと音が鳴った。
 下を見る。手錠の連結部分が壊れている。
 顔をあげると、宮下が田崎の左頬めがけて殴りかかってくるのが見えた。
 考えるよりも先に体が動いていた。
 体を反らしてかわす。拳が鼻先をかすめた。
 宮下の拳は勢いあまって家のコンクリート塀に当たった。
 ものすごい音がして塀に穴が空いた。コンクリートの破片がパラパラと地面に落ちる。
 どう考えても人間業ではない。
 変異個体──寄生生物によって身体能力を極限まで引き上げられた人間。その考えに至るまで〇・三秒。
 拳銃を引き抜いて構える、〇・五秒。
 だが宮下の方が早かった。田崎の右手首を両手でつかみ、ひねる。
 太い木の枝が折れるような音。田崎の手首が三六〇度回転する。
 折れた骨が肉から飛び出した。激痛が走る。拳銃が手から滑り落ちた。
 しかし田崎はあくまでも冷静だった。どんなに不利な状況でも、つねに最善の方法をとるよう訓練されてきた。だから田崎は考える。どうすればこの化け物を倒せるか、どうすればうしろにいる三人を助けられるか。
 ふたたび殴りかかってくる宮下の拳をよけながら、懐から手錠を取り出す。拳銃を足でうしろに──瀧川に向かって──蹴る。
 宮下が顔めがけてアッパーを放ってきた。
 体を左にずらしてよける。拳の勢いがなくなったのを見計らい、宮下の右手首に手錠をかける。反対側の腕輪には田崎自身の右手首を通した。ふたりが手錠でつながる。
 田崎はすかさず宮下のうしろに回り込むと、彼を羽交い絞めにした。
 「撃て! 瀧川」
 瀧川はすでに銃を構えていた。が、手が震えている。できない、と首を振る。
 「命令だ、今すぐ撃て!」
 瀧川が叫び声をあげながら発砲した。
 一発目、二発目は大きく外れた。三発目は宮下の左肩に命中した。が、効いていないらしい。
 宮下は右手で田崎の襟首をつかむと、お辞儀をするように上体を折り曲げた。背負い投げをかけられた田崎は背中から地面に倒れる。
 宮下はさっと田崎の背後に隠れた。
 瀧川の動きが止まった。拳銃を構えたまま真っ青な顔で凍りついている。
 「何やってる瀧川! 俺ごと撃て」
 「できません、田崎さん。俺には無理です」
 宮下が鼻で笑った。
 さっと体から血の気が引く。ここにいる全員が血まみれで倒れている光景が脳裏をよぎる。宮下の息が首にかかる。
 「お前が撃たないと全員死ぬ! こういう時くらい俺の言うことを聞いてくれ!」
 宮下は口を大きく開けると、田崎の首筋に噛みついてきた。
 田崎は叫び声をあげて体をばたつかせた。激痛が走る。歯が首に深く食い込むのがわかる。体の中に何かが流れ込んでくる。今まで経験したことがないほどの激しい悪寒と、皮膚の下を巨大な蜘蛛が這いまわるような感覚。
 田崎は背中をのけ反らせた。全身が痙攣している。体の自由がきかない。
 宮下が田崎の肉を喰いちぎった。
 あふれ出した生温かい血が田崎のシャツを真っ赤に染める。宮下が、くちゃくちゃと肉を咀嚼する音が聞こえる。視界が徐々に白く濁っていく。
 「もういい、瀧川。逃げろ」田崎は朦朧とする意識の中で、最期にそうつぶやいた。

 美晴は一歩、後ずさった。
 目の前で宮下が田崎に噛みついた。首を喰いちぎられた田崎は体を激しく痙攣させてゾンビになろうとしている。もうすこしだと思っていたのに。やはりあの男を殺すことは不可能なのだろうか。
 宮下が田崎の左手首をねじ切った。彼の手にはまっている手錠の先には、田崎の左手首だけがぶらりと下がっている。
 宮下は田崎の襟首とベルトをつかんで持ちあげると、こちらに向かって放り投げてきた。田崎は四肢をばたつかせながら飛んでくる。
 田崎が瀧川に激突した。
 二人は揉み合いながら地面に倒れる。植木鉢が割れ、拳銃が銀次の足元に転がった。
 田崎が馬乗りになって噛みつこうと暴れる。瀧川は田崎の体を押し返し、なんとか抵抗する。が、動転しているのか完全にゾンビ化している田崎に向かって、「目え覚ましてください」と呼び掛けている。
 美晴は田崎の襟首をつかんで瀧川から引きはがす。
 すると田崎は標的を美晴に変えて突進してきた。
 思わず両手で田崎の体を止めようとするが、男相手に力でかなうはずもない。突き飛ばされた美晴の体はコンクリート塀に激突した。後頭部を打ちつけて、一瞬だけ意識が遠くなる。
 すかさず田崎が飛びかかってくる。歯をむき出しにして覆いかぶさってくる。
 美晴は悲鳴をあげた。
 突然、田崎の体が離れた。
 宮下が田崎の頭をつかんでいた。彼は田崎の頭を塀に叩きつけた。
 美晴のすぐ真横で頭蓋骨が砕け散る。血しぶきが美晴の顔にかかった。
 痙攣する田崎の体。「田崎さん」とつぶやく瀧川の声。
 宮下が美晴を見下ろしてくる。これが人間の目だろうか。肉食獣や蛇とも違う。感情らしきものが一切うかがえない。がらんどうの目だ。
 この男を凜たちに近づけてはいけない、と美晴は思った。たとえ自分の命を犠牲にしたとしても、この男だけは殺さなくてはならない。でないと全員、殺される。
 その時、瀧川がうしろから宮下に飛びかかった。手に握った植木鉢の破片をうなじめがけて振り下ろす。
 しかし宮下の反応の方が一瞬、速かった。体をずらして、うなじへの攻撃をかわす。破片は右の肩甲骨のあたりに刺さった。
 瀧川は宮下の背中にしがみつきながら、破片を引き抜き、もう一度振り下ろす。今度は右肩に刺さった。
 「きみらは早よ逃げろ」瀧川が叫ぶ。「こいつだけは絶対に俺が殺す!」
 美晴はうなずき、駆け出した。地面に落ちている拳銃を拾う。呆然と突っ立っている銀次の襟首をつかんで走り出す。自分がやるべきことは理解した。
 銀次を引きずりながら道を走る。銀次は動揺しているのか、荒い呼吸をしながら、もたもた走っている。足の遅さに苛つく。けれど置いていくわけにはいかない。
 何がなんでも銀次を凜たちの元に行かせなければならない。
 角を曲がる直前に振り返った。瀧川の顔に喰らいつく宮下の姿が見えた。
 雷の音に混じって聞こえる瀧川の叫び声。
 美晴は前を向いた。歯を食いしばって走る。さっき田崎に噛まれた右腕が痛む。皮膚の下を虫が這いまわっているような感覚がして、鳥肌が立っている。おそらくもうすぐゾンビになる。
 お願い、もうすこしだけ持ちこたえて、と自分に言い聞かせる。宮下を殺すまででいい。人間のままでいさせて。
 美晴は十字路で立ち止まった。
 銀次も遅れて美晴のそばに立つ。体力がないのか、もう息があがっている。膝に手をついてゼエゼエと荒い呼吸を繰り返している。
 美晴は銀次の胸に拳銃を押しつけた。「これを金助のところに持って行って。たしかあいつ猟銃免許持ってたでしょ」
 「な、なんで俺が?」
 「あの人たちが宮下に殺されていくところ、あんたも見てたでしょ。あいつと接近戦なんて無理よ。遠くから狙って頭をブチ抜くしかないの」
 「そうかもしれないけど…」銀次は手の甲で眼鏡を押しあげる。「俺はさっき金ちゃんと喧嘩しちゃったし、合わせる顔ねえよ。美晴ちゃんが行けばいいだろ」
 「こんな時にガキみたいなこと言ってんじゃないわよ。あんたは黙ってわたしの言うことを聞いてればいいの」
 「でも…」
 美晴はシャツの袖をめくって、右腕を銀次の前に突きつけた。赤黒い肉が露出した傷口がよく見えるように。
 銀次がはっと息をのんだ。
 「わたしは行けないの。だからあんたがバーバラまでそれを持って行け。いい?」
 美晴は、小刻みにうなずく銀次の胸ぐらをつかんで言葉をつづけた。
 「途中で投げ出したり死んだりしたら許さないから。もしそんなことをしたら、ゾンビになったわたしがあんたの体を骨の髄まで喰いつくしてやる」
 銀次が緊張した様子で唇を引き結ぶ。これだけ脅せば、いくら一人じゃ何もできない臆病者のコバンザメでも、言われた通りにするだろう。
 美晴はようやく胸ぐらから手を離した。銀次の肩を小突いて言う。「走れ、コバンザメ」
 銀次はうなずいて走り出した。
 遠ざかる背中を見ながらため息をつく。銀次が馬鹿で本当によかった。拳銃なんて持って行ったところで意味がない、と言われればおしまいだった。
 正直なところ、美晴は拳銃が宮下に効くとは思っていない。なぜなら瀧川が弾丸を撃ち込んだ時、宮下はまったく動じていなかったからだ。うなじに当たれば話は別だろうが、イノシシすらまともに撃ち抜けない金助にとって、それは不可能に近い。
 それでも拳銃を持って行かせたのは理由が必要だったからだ。銀次を金助の元に帰らせるための言い訳が。
 これでいい、と美晴は思った。
 銀次がいなければ金助が悲しむ。金助が悲しむと凜が悲しむ。自分が死ぬ前に、凜が悲しむ要因をひとつだけ取りのぞくことができた。
 美晴は銀次に背中を向けた。目的地はもう決めてある。
 通りを走って左に曲がり、路地を抜け、古びたアパートの前を通り過ぎる。雨の音にまじってゾンビの足音が地鳴りのように迫ってくる。
 目がかすんで視界がぼやけるが立ち止まるわけにはいかない。銀次にあんな偉そうなことを言っておきながら、自分はゾンビに殺されるだなんて冗談じゃない。宮下を殺すまでは絶対に死ねない。
 開きっぱなしの商店に飛び込む。すぐに扉を閉めて、商品棚から必要なものを拝借し、裏口から外に飛び出した。
 道にいたゾンビたちが美晴の靴音に反応して駆け寄ってくる。
 美晴は彼らをうまくかわしながら走る。ゾンビは動きが速いが単純だ。獲物を見つけるとわき目も振らずに一直線に向かってくる。そのためある程度、動きを予測して避けることができる。
 疲労で悲鳴をあげる体に鞭打って走りつづける。目的地はもうすぐそこに見えている。
 道の脇にぽつんと立つ汚いプレハブ小屋。島内放送を行うための放送室。
 美晴は最後の力を振り絞って小屋に駆け込んだ。扉を閉めて鍵をかける。その直後に激しく扉を叩く音が響いた。体当たりしている者もいて、小屋全体がギシギシと揺れる。
 ドアノブの下にパイプ椅子を置いて、つっかえ棒代わりにする。ここが破られるのも時間の問題だ。それまでに決着がつけばいいのだが。
 美晴はスチール製の机の上に置かれている放送機材に駆け寄った。スイッチを入れて音量を最大まで引きあげる。机の正面の窓には、美晴に襲いかかろうとするゾンビたちが群がっている。
 時間がない。
 マイクを口に近づける。キーンと不快なハウリング音が鳴り響く。
 『あー、あー、聞こえますか』
 口を閉じて外のスピーカーから自分の声が鳴っていることを確認してから、ふたたび口を開いた。
 『先輩、聞いてくれてますか? わたしです、美晴です。もし聞いてなかったら、わたし泣いちゃいますよ。だから一言も聞き漏らさないでくださいね』
 美晴は言う。まるで今日の天気を伝える時のような、あっけらかんとした口調で。
 『時間がないので手短に言いますね。今からそっちに銀次が行きます。本人も反省してるみたいですし、金助も銀次もおたがい変な意地を張らずに仲直りしてください。それとわたしは…、』
 美晴はそこで一旦、言葉を切った。指先が震えている。ゾンビ化の兆候なのかそれとも恐怖なのか、自分でもわからない。一度だけ大きく深呼吸をして、ふたたびマイクに口を近づけた。
 『わたしは、宮下? とかいう馬鹿を殺してから先輩たちに合流します。だからいつもの場所で待っててくださいね、先輩』
 マイクのスイッチを切る。自分がいま話したことを頭の中で振り返る。伝えるべきことは伝えた。声も震えていなかったはずだ。
 マイクから手を離すと、今度は時報のチャイムを流した。スピーカーから大音量で流れるグッデーグッバイの歌に耳を傾ける。この曲を聴くと凜に初めて会ったときのことを思い出す。
 高三の春、旅行好きの両親に無理やりこの四季島に連れてこられた。そこで初めて凜を見た。
 凜は砂浜の堤防に腰かけて、ぼんやり海を眺めていた。気だるげな瞳、風に舞う黒い髪、長い手足。彼女の姿は夕焼けで赤く染まった世界ととてもよく調和していて、まるで一枚の絵画のようだった。
 綺麗だと思った。それまで人から好きになられることは何度もあったが、好きになったことは一度もなかった。初恋だった。
 顔をあげる。群がるゾンビたちの姿。黒い窓に映る自分と目が合った。ひどい顔だ。汗でメイクが崩れ、髪が顔にはりついている。肌の色も悪い。
 手ぐしで髪を整える。リップを唇に塗る。紫色だった唇が、爽やかなオレンジに色づいた。窓に向かってほほ笑む。大丈夫、最高にかわいい。
 美晴は部屋の隅にあった扇風機を、部屋の真ん中に仰向けに寝かせた。スイッチを入れる。回転する羽が天井に向かって風を押し出す。淀んでいた部屋の空気がかき回された。
 目を閉じて長く息を吐き出す。そして目を開けて窓の外を見つめる。窓に群がるゾンビの群れ。その向こうに視線を巡らせて宮下の姿を探す。執念深いあの男のことだ。挑発に乗せられて、きっとここに来るに違いない。
 通りの向こう、電柱の陰、路地の奥。白く濁りはじめた目を動かす。美晴の目が通りをはさんだ向かいに立つ家にとまった。
 屋根の上に立つ人影。それがこちらに向かって歩いてくる。すぐに宮下だとわかった。心臓の鼓動が速まる。息を大きく吸い込んで平静を保つ。
 宮下が屋根から飛び降りた。通りを渡って近づいてくる。
 美晴は後ろ手に隠し持った袋を握りしめた。さっき入った商店から持ってきたものだ。
 宮下を見つめる。視界が濁っているせいで顔はよく見えない。でも見えなくてよかったと思う。あの冷たい目に射すくめられるよりはマシだ。
 二人の距離はもう二メートルもない。
 宮下が、群がるゾンビをかきわけて窓に近づいてくる。宮下の手が窓に触れた。
 今だ。
 美晴は小麦粉の袋を扇風機の上にぶちまけた。風にあおられた小麦粉が、粉雪のように部屋の中を舞う。
 宮下が立ちすくむ。
 美晴は彼に向かってライターを掲げた。
 着火する。
 炎に包まれる直前、凛の言葉がふいによみがえってきた。
 ──あんた、なんでこんな島にいるの?
 日差しはきついし潮風はベタベタするし、おしゃれな店もない。おまけに町はゾンビであふれている。いいところなんてひとつもない、大嫌いなこの島に住みつづける理由。
 美晴は微笑む。
 そんなの、先輩がいるからに決まってるじゃないですか。


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