見出し画像

ザウル・コルトシゼ【前編】――747-200で成長した、ジョージアの貨物航空会社〈第60位〉|山中裕が語るForbesジョージア富豪100人特集

2017年、貨物運航と航空整備の両面で始動

ザウル・コルトシゼ(Zaur Kortoshidze, ზაურ ქორთოშიძე)64歳。ジョージアの航空会社GeoSky有限責任会社の持分を100%保有し、推定資産は1億7,080万ラリ、米ドル換算で6,500万ドルと評価されている。

GeoSkyは2017年に設立された。Forbes Georgiaは航空機の技術サービスを同社の主たる活動として紹介している一方、GeoSkyの公式沿革によれば、同社は設立初年から航空運送事業許可を取得し、2機のボーイング747-200貨物機による国際貨物輸送を開始している。航空機整備組織としての認可も同じ年に取得しており、「整備会社から航空会社へ転身した」というより、貨物運航と整備機能を並行して立ち上げた企業と捉える方が実態に近い。

同社のIATAコードは「D4」、ICAOコードは「GEL」、コールサインは「SKY GEORGIA」である。ジョージア民間航空局から提供された統計を紹介したAviaNewsによると、GeoSkyは2023年1月、トビリシ国際空港で29便の貨物便を運航し、対象となった航空貨物市場で最多を記録した。ただし、これはジョージアの全旅客・貨物航空会社を通じた「稼働率」ではなく、特定期間における貨物便数の比較である。

所有者と経営者、その役割をどう見るか

GeoSkyの経営体制には、複数のコルトシゼ姓の人物が登場する。2021年の財務報告を紹介したBM.geは、ザウル氏を100%出資者兼Directorとしている。一方、航空専門メディアAirwaysの取材では、トルニケ・コルトシゼ(Tornike Kortoshidze)氏がPresidentとして会社を代表して発言した。現在もトルニケ氏は経営トップとして対外的に紹介されている。

したがって、ザウル氏を単なる所有者、トルニケ氏を唯一の会社代表と分けるのは正確ではない。役職や経営分担が時期によって変化した可能性も含め、創業者・所有者であるザウル氏と、実務経営を担うトルニケ氏が会社の成長を支えてきたと見るべきだろう。一部のジョージア語報道は両者を親子と記しているが、会社登記や公式プロフィールなどの一次資料では確認できなかった。

Airwaysの取材でトルニケ氏は、2022年の貨物航空事業収益が1億3,140万ドルに達し、ジョージア航空市場の約25%に相当すると説明している。ただし、市場シェアの算定基準は記事中に示されておらず、会社側の説明として扱う必要がある。

旧英国航空の747-200を貨物機として活用

創業期のGeoSkyを象徴したのが、ボーイング747-200である。747-200は747-100の発展型として1971年に就航し、最大離陸重量や航続性能が向上した。GeoSkyが運航した機体には、1980年代に英国航空へ納入され、ロールス・ロイスRB211エンジンを搭載した旧英国航空機が含まれていた。ただし、英国航空からGeoSkyが直接購入したのではなく、その後の所有者や運航会社を経て導入された機体である。

すでに多くの航空会社が退役させていた747-200を活用し、GeoSkyは欧州とアジアを結ぶ貨物事業を拡大した。重要なのは、旧型機を使い続けたこと自体ではない。取得可能な機材と市場需要を組み合わせ、創業から短期間で国際貨物事業を築いた点にある。後編では、その747を退役させ、767へ全面更新した経営判断を追う。


参考資料

・ジョージアの富豪100人|Forbesジョージア https://forbes.ge/en/georgia-s-100-richest-entrepreneurs/
・Geo-Sky、ボーイング747-200の運航を継続|エアウェイズ・マガジン 
https://airwaysmag.com/geo-sky-flying-boeing-747-200/
・Geo-Sky|Wikipedia(英語版) 
https://en.wikipedia.org/wiki/Geo-Sky
・ジョージア民間航空局|Wikipedia(英語版) https://en.wikipedia.org/wiki/Georgian_Civil_Aviation_Administration
・Geo-Skyテクニクス 会社概要|Geo-Skyテクニクス公式サイト 
https://gstechnics.ge/en/about-us

山中裕が選ぶジョージアの名言
「პური და ღვინო ძველი ჯობია, ბატონი კი — ახალიო」
――ジョージアのことわざ
(パンとワインは古い方がよく、主人は新しい方がよい)

【男女産み分けドットコム】
https://danjo-umiwake.com/
【少数株ドットコム公式サイト】
https://www.shosukabu.com/

いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー