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SNSの渦|なぜ人はフェイクニュースを信じてしまうのか


[1] PROLOGUE|導入

テーマ概要

人間は、言葉を使い始めた太古の昔から、噂話やフェイクニュースのような情報に引きつけられてきました。メディアが発達し、印刷、ラジオ、テレビへと進化するにつれて、一つの情報が届く相手は、数万人、数千万人へと広がっていきました。

そしてSNSが普及した今、その影響は数億人規模にまで及んでいます。

「フェイクニュース」という言葉は広く知られるようになりました。それでも私たちは、自分のもとに届いた情報には、つい瞬間的に反応してしまいます。それは意志が弱いからではありません。人間の認知には、もともとそうした特徴があるからです。

フェイクニュースに惑わされないためには、一つひとつの情報を見分けようとする前に、その基本的な構造を知っておくことが、自分自身を守ることにつながります。

では、人はなぜフェイクニュースに引き込まれてしまうのでしょうか。
その構造を、一緒に見ていきましょう。

参考資料

フェイクニュースの免疫学 信じたくなる心理と虚偽の構造、サンダー・ヴァン・ダー・リンデン、みすず書房

[2] CORE|本編

図の解説 - 紙芝居形式

図解ツールをパーツごとに分解し、詳しく解釈しながら説明していきましょう。
テーマ説明:全12枚


1/12

SNSには無限の情報があふれています。人はそのすべてに触れることはできません。だからこそ、自分の信条や価値観に合う、心地よいと感じる情報を選んで受け取りやすくなります。


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人間は、情報に欠けている部分があっても、先入観やこれまでの経験をもとに、無意識のうちに補いながら理解しています。


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信条やイデオロギーへの思い入れが強くなると、それに反する意見や証拠を受け入れにくくなります。そして、自分の考えの正しさを守ろうとしてしまいます。


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人間は、不安をあおるようなネガティブな情報に感情を動かされやすい生き物です。冷静に考えるよりも先に、心が反応してしまいます。


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人間は、一度見聞きした情報を記憶に残しやすい特徴があります。たとえ誤った情報やうその情報でも、シンプルで何度も繰り返し触れるほど、本当のことのように感じてしまいます。ナチス・ドイツのプロパガンダでも、この性質が利用されました。


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このような人間の認知の癖に対して、悪意は働きかけてきます。陰謀論は、邪悪な黒幕と、それによって苦しめられる被害者という構図を示します。

本来、社会は複雑なものです。しかし、このような単純な二項対立は理解しやすく、「世界が分かった」という感覚や、「自分にもコントロールできる」という感覚を与えます。

そして、同じ被害者意識を持つ人どうしの一体感も生み出していきます。


7/12

こうして、社会は「敵」と「味方」という二極化した見方へと傾き、対立そのものが人の心を強く刺激していきます。


8/12

現代では、SNSへの投稿は一瞬で世界中に広がります。誤った情報やうその情報、不安をあおる投稿、意図的な対立を生む発信が大量に流れることで、情報空間は少しずつ荒らされていきます。


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誰かを攻撃したり、信用を貶めたりする言論も、社会の分断を広げ、人々の感情をさらに刺激していきます。


10/12

たとえウソの情報でも、専門家や関係者を装ることで、受け手の警戒心は弱まります。その結果、情報を信じてしまうことがあります。


悪意を持った人が情報の海へ投じた情報は、人の心を動かし、共感した人によってさらに拡散されていきます。こうしてSNSは、情報が情報を呼ぶ混沌とした空間になっていきます。

思考回路 - 図解全体像

SNSの渦 フェイクニュース 図解

このように、私たち人間は、論理だけではなく心でも情報を受け取っています。だからこそ、心に働きかけるフェイクニュースの仕組みを知ることが、自分を守るだけでなく、知らないうちに他者を傷つけないことにもつながっていくのです。

[3] INSIGHT|考察

図解をまとめての感想

この記事を書いている数日前の7月28日、大きな地震が発生しました。
被災された皆さま、ならびにそのご家族の皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

災害が起こるたびに、フェイクニュースやデマが拡散されることがあります。今回の地震でも、イオンモールに関連づけた誤った情報がSNS上で確認されました。

忘れもしない東日本大震災のときも、まだスマートフォンやSNSが今ほど普及していなかったにもかかわらず、工場の爆発に関するデマや、それを拡散するよう促すチェーンメールが出回っていました。

また、2016年の熊本地震では、「ライオンが放たれた」というフェイク画像とともにデマが拡散されました。当時でも大きな混乱を招きましたが、現代では生成AIの普及によって、誰でも本物と見分けがつきにくい画像や動画を作れる時代になっています。情報を生み出すための知識や技術のハードルは、これまで以上に低くなりました。

いつの時代も、悪意を持って情報を流す人がいます。そして、それを信じて広めてしまう人もいます。残念ながら、この構造そのものが人類の歴史からなくなることはないのでしょう。

だからこそ、フェイクニュースと向き合うためには、一つひとつの情報を見抜こうとするだけでは十分ではありません。まずは、人間がどのように情報を受け取り、なぜ心が動かされてしまうのか。その構造を知ることが、自分自身を守る第一歩になります。

情報に疲れてしまいがちな現代だからこそ、ときには意図的に情報から距離を置くことも、自分の心を守るために大切な選択なのだと、改めて感じました。

[4] NAVIGATION|関連情報

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