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学問のすすめ|学び続ける大人こそ未来の希望

人の思考プロセスを、本質的な「思考回路」として視覚的に構造化する。
Systems Visualismでは、個人の内省を助け、他者との対話・共有・創造を促進するための図解を体系化しています。
本棚のように、多様な図を揃え、あなたの考える力を広げるツールを紹介します。


[1] PROLOGUE|導入

テーマ概要

多くの現代日本人は、大人になると勉強しなくなる。近年のデータでも明らかです。
では、子どもに「なぜ勉強しなければならないの?」と聞かれたとき、大人たちはどう答えるのでしょうか。
例えば、

  • 将来のため(いい大学に行くため、選択肢を増やすため)

  • 仕事に役立つから(勉強しないと良い仕事に就けないから)

  • 社会に出たとき必要だから(生活のために必要だから)

  • みんな勉強しているから(学校に行く以上、勉強しなければならない)

  • 知識が増えると面白いから(世界が分かると楽しいから)

このように、正解のない問いに対してさまざまな答えが考えられます。
しかし、その大人たち自身は、なぜ勉強しなくなるのでしょうか。
もしかすると、「勉強の本当の意義」を理解していないからかもしれません。

100年以上前、幕末・明治の賢人 福沢諭吉 は、その名著『学問のすすめ』の中で、学問の意義について1つの答えを示しました。
そして1984年から2024年までの40年間、彼は 1万円札の顔 として私たちのそばにありました。
彼が去った今だからこそ、その思想に改めて迫ってみたいと思います。

参考資料

現代語訳 学問のすすめ 福澤 諭吉 (著), 斎藤 孝 (翻訳) 、ちくま新書

[2] CORE|本編

思考回路 - 図解ツール

こちらが図解ツール全体像です。
情報量が多いため、次章の解説を参考にしながら、じっくりと読み進めていただくことをおすすめします。

学問のすすめ 図解

図の解説 - 紙芝居形式

図解ツールをパーツごとに分解し、詳しく解釈しながら説明していきます。
テーマ説明:全15枚


人は生まれながらに平等です。しかし、それは生き方や境遇において平等であるという意味ではありません。現実には、裕福な人もいれば貧しい人もおり、高い地位に就く人もいれば低い地位にある人もいます。

では、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。それは、「生まれながらの権理」としての平等が保障されている一方で、人生の歩み方は人それぞれ異なるからです。

命を尊重されること、名誉を不当に傷つけられないこと、財産を理不尽に奪われないことなどが、誰もが持つ根源的な権理なのです。

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現実に見られる貧富の差や地位の違いは、多くの場合、その人が学問を修めたかどうかの結果として現れます。

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ただ難しい漢字や歴史の年号を暗記することは、社会で役立つ学問とは言えません。また、詩や文学を学ぶことは人生を豊かにするものの、それだけでは社会への貢献とはなりません。

重要なのは、自分を成長させ、社会の発展に寄与する学問を学ぶことです。これにより、自らの才能を伸ばし、人間的に成長することで、知恵や強い意志を身につけることができます。

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個人の成長は、道理を理解し、自分の欲求に基づいた積極的な行動を促します。そして、良心によってバランスを取りながら社会に働きかけることで、個人としての豊かさを得ることができます。

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しかし、大切なのは個人の豊かさだけではありません。社会全体の豊かさにも貢献することが重要なのです。

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地位の違いは、人としての優劣を示すものではなく、それぞれの立場に応じた責任を負うことを意味します。そして、その責任は地位の高低にかかわらず、すべての人が自覚すべきものです。

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世の中のことを何も疑わずに受け入れてしまうと、ただ流されるだけの人生になってしまいます。歴史上、世間が常に良識と真実によって成り立っていたことは一度もありません。

だからこそ、自ら疑問を持ち、自分の目で見て考え、取捨選択し、判断することが重要なのです。そのために学問を修め、判断力を磨くことが求められます。

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自由で個人が独立した民主的社会では、民間と政府は対等な関係にあります。人々は政治を「委託」しているにすぎず、政府はその「役割と責任」をもって政治を行います。また、国民は社会全体のために納税し、その対価として安全や福祉を享受し、定められた法を守るのです。

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もし法律に不都合があるならば、それを無視して勝手な行動をするのではなく、議論を通じて訴え、社会のルールとして改めることが求められます。これこそが本来の民主社会のあり方です。

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一人ひとりが学び、自由で独立した個人として社会に貢献することが、社会全体の発展につながります。そして、前の世代から受け取った豊かな社会を、次の世代へと受け継いでいくことができるのです。

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もし人々が学ばなければ、社会全体が無知となり、恥を知らず、愚かな民となってしまいます。

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その結果、人々は政府や目上の者に依存し、権威を盲信し、迎合し、権力に媚びるだけの社会になってしまいます。

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そんな社会では、他人を妬み、自分にとって都合が悪ければ勝手な行動をとり、欲望のままに流される人が増えます。そして、法を無視し、他人の権理を侵害する行為が横行します。昨今のSNSにおける誹謗中傷も、その一例と言えるでしょう。

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さらに、力を持った政府や権力者が恣意的に権力を行使すれば、我々の権理が脅かされることになります。

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こうした2つの社会の分岐点は、私たち大人が学び、一人ひとりが自由で独立した存在となれるかどうかにかかっています。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。

図解ツールを手元に置いて解釈を深めたり、
「学ぶことの意味」について周りの仲間と議論する際の、「論点の地図」として活用してください。

[3] INSIGHT|考察

図解をまとめての感想

今回、福沢諭吉の『学問のすすめ』を読みました。もっと若いときに読んでおけばよかったと、心から思いました。それはなぜか。

子どものころから、未来の発電方法として語られていた原子力発電や太陽光発電。大学の講義でも、教授はそういった流れの延長線上で太陽光発電やコジェネレーション(地域に密着した小規模発電)、原子力発電について語っていました。私も、教授が話すからという理由だけで講義を聞き、納得していました。

しかし、多くの人が知っているように、2011年の震災によって原子力神話は崩れました。結局、未来社会にとって本当に目指すべきエネルギーは何なのか、その議論はいまだに続いています。太陽光発電にしても、実際の街や自然を見れば、利権によって田畑が埋め立てられ、山の木が伐採されている光景を目にすることもあります。

現在、環境のためにEVの普及が必要だと世界的に言われていますが、電池を製造する過程で多くの見えない社会課題が生じていると言われます。また本当に環境負荷を下げられるのか。そういった議論は今も続いています。しかし表立って社会方針を変えるほどの力はありません。

社会全体が「未来のための技術や政策」と叫ぶ裏には、実は大きな利権構造があるのではないか。今では、そう常に考えるようになりました。

私は子どものころから理科や数学が好きで、大学の研究も面白く、社会人になってからもエンジニアとして世の中の片隅で、新しいものを生み出そうと研究開発をしています。ずっと科学技術が好きで、それに没頭してきたからこそ、社会に対する疑問を持つ機会が少なかったのかもしれません。

もちろん、紛争や貧困、差別、社会福祉といった問題にまったく無関心だったわけではありません。メディアを見て、いけ好かない政治家に嫌悪感を覚えることもありました。10代20代のころは社会への怒りからHard rockを好み、その感情を音楽に同調させていました。

(90年代後半~2000年代のアメリカのハードコアロックバンド、TOOL、a perfect circle、Rage Against The Machine、とかとかめっちゃ好きです。)

今思えば、私は社会の表面的な部分しか見ておらず、その裏にある本質に意識が向いていませんでした。そのため、「社会のため」とされる政策や科学技術に対しても、何の疑問も持たずに受け入れていたのです。

しかし今では、多くの疑問を抱えながら社会を見つめ、自分の仕事が本当に未来社会のためになっているのか、自問する日々を送っています。自己矛盾を抱えながら生きているとも感じます。

世の中に絶対的な正解などほとんどなく、その時々で自分を信じて進んでいくしかない。アドラーもそう語っています。
これからも自己矛盾を抱えながら、その時々に自分がすべきことを考え、歩んでいくのでしょう。

[4] NAVIGATION|関連情報

過去の図解

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