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子の褒め方|「あなたはいい子」は誤解

人の思考プロセスを、本質的な「思考回路」として視覚的に構造化する。
Systems Visualismでは、個人の内省を助け、他者との対話・共有・創造を促進するための図解を体系化しています。
本棚のように、多様な図を揃え、あなたの考える力を広げるツールを紹介します。


[1] PROLOGUE|導入

テーマ概要

昨今の子育て論では、「子どもは褒めて育てよう」というメッセージをよく目にするようになりました。さらに、「結果ではなくプロセスを褒めましょう」といったアドバイスや、より具体的な褒め方・叱り方のハウツーも、書籍やWeb上に溢れています。

たしかにそれらは、情操教育の観点から見ても大切なことであり、親だけでなく社会全体で子どもの成長を支える姿勢として、理解されるべきものだと思います。

ただ一方で、表面的なテクニックばかりが注目され、その根底にある“人間理解”や“関わりの本質”にはなかなか目が向けられないという現実もあります。

今回は、子どもと向き合うときに親が意識すべき「思考回路」をあらためてメタ認知し、その構造を図として描いてみました。すると、それは決して子どもとの関係だけにとどまらず、「私たち大人同士の関係性にも通じる“本質的な対話の構え"」であることが、改めて見えてきました。

参考資料

子どもの話にどんな返事をしていますか?、ハイム・G・ギノット、草思社文庫

[2] CORE|本編

思考回路 - 図解ツール

こちらが図解ツール全体像です。
情報量が多いため、次章の解説を参考にしながら、じっくりと読み進めていただくことをおすすめします。

褒め方 叱り方 メタ認知 図解

図の解説 - 紙芝居形式

図解ツールをパーツごとに分解し、詳しく解釈しながら説明していきます。
テーマ説明:全10枚


人間はそれぞれの人格を背景に、状況に応じて感情が即座に湧き上がり、それに基づいて言動をとります。大人でさえ論理よりも感情に反応してしまうのですから、子どもはなおさら、感情の赴くままに私たちに思いをぶつけてきます。

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そうして起こる出来事を、親は日々目にしています。たとえばテストで100点を取った、あるいはいたずらをしたなど、その結果は快・不快のどちらでもあり得ます。そして親は、親であるがゆえに、そこに“評価”を加えてしまいます。それが良いことか悪いことかを。

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自分の素直な感情を子どもに伝えること自体は大切です。たとえ怒りであっても、暴力を伴わず、「いま自分は怒っている」とだけ伝えるのであれば、それは子どもにとって“他者の感情”として受け取ることができます。

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しかし問題は、その感情に続く親の言動です。たとえば「あなたはいい子だ」「あなたはすごい」といったポジティブな言葉であっても、「お前は悪い子だ」「バカな子だ」といった否定的な言葉であっても、それは子どもの人格や能力に対する“評価”になります。

そうした評価は、親という他者の基準を子どもに押しつけるものであり、やがてその精神を侵食していきます。なぜなら、子どもの人格や能力、感情は「子ども自身のものであり」、他人が無遠慮に立ち入るべきではない領域だからです。

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押しつけられた評価と、自分の本心とのあいだにズレがあると、子どもは葛藤を抱えます。そのような評価が何度も繰り返されると、子どもは次第に心の中にレッテルを貼るようになります。「自分はいい子でいなければならない」「自分はバカでダメな子だ」と、自らに呪いをかけるようになってしまうのです。

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大切なのは、子どもに公平で客観的な視点を与えることです。子どものとった行動、そしてそのときに感じていたであろう感情を、親が理解し、具体的な言葉で返してあげる。それが、傾聴や共感というアプローチです。そのような視点を得ることで、子どもは自分自身をより深く理解できるようになります。

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そのうえで、親自身が感じた喜怒哀楽を子どもに伝えることで、子どもは「自分の行動が他者にどのような影響を与えたか」を理解できます。そして、それをもとに、自分の行いを自分で評価できるようになっていきます。

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こうして得られる“自己評価”は、子どもが自分自身に対して抱くイメージを形づくる大切な材料となり、やがてその人格の成長につながっていくのです。

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もし子どもが間違った方向に進もうとしているなら、脅したり否定したりするのではなく、「どうするべきか」「何をすればいいか」を具体的に伝えてあげましょう。それが、子どもを混乱させず、前に進む力になります。

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子どもと向き合う親は、常に試練に直面します。けれど、子どももまた一人の“他人”であることを理解している大人は、安易にその領域に土足で踏み込まないものです。

もちろん、すべてを子どもの自主性に任せるわけにはいきません。社会のルールや文化を守らせる必要がある場面では、一定の“精神的な干渉”は避けられないでしょう。しかし、日常の多くの場面では、子どもの自主性を尊重することが何より大切です。結局は、大人が子どもをどれだけ「よく見ているか」に尽きるのです。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。

図解ツールを手元に置いて解釈を深めたり、
「子育て」について周りの仲間と議論する際の、「論点の地図」として活用してください。

[3] INSIGHT|考察

図解をまとめての感想

noteを始めてから、これまで何度か我が子との出来事を振り返る記事を書いてきました。子どもは、私自身を見つめ直すきっかけをたくさん与えてくれます。

子どもだからこそ、感情をそのままぶつけてくれる。愛情も、嬉しさも、悲しさも、苛立ちも、すべてがまっすぐに届きます。

ポジティブなことであればまだ受け止めやすいのですが、ネガティブなこととなると、親であるこちらもどうしても感情的に反応してしまう。それがもし彼女を傷つけてしまったと気づいたときには、こちらも大いに反省します。いつも、その繰り返しです。

どんな親も最初から完璧にはなれませんし、そもそも、いつまでも完璧になどなれないのだと思います。でも私や妻、そして周りの大人たちが少しずつ彼女に影響を与え、彼女が少しずつ成長していることは、確かな事実です。

我が娘は引っ込み思案なほうです。人に対しても、挨拶は小さな声になってしまいます。ある日、娘を学校に送って行く途中、工事現場のおじさんに私が「おはようございます」と挨拶をしました。すると、いつもなら私にも聞き取れないほどの小さな声でしか挨拶できなかった娘が、その日突然、「おはようございます!」と大きな声を出したのです。

私はびっくりして、とっさに親指を立てて「その挨拶、いいね!」と、思わず大げさにリアクションしてしまいました。そのとき娘は、照れくさそうにニヤッと笑ったのです。その顔が、今も忘れられません。

そして私は、その笑顔に彼女の小さな成長を感じ、嬉しさで心がふわっと軽くなりました。その日の仕事に向かう足取りが、いつもよりずっと軽やかだったことを、今でもはっきりと覚えています。

なぜその日、急にあんなふうに言えたのか、何がきっかけだったのかはわかりません。でも、ほんの小さなできごとの中に、確かに「成長」があったのです。

子どもが将来どんな大人になるのかを、親が正確に予想することはできません。「どうなってほしい」と思うことはあっても、最終的には彼ら自身の選択によって、自分で成長していくのだと思います。

それでも、大人として彼らをそっと導いてあげることはできる。今回読んだ本は、そんなふうに感じさせてくれる一冊でした。

[4] NAVIGATION|関連情報

過去の図解


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