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未来の娘に綴る一枚図解|心の性教育

このシリーズは、未来の娘に向けて、父として伝えておきたいことを今のうちに書き残すために作り始めました。生きる上で大切な考え方や社会の問題を、一枚図解で整理しながら、手紙形式で届けていきます。


中学生になった娘へ

これを読んでいる頃、父さんは君と普段どれくらい話せているだろうか。今の君はまだ小さく、仕事から家に帰ると、寂しかったと抱きついてくれる。その嬉しさはかけがえのない時間だよ。けれども、これを読んでいる頃には思春期を迎え、勉強や部活で忙しく、父さんとあまり話したくないと思う時期かもしれないね。

それでも、君の父として、そして人生の少し先を歩んでいる先輩として伝えておきたいことがある。だから今、この手紙を書いているんだ。

今回のテーマは「性教育」についてだ。

日本では昔から「性」のことはタブー視され、真面目な対話はあまりされてこなかった。学校で生殖の仕組みを習うくらいで、父さんが中学生だった頃もそうだった。おじいちゃんやおばあちゃんと性について話した記憶も全くない。

今の時代は北欧のようにオープンに幼い頃から学ぶことの大切さや、性における同意の重要性が語られるようになってきた。それでも日本ではまだまだ十分に話されているとは言えない。

けれども世の中はどんどん変わっている。特にスマホが普及してからは、君たちが直面するリスクは父さんの子どもの頃よりはるかに大きくなった。リベンジポルノのように信じていた相手に裏切られ、プライベートな映像を晒される事件や、盗撮のニュースも後を絶たない。君がこれを読む頃には、さらに新しい問題が出ているかもしれない。

だからこそ、父親として、そして大人として、君に真面目に伝えておきたいと思うんだ。


君がこれを読んでいる頃には、もう月経を経験しているだろう。男性である父さんにはその大変さを本当の意味では理解できないけれど、人の一生の中で何年分もの時間をそのリズムと共に過ごすことになると知った時、女性の大きな負担にただ敬意を抱いたよ。

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それが将来、妊娠や出産につながる大切な仕組みだということは学校でも聞いていると思う。人には性欲があり、それが男女ともに存在して、出会いとつながりを生むんだ。そのための大切な体の仕組みだということは知っているだろう。

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今日伝えたいのは、その生殖のメカニズムではない。それは学校の保健の授業で学んでほしい。そうではなく父さんが伝えたいのは、SEXはパートナーとの体と心、2つの分かち合いであるということ。

そして将来出会い、時を共にするだろうパートナーは、それを理解している人を選んでほしい、そう願っているよ。

なぜなら、動物であればただ子孫を残すために生殖をする。だから体のメカニズムだけを知っていればいい。だけど人間は子孫を作るとき以外にも行為をする不思議な生き物なんだ。それは本能的な性欲を満たすだけでなく、パートナーと裸で触れあい、心を満たし合う大切な行為でもあることを知っていてほしいだ。

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避妊が大切であることを君はどこまで知っているだろうか。中途半端に考えていると望まない妊娠をしてしまうリスクは必ず存在する。避妊という方法を人類が編み出したのも、先に言ったように、人間が性行為を楽しむために行う動物だからだ。

そしてそのリスクや結果を背負うのは女性だ。

だから避妊を軽視する男を父さんは絶対に認めない。

SEXそのものは、とても大切でいいことだと思う。それが将来のパートナーとの大切なコミュニケーションだからね。だからこそ避妊を正しく理解し行える相手を選んでくれることを切に願う。当然、性感染症についても同じだ。

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同意についても考えてみよう。女性にはホルモンのリズムがあり、心のリズムもあると聞いた。君もそれを体感しているのだろう。そしてそのリズムの中では気分が乗らない、嫌な気持ちになることもあるはずだ。そんなときは性行為などしたくないと思うだろう。

だけど男にはそういうリズムはほとんどない。もちろん普段の生活の中での心の乱れはあると思う。だけど性的本能は常に男を自己中心的にし、君のような女性の気持ちを顧みないくらい抑えられないものにもなり得る。だから今では「同意」の必要性が強く言われている。

パートナーの気持ちを尊重するやさしさは否定しない。だけど父さんは君自身の気持ち、それをまず大切にしてほしいと思う。

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そして当然、互いのことを理解して納得してから進んでほしい。何よりも裸になって無防備な状態で営むのだから、安全な空間が担保されていることはとても大切なんだよ。

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これらのことが整ってこそ、心の準備が整うんだ。そしてこれらのことをちゃんと守ってくれるということは、君のことをしっかり考えてくれている証拠であり、それを行動で示してくれているということなんだ。それがパートナーから君への愛情の現れであり、それができる人こそ精神的に成熟した相手であると父さんは思うんだ。

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改めて言うよ。性行為はただ体の快楽を求め合うことではない。それをしっかり知っておいてほしい。心と体の心地よさを分かち合うこと。それが生きる喜びをお互いに与えてくれる。そのためにするものだと覚えていてほしい。

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それは男性にとっても大切なんだ。よく、男性は勝手に満足して、その後虚脱感に浸ってしまうとも言われる。確かにそういう感覚はある。だけど、男こそパートナーと心地よい関係性を感じられれば、それが虚脱感への癒やしにもなる。だからこれは君の将来のパートナーのためでもあるんだ。

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じゃあ現実はどうかというと、悲しいことに世の中では間違った認識が広がっていると言われるし、父さんもそう思う。特に日本では昔から男性優位主義、逆にいうと女性蔑視の社会意識があることも影響している。

今では当然のように男女平等や女性の社会進出が語られ、社会の表面では進んでいるように見える。父さんも君には将来社会で活躍してほしい。だけど社会通念の中では男に「男らしくいること」が強要されているとも感じる。だからそのことからコンプレックスを暗に抱えている人も多いんじゃないかな。

そして「男が主導するべきだ」という観念が、パートナーである女性にSEXを強要し、関係性を主従的にし、悲しいことに暴力的になってしまうことすらあるんだ。そして君ならもう分かるよね。そういった行為は、心と体の両方の快楽を分かち合うことを壊すものであり、特に女性を深く傷つけることになるんだ。

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しかも男性優位な価値観はアダルト動画にふんだんに表現され、人々の意識に植え付けられている。それによって「男性優位でいいんだ」という誤解を生み、主従関係や暴力を助長していると父さんは思う。父さんも若い頃にはそういった動画に触れてきた。だけど冷静に振り返ると、本当に男性の勝手な考え方ばかりだと気づかされる。

だけどほとんどの性的コンテンツがそういう観念で作られているために、女性のほうも「それが普通」と認識してしまうこともあるんだ。だから僕らの価値観は社会によって作られている。その価値観が本当に女性にとって良いものなのか?という疑問を持って生きてほしい。

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次に、君と同い年の同級生のことも考えてみよう。男は幼い頃から生殖器をいじることが多い。たとえばおしっこをするときやお風呂で洗うときなどだ。そういった行為が快感の学習の積み重ねになっている。それによってだんだん大人になると性的欲求とはどういうものかを知り、思春期になるとそれが活性化していくんだ。

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そして思春期になるとどうだろう。今の君のような中高生の時期だ。中学になれば自癒、いわゆる性的な自分との付き合いを学び始め、それによって体の快感を知り始める。それは将来に向けた大切な準備のようなものだ。

性に対してものすごく関心が高まり、笑っちゃうくらいそればかり考えている時期もあると思う。ここではあまり詳しくは書かないけど、父さんの笑い話が聞きたければ今度話してあげるよ。

だけどまだまだ中高生は精神的に未熟だ。父さんもあの頃の自分を思い出すと「まだまだ子どもだったな」と思う。この時期は心がまだ子どもなのに体は大人になり、不安を感じやすい思春期特有の時期だと思う。君ももう感じているだろう。だからこそ焦りもあるよね。特に高校生、大学生になると余計に「周りの友達が恋人ができた」とか「もう経験した」とか、そういった話に敏感になるかもしれない。

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でも焦らなくていい。大切なのは、お互いの心を思いやることができることから始めることだ。君のパートナーにもそれを伝えてほしい。

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悲しいことに、性という大事なテーマ、生きる中で長く付き合っていかなければならない事柄なのに、学校や家庭ではほとんど教わらないよね。君の時代でもっと進んだオープンな性教育が行われていることを父さんは願うよ。それが人間が動物として生きる上で必要なことだから。

こういったことは恥ずかしくて話しにくいという風潮は日本にある。父さんも子どものころ、親と一緒に映画を見ていて性的なシーンが出ると気まずくなった思い出があるよ。でも本当はそういったことをきっかけに話ができたら良かったのかもしれないね。君と恥ずかしがらずに語り合っている未来があるといいな。

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さあ最後に、全体を見直しておこう。SEXという言葉は、君には少し照れくさく聞こえるかもしれないね。だけどそれはただ体の行為だけでなく、心の行為であることを覚えていてほしい。この話が君のこれからに活きてくるといいなと父さんは思う。

16/16 性教育 図解

もう一度言うけど、父さんの子どものころにはこれまで話したような内容は全く伝えられなかった。だから君も、パートナーとなる人も、正しい知識を身につけてほしい。最後に1つ話をしておこう。

君が生まれるまでに、父さんと母さんは長く子どもを授かれずに悩んだ時期があった。なかなか授からないことでお互いの心を疲弊させていたと思う。もっと母さんのことを気遣ってあげるべきだった。とても反省しているんだ。

だけど今思うのは、もっと君の母さんとちゃんと話をしておくべきだった、ということだ。だから君にはもっとちゃんと性について知って、特にパートナーとなる人と語り合ってほしいと思う。

この続きを、いつかカフェででもゆっくり話せたらうれしいな。
ここまで読んでくれてありがとうね。

父より

参考にした本

3万人の大学生が学んだ 恋愛で一番大切な“性”のはなし、村瀬 幸浩 (著)、KADOKAWA

娘へ綴った図解


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