現代的悟り|逃げることも、自分を守る選択
[1] PROLOGUE|導入
テーマ概要
現代社会は、たくさんのモノにあふれています。
生きるだけであれば、十分に満たされているはずの時代です。
それでも私たちは、どこか満たされない感覚を抱えています。
日本の幸福度が高くないことにも、その一面が表れているのかもしれません。
「幸せに生きる」ということは、
いつの時代でも簡単なことではないのでしょう。
2000年前のローマ時代に書かれた手紙にも、
現代と変わらない悩みが綴られています。
時代が変わっても、
人が向き合う課題は、大きくは変わらないのかもしれません。
モノではなく、
心をどう満たすか。
それが、ずっと続いている問いです。
だからこそ、これから先も、
人は同じような悩みを抱え続けるのでしょう。
2000年前に残された言葉の中に、
今の私たちにも通じるヒントがあります。
その視点を手がかりに、
自分なりの「心の安定」を考えていきましょう。
参考資料
人生の短さについて 他2篇の中の編「心の安定について」、セネカ、岩波文庫
[2] CORE|本編
図の解説 - 紙芝居形式
図解ツールをパーツごとに分解し、詳しく解釈しながら説明していきましょう。
テーマ説明:全6枚

自分の仕事に打ち込み、
自分に許された場所で、義務を果たしていくこと。
仕事を選ぶときは、
体力や性格、能力など、
自分の適性をよく見つめてみてください。
どんな仕事でも、
自分の中に目的がなければ、無益になってしまいます。
運命に振り回されず、
逆境でも動じないこと。
そして、計画に固執しすぎず、
心を柔らかく保つこと。
自分を信じて、
自分に属するものを大切にする。
自分に関係のないものからは、少し距離をとり、
自分の時間を、自分に使っていきましょう。

自分を取り繕うのではなく、
率直に生きることを心がけてみてください。
無理に良く見せるより、
率直であることのほうが大切です。
一緒に過ごす人も、
よく選ぶ必要があります。
その人は、あなたの時間を預けるに値する人でしょうか。
あなたが差し出している時間に、気づいてくれる人でしょうか。
できるだけ、欲の少ない人。
誠実で、穏やかな人。
そして、人の欠点に出会ったときも、
嘆きすぎなくて大丈夫です。
ときには笑って受け止め、
ときには静かに受け入れていきましょう。

自分の置かれた境遇に、不満ばかりを向けないこと。
そして、その状況に少しずつ慣れていくことも、
心を安定させる助けになります。
財産も同じです。
多くを持つより、少なくても満ち足りること。
持たないほうが、
失う苦しみは小さくなります。
どんな出来事が起こるかは分かりません。
だからこそ、静かに備えておくことが大切です。

状況が悪くなったときは、
無理にしがみつかなくても大丈夫です。
自分から離れるという選択もあります。
仕事の中には、
際限なく続くものや、
気づかないうちに時間を奪っていくものもあります。
だからこそ、
自分の力で抱えきれないものは避けること。
そして、心が疲れてしまったときは、
しっかりと休み、気晴らしをして、
自分の活力を取り戻していきましょう。

もし、ただ時間をやり過ごすように生きていると感じるなら、
少し立ち止まってみてください。
閑暇の時間をつくり、
学びのために使うこともできます。
その時間は、
きっと自分の中に積み重なっていきます。
思考回路 - 図解全体像

このように、現代の社会の中で生きる私たちは、
さまざまなものに引っ張られながら生きています。
だからこそ、
自分と周りとの距離を見つめ直し、
バランスをとっていくことが大切です。
その積み重ねが、
自分の人生を、少しずつ豊かにしてくれるのだと思います。
[3] INSIGHT|考察
図解をまとめての感想
今回の学びで、いちばん心に残ったこと。
それは、人生には「逃げてもいいときがある」ということでした。
ただし、それはただの逃避ではありません。
自分の大切な時間を、無下に消費しないこと。
次に進むために、立ち止まり、
自分と向き合う時間を持つこと。
その時間の中で、
自分を整え、力を蓄えていくことが大切なのだと思います。
そして、いざというときに「逃げる」という選択を持ち続けるためには、
欲にとらわれすぎず、
柔軟に生きる土台を、自分の中に育てておく必要があるのかもしれません。
がんばるとき。
踏みとどまるとき。
少し力を抜くとき。
そして、離れるとき。
その見極めとバランスを、
これからも探り続けていきたいと思います。
新世紀エヴァンゲリオンでは、主人公が
「逃げちゃだめだ」×3
と繰り返す場面が有名です。
14歳という年齢だからこそ、
目の前の現実に向き合い続けることが、成長につながる。
そんなメッセージがあったのだと思います。
私自身も、放映当時は同じくらいの年齢だったこともあり、
その言葉が強く印象に残っています。
けれど、30代、40代と年齢を重ねた今は、
少し違う見方もできるようになりました。
自分の状況や、周りの状況を、
一歩引いて見つめること。
それもまた、
現代における「悟り」のひとつなのかもしれません。
「逃げちゃだめだ」×3
でも
「自分を大切にするため、今は逃げるときかもしれない」
と受け止める。
そんなふうに、少し肩の力を抜いて、
生きていきたい。
そう思わせてくれる一冊でした。
[4] NAVIGATION|関連情報
過去の図解
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