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会議マニュアル|いい会議を改めて考える

人の思考プロセスを、本質的な「思考回路」として視覚的に構造化する。
Systems Visualismでは、個人の内省を助け、他者との対話・共有・創造を促進するための図解を体系化しています。
本棚のように、多様な図を揃え、あなたの考える力を広げるツールを紹介します。


[1] PROLOGUE|導入

テーマ概要

以前の図解「やりがい搾取」でも触れたように、世の中には「無価値な仕事」があふれています。その中でも「無駄な会議」という存在は、誰しも一度は思い当たるのではないでしょうか。

社会人として日々仕事に携わる中で、会議に呼ばれない日はない──これを読んでいるあなたも、きっとそう実感していることでしょう。著書ではラフな試算として、人は人生の中で3万時間、丸8年分もの時間を会議に費やしているとされています。人によっては、その何倍もの時間を消費しているかもしれません。

会議とは、「人が集まって会話する場」ですが、これを要素分解すると、次の図のように分類できます。

会議の分類

「定例会でただ内容確認するだけなんて、もうやめてほしい」「この会議、何のために議論してるの?」「自分、論点に関係ないのに呼ばれてる……」「もう1時間経ったのに、まだ終わらないの?」
そんな不満を日々抱えている人も多いはずです。

世の中には、会議やファシリテーションに関する書籍が山ほどあります。「背景や目的を明確にしてから議論しましょう」「会議を終えるときは、議事をしっかりとりましょう」といった、一般的なノウハウが並んでいます。

しかし、同僚と「会議ではこういうことを意識するべきだ」と話し合ったり、後輩に「こういう点に注意しなさい」と指導する場面でも、会議に対するイメージや期待が人によってバラバラで、うまく共有できないことがあるのではないでしょうか。

そこで今回は、書籍内の知識に私の考えもエッセンスとして加え、そうした場面で活用できる「会議の設計図」を作成しました。会議のお作法やファシリテーションの技法は他に譲るとして、「会議=仕事を進めるための会話」だと捉えたとき、主催者・参加者の双方が「よい会議とはこういうものだよね」と意識をすり合わせるための“地図”として、活用いただけるとうれしいです。

参考資料

世界で一番やさしい 会議の教科書、榊巻亮、日経BP社

[2] CORE|本編

思考回路 - 図解ツール

こちらが図解ツール全体像です。
情報量が多いため、次章の解説を参考にしながら、じっくりと読み進めていただくことをおすすめします。

会議の設計図 図解

図の解説 - 紙芝居形式

図解ツールをパーツごとに分解し、詳しく解釈しながら説明していきます。
テーマ説明:全11枚


会議。一言で言えば、人を集めて論点に対して意見を出し合う場、そう表現されるかもしれません。けれども、会議を開催する立場にある人には、それ以上に広い視点が求められます。

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会議では、多くの場合、何らかの「問題」について議論します。ただし、その「問題」がどのような目標に関わっているのか、現状がどうなっているのかといった位置づけを定義できなければ、会議の背景が曖昧なままとなってしまいます。

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問題を解決するには、その構造を深掘りする必要があります。現状を調べる中で、さまざまな情報やデータから「事実(Fact)」が見えてきます。そこから仮説を立て、仮説を支える「論拠」や「根拠」との関係性を構築していきます。たとえ根拠が不十分であっても、自ら仮定を置いたり、過去の経験から推測したりすることが必要になります。

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仮説が定義されると、目標を達成するために必要な「実施課題」が明確になります。課題からはタスクが浮かび上がり、それらを完了させていくことで、最終的に我々の目標は達成されるのです。

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このような全体像を把握できていないと、会議では「何を議論するのか」がかみ合わなくなってしまいます。だからこそ、主催者は事前準備を入念に行うべきです。現在、どの論点の階層が曖昧で、どこを議論すべきなのか──そうした論点は、事前の情報収集と整理によって明確にする必要があります。会議の場で新たに情報を収集したり、本来一人でできる整理を複数人で行ったりするのは、非効率なのです。

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こうしてようやく、今どこまで整理できていて、何がまだ不明なのかが見えてきます。それにより、「会議を終えるときに、どのような論点や組織内の認識状態になっていればよいのか」といった、会議の目的を定義できるようになります。

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論点の階層や終了条件が明確になると、会議のプロセスを設計できます。議論する論点の範囲や順番、論点ごとに誰を招くべきか、どの論点はアイデアを広げる場とするのか──そうした要素を計画できるのです。

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いよいよ会議が始まります。ただし、その前に必ず共有すべきことがあります。それは「終了条件」と「論点の順番に基づく時間配分」です。これがなければ、何のためにどれくらい時間をかけるのかという認識がバラバラなまま、話し合いが始まってしまいます。

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会議とは、「人の時間を奪っている」という意識を持たねばなりません。人にとって時間は何よりも大切な資源です。その時間をわざわざ自分のために使ってもらっているという意識を忘れずに、論点の順番を意識しながら、時に前後しつつも、各出席者が具体的かつ建設的な意見を出して論点を深めていく──それが、良い会議の姿です。

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もちろん、会議は時間内に終えるべきですし、終了時には「会議を実施した価値=アウトプット」がなければなりません。「誰が、何を、いつまでに実行するか」。これを明確にし、出席者全員で合意して解散する──それが基本です。

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以上のように、会議とは、ただ人が集まるだけの場ではありません。多くの要因を意識できるかどうかで、会議が効率的で有意義なものになるかが決まります。この全体構造を意識できる人が少ないからこそ、世の中には「無駄な会議」が日々生まれてしまっているのでしょう。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。

図解ツールを手元に置いて解釈を深めたり、
「有意義な会議」について周りの仲間と議論する際の、「論点の地図」として活用してください。

[3] INSIGHT|考察

図解をまとめての感想

テーマ概要でも触れたように、私も日々、何度も会議に参加しています。自分が主催することもあります。そして、主催者や参加者によって、会議の質に雲泥の差がある――それを感じない日はないくらいです。

「いい会議をする人」とは、論理的思考力やファシリテーション力といったスキルだけでなく、人へのやさしさや配慮ができる人ではないか。私はそう感じています。

無造作に人を呼んで、だらだらと会議を続ける人。勝手な想像かもしれませんが、「仕事なんだから、みんなに集まってもらうのは当然の権利だ」と、無意識に思っているのではないか、と考えることもあります。

人の時間を奪うことは、ある意味「罪」である――それくらいの意識を持てる人が組織の中に増えてくると、きっと組織は活性化されるのではないでしょうか。

今、AIの活用がどんどん進んでいます。会議中のメモや議事録は、AIに文字起こしや要約をしてもらえるようになりました。そういった部分に関してはかつてハウツー本で語られていたような「会議の技法」は、すでに一部では陳腐化しつつあります。ファシリテーションでさえ、いずれはAIに任せられる日が来るでしょう。

だからこそ、「その会議をどう設計するか」を考えられる人間の価値は、これからますます際立ってくる気がしています。

身近に「この人の会議いまいちだな」「この人にもっと会議について考えてほしい」そんな方はそっと、このnote記事をおすすめしてもいいかもしれません。

さあ、今日も会議に挑もうかな。

[4] NAVIGATION|関連情報

過去の図解

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