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権力と悪人|なぜ優しい人は上に立てないのか

[1] PROLOGUE|導入


テーマ概要

私たちは社会に目を向けると、ふと感じることがあります。
なぜ政治家は堕落していくのだろうか。
なぜ企業では、ずる賢い人が上に立っていくように見えるのか。

それは私たちの思い込みなのでしょうか。
それとも、人間社会にある種の構造として、避けがたいものなのでしょうか。

誰かを批判する前に、その背景にある仕組みを少しだけ立ち止まって見てみる。
そうすることで、見え方が変わるかもしれません。
そして、構造を知ることが、社会をより良くするための一歩になる。

そんな視点から、このテーマを一緒に見ていきます。

参考資料

なぜ悪人が上にたつのか 人間社会の不都合な権力構造、ブライアン・クラース、東洋経済新報社

[2] CORE|本編

図の解説 - 紙芝居形式

図解ツールをパーツごとに分解し、詳しく解釈しながら説明していきましょう。
テーマ説明:全6枚


1/6

人は誰しも、少しずつ闇の部分を持っています。
それは「ダークトライアド」と呼ばれる性質です。

マキャベリズム:

目的のために手段を選ばず、人を操作しようとする傾向。

ナルシシズム:

自分を特別だと思い、強い承認を求める傾向。

サイコパシー:

衝動的で、攻撃的、他人への共感が弱い傾向。

実はこれらは、完全に悪いものとは言い切れません。
例えば外科手術で他人の体にメスを入れるときには、ただ優しさだけでは行えません。
極端な状況では、人が決断したり行動したりするために、必要になることもあります。
ただし、この性質が強くなりすぎたとき、人はより狡猾に、そして冷酷になっていきます。


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こうした性質を持つ人は、権力を強く求める傾向があります。
しかも、自分をよく見せることにも長けています。
その結果、権力を手にしやすくなります。

一方で、本来リーダーに向いているような、穏やかで理性的な人ほど、
権力から距離を取ることも少なくありません。

さらに私たちは、「誰がリーダーにふさわしいか」を、正しく見抜けないことがあります。
昔からの感覚に引っ張られて、堂々としている人や自信に満ちた人を、現代でも背が高く堂々とした男性を、つい「リーダーらしい」と感じてしまうのです。


3/6

では、権力を手にしたあと、人はどうなるのでしょうか。
まず、立場上「必要悪」を引き受ける場面が増えます。
リストラのように誰かを切り捨てる判断や、厳しい決断を下さなければならないこともあります。

ただ、それだけではありません。
権力を手にした経験は、「自分は正しい」という感覚を強め、
リスクを軽く見てしまうことがあります。
そして、もともと善良だった人であっても、
環境や制度の影響の中で、少しずつ行動が変わっていくことがあります。
こうして、人は徐々に腐敗していきます。


4/6

腐敗が進むと、人はその立場を手放したくなくなります。
やがて制度やルールさえも、自分に都合よく変えようとし、
権力を維持する方向に動き続けます。


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さらに変化は、心の中でも起こります。
その腐敗によって自らのエゴが増大する。

また他人を「一人の人」として感じにくくなっていきます。
たとえば、身近にいる誰かのことは大切に思えるのに、
遠くの集団になると「彼らはこういう人たちだ」と、ひとくくりにしてしまうことがあります。
関係が遠くなるほど、そして実際に接する機会が少なくなるほど、
心理的な距離は広がります。

その結果、共感が弱まり、相手をただの対象として扱いやすくなってしまうのです。


思考回路 - 図解全体像

6/6 なぜ悪人が上にたつのか 図解

そして人は、権力を「求め」、
「手に入れ」、
その中で変化し、
やがて「維持しようとする」流れをたどります。

その積み重ねの中で、私たちはこう感じるようになります。

なぜ、上に立つ人は、悪く見えてしまうのだろうか。

それは特定の誰かの問題というよりも、
こうした構造の中で、そう見えてしまうのかもしれません。

[3] INSIGHT|考察

図解をまとめての感想

「人類の英知」とは、一体何を指しているのでしょうか。

科学技術、政治制度、社会保障、人文知や哲学。
さまざまな知恵が、この数千年のあいだに積み重ねられてきました。
その上に、いまの私たちの暮らしがあります。

けれど、グローバル化されたこの社会では、
海の向こうにいる権力者の一つの判断が、
遠く離れた私たちの日常にも影響を与えてしまいます。

この時代だからこそ、あらためて考える機会を持っています。
私たちは、どんな人をリーダーとして選ぶのか。
そして、権力が暴走しないようにするために、何ができるのか。

大きな問いの前で、無力さを感じてしまうこともあります。
それでも、ただ嘆くだけで終わらせたくはないとも思うのです。
未来を生きる子どもたちに、少しでも良い社会を手渡すために。
自分にできることを考え、選び、行動する。

その小さな積み重ねが、ほんの少しでも未来を変えていくのかもしれません。

[4] NAVIGATION|関連情報

過去の図解


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