【空き家をめぐる記録 #15】170万円という金額|Episode1-3
170万円という金額
第一回目で売り出し中と判明し、価格も不動産屋さんでは見たことのない安さだった。
地積四〇〇平方メートル、床面積一八〇平方メートルの物件が百七十万円。
初めて競売物件を知り、興奮した。
周辺環境も土地の大きさも家の大きさも理想に沿っていた。
裏は竹藪が広がっていたけれど日当たりは良く、道路が南側で東隣は藪で隣家がない。西側は歯科で駐車場があり隣家は離れている、のんびりとした環境だった。
父に伝えると、
「金がないと無理」
そんな当たり前のことを言う。
お金があればこんな苦労はしないのに、何のために必死で探しているのか。
やる気を削がれる。
どうするのかを言わないから困る。母とは「こうしよう、こうしていこう」と前向きに話し合えるのに。
初めての競売物件。
何からどうすればいいかわからず、
近所の東方位にあった不動産屋さんへ電話で、「競売物件の代行はしていませんか」と断られるのを覚悟で問い合わせてみた。
「やっていませんね」
やっぱり無理かと、
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