【空き家をめぐる記録 #24】それではトラブルになります|Episode10-2
それではトラブルになります
全く見当がつかなかった。帰宅してチャイムが鳴り、玄関先で母が家に入らず待っていた。
塩を渡すと体に振りかけ、父にも渡してからリビングに向かった。
(どうなった、どうなった)気がはやる。
母は体をさすりながら話してくれた。
内見中にものすごい鳥肌が立ち、気持ち悪さと不動産屋さんの対応への不信感で落胆したという。
仏壇の中身が放置され、位牌がそのまま置かれていたと聞いてぎょっとした。登記を調べたときは、名義変更もされずに亡き前の持ち主のまま放置されている物件という印象だったけれど、まさかそこまでとは思っていなかった。
不動産屋さんの書類の内容があまりにも酷かった。初めから買わせる気がなかったとしか思えないやり方に憤りを感じた。
事前に母に「内金は絶対に払わずに帰ってきて」と話しておいて本当に良かった。
実は予約した時点で、買う意思があることを受付の方に詳しく話していた。
それがいけなかったのか、後日担当者から電話があり、予約時には言われていなかった「先客がいる」という話が出てきた。なぜ最初に言わなかったのかと思いつつ、こちらも余計なことを言ってしまい、
「それではトラブルになります」
とムッとした物言いをされた。こちらが謝らざるを得ない状況になり、慎重になっていた。
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