【空き家をめぐる記録 #23】空っぽになった家|Episode9-2
空っぽになった家
「○○さん」
と途切れなく話し始め、遮ることができなかった。
別の方と間違えているようだった。どうしようかと思っていると、向こうが気づいたのか気まずくなりかけたところを、咄嗟にこちらが話に合わせながら上手く会話を繋げた。
間違いはそのまま流れ、状況を教えてもらい再度日時を決めてもらうことになった。
きっと他にも申し込みがあったのかと先を越されないか余計な心配が募った。
内見当日、予想とは異なる光景が待っていた。部屋には古びた家具どころか、襖や畳、扉まで全て処分されていた。
空っぽになった家の中は床がところどころ抜け落ち、戸も傷んでいた。扉や障子戸は欲しかったなと思ったけれど仕方がない。
山や田んぼも残されていて、できれば見てほしいと伝えられていた。山まで付いてくるとは魅力的だった。手入れはとても無理そうだけれど、協力し合える家族がいれば飛び上がるほど楽しそうだと思った。山に囲まれ人目を気にせず暮らせるのも良かった。
秋の頃、年内には売買を済ませて引っ越したいと思っていた。
空き家バンクには仲介方法が詳しく載っておらず、なかなか契約の話が進まないままやきもきしていた。
思い切って仲介方法を聞くと
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