「夫が絶賛したレシピ」にモヤモヤするという話を読んで思ったこと
小学生の作文みたいなタイトルになってしまったけど、先日、長谷川あかりさんの優しい文章を読んで思ったことを書きました。
全部は読んでもらえなさそうな超長文になってしまったんで、大枠の流れと、結局何が言いたいねんというのを先に書きますね。
・モヤモヤを感じる理由はざっくり3つある
①大袈裟なバズ構文を見飽きた
②アンタの夫の好みは知らんがな
③男女の役割の話
(+④自分はそのカテゴリーに属してない)
・自分のためでも、誰かのためでも、人それぞれでいい
・ネットの文言は敏感になり過ぎないほうがラク
・とはいえ家庭料理の軌道修正も必要
【結論】
・「夫が絶賛!」を見ても誰もモヤモヤしなくなるぐらい、みんなが自分のやりたいようにやれる世の中になったらいいなぁ
・あかりさん尊敬(SHIORIさんも尊敬)
みたいなことです!
「夫が絶賛」にモヤモヤする理由
ここがそもそも人それぞれ違うなと思って。ごっちゃに語ると少しややこしいので分けます。まず一番ライトなモヤモヤが
①バズ構文へのモヤモヤ
単純に、大袈裟やわ~とか、もうその文言見飽きたわ!てやつです。少し前なら「食ってみな飛ぶぞ」とかもやけど、 「抱えて食べた」「本当は教えたくない!」「まだ〇〇してるの?」「オクラは全部これにして!」みたいな、同じような文言ばっかり出てきてちょっと食傷気味になってしまう。自分が考えたんじゃなくて、誰かの真似、テンプレなのも含めてなんかモヤモヤしてしまう。
個人的に、これはちょっとわかります(笑) 別に目くじら立てるほどでもない「またこれかい!」ぐらいの気持ちやけど。
別件で、そもそも「絶賛」が苦手、「ぱくぱく」が下品、食いつくし系っぽいみたいな、文言そのものに嫌悪感を感じる方もいますが、人数的にはそこまで多くないかなと思って外してます。
②自分には価値のない第三者評価へのモヤモヤ
めちゃめちゃ失礼な書き方してしまったけど(笑)、要は、他人の夫の好みは知らんがな!って意味でのモヤモヤです。仲良し夫婦に対してハイハイごちそうさまです!ていう嫉妬も多少入ってるかもしれんけど(この「ごちそうさまです」とか今の子わかるんかな…)、好みがわからん赤の他人の舌に絶賛されたとて興味がない。夫が一流シェフですとかやったらわかるけど。
ショップ店員さんの「私もこれ持ってます」と同じ類のものかなと。(私はそれ言われるとホイホイ買ってしまうタイプですが笑 全信頼を置いてる)
第三者評価には主体性がないように感じるというモヤモヤも含まれます。人が気に入るものじゃなく、自分が気に入るものを紹介してくれよ!とか、自分の料理の味の評価は自分でしてほしい、自分主体で発信したらいいのに!という、人に責任転嫁しているように感じるのもある。
これに関しては、自分がおいしいと感じるレシピを出してるのは当たり前やから客観的評価が入ってたほうが伝わりやすいと感じる人もいるし、一般受けする味なんかなとか、それが男性なら、ちょっと濃い味かな?と判断材料にできて助かると肯定的に捉える人ももちろんいます。
ちなみに私が「夫が絶賛」を使わんのは、社会がどうとかじゃなく、夫の評価を全然アテにしてないというだけです(笑) 夫は「うん、美味しい」が最高峰ぐらいの褒め方やから、そもそも絶賛せーへんし。絶賛せえよな。書きたくなるほどに絶賛してくれよ。
③男女の役割へのモヤモヤ
これがあかりさんが長文で丁寧に紐解かれていた、根が深い部分。昭和の良妻賢母思想というか、女性は自分が望むものじゃなくて、家族が望むものを作るのが当たり前みたいな圧力を無意識に感じるモヤモヤです。
「友達が絶賛!」やったら何も思わんけど「夫が絶賛!」やとなんかモヤモヤする…という人はこれに当たると思う。作らされてる感。作っている本人じゃなく、食べるだけの夫が喜ぶものを良しとしているところに、言い方アレやけど飯炊き女、大袈裟に言うとちょっと奴隷的に感じてしまうところがあるっていう。
あ、最後に、そもそも独身やったり夫がいないとかで④自分がそのカテゴリーに属してないモヤモヤもあるわ。これはモヤモヤというよりは、自分と関係なさそうな料理に感じるからスルーする(それが自分の好きな料理家さんやったらちょっと寂しい)みたいな話かなと思います。
てことでモヤモヤの詳細は以上です。前置きやのに長すぎる!!『なんか気に入らない、で伝わります』ってやつやわ(笑)
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以上のモヤモヤを踏まえて、自分の話を。
15年前「syunkonカフェごはん」という1冊目の本を出した時、料理に絡みつく謎の重みや価値やしがらみ(良妻賢母、愛情、栄養バランス、子どものために…などの素敵なエピソード、同じラインで丁寧な暮らしやご自愛までも私は含んでたんですが)を排除したレシピ本を作りたかったんです。
当時は今より手間ヒマ愛情が強めな世の中やったけど、別にそんな世界にメスを入れようみたいなことは全然考えてなくて
「自分には恥ずい」
というただただ個人的な理由です(笑)なんにも悪いことじゃないけど自分はなんか照れる、向いてないというだけ。重度に拗らせた照れ屋。
そういう本はもういっぱいあるし、私は料理の味とか作りやすさの方に特化して、軽い、ふざけたゆるいレシピ本を作ろうと。
子どももいなかったし基本的に1人飯を紹介してたのもあるけど、「家庭料理」すらも背負いたくなくて(というか当時は自分よりよっぽど料理上手のベテラン主婦の方が読者層の大半を占めてたんで、新米の私が家庭料理に言及できる立場でも無かった)、レシピブログのカテゴリーも当時はあえて「ひとり暮らし」部門に属してました。
「料理は仕事でやってます!」って強めに言ってたのもそれで。「お母さんの味」みたいな温かい雰囲気が昔から妙にこそばゆくて苦手やったんです。人が言ってるのはなんも思わんのに、大阪人の性やったりするんですかね?笑
でもだんだん、愛情にしても褒められにしても、夫が喜ぶ、胃袋を掴む、昔のカリスマ主婦にしても、いちいち引っかかるほどみんな自分みたいに重く感じてないんでは??と思うようになって。
単なる枕詞で、キャッチーやし、普通に喜ばしいことやし、モヤモヤする時点で縛られてるのは自分のほうかも、変に意識することで逆にその言葉の持つ意味を重くしてるやんと思ってから、気にならなくなってきました。いや、気にはなってるか(笑)でも流すことが増えました。
子どものために作ったモノに対して、子どもの反応を全く書かんのも違う気がするし、別にありのままでええか〜と。子どもがいない人にも作ってほしいから、あえて書かないこともあるけど。
自分のためでも、誰かのためでも、自分は失敗作を食べる健気な彼女でも、なんなら昭和の良妻賢母でも。
本人が楽しんでやってるなら勝手に被害者にする必要はないし、もしモヤモヤしたとしても、やめてほしいと本人に伝える必要はない。ただの事実さえも無邪気に書けなくなったら、むしろ窮屈な世界になってしまいそうやん。それってアップデートなんかなって。(あかりさんの場合は本人が信念持ってるから全然いいねんけど)
料理に絡めて自分を大切にするみたいなのも、昔の自分は重たかったけど、あかりさんは軽やかな気持ちやからこそ書いてると思うし、私も今は「ご自愛最高!!」て思ってるし。「夫に絶賛」と書いてる人も、「こうあるべき」に縛られてないからこそ書いてるんやと思う。(ていうかまずそんな深く考えてない。単に目に留まりそうな文言やから書いてるだけで、なんなら絶賛すらされてないかもしれん笑)
エッセイ本「おしゃべりな人見知り」でも同じこと書いたんですけど、特にネットで書かれてる言葉って、悪いフィルターを通してみるとなんぼでも悪い方向に捉えられるんですよ。「男の子だからたくましく育って欲しいな~」程度の微笑ましいただの呟きでも「ジェンダーの押し付けですか!?」ってなったり。
言ってることは正しくても、言葉の1つ1つに敏感になりすぎると言葉狩りのようでお互いちょっとしんどくなってしまう。だから、そういう意図ではないんだろうなという善フィルターをある程度通して受け取るようにするのが、自分も相手も傷つかない対処法やと思います。
あと、それが正しいかとか本人が望んでるかは別として、そうせざるをえない、環境を変えられない人にとっては、状況を肯定的に捉えて、夫や子供が好んで食べるレシピを楽しく探して解決していくほうが楽になる場合もあるやん。それにNOを言うてしまうと、理想と現状とのギャップに余計しんどくなってしまうしな…
とはいえ、ここからも大事で、目の前の問題解決のためにそんな文言ばっかり並んだら現状はいつまでも変わらんし、あかりさんが仰るように無意識な圧力として届いてしまうかもしれない。物事には段階があるから、多少のしんどさや本質とのズレを受け入れてでも形から変えていくことで少しずつ全体的な意識が変わっていくのもある。だからこういう違和感やモヤモヤを、あかりさんや色んな方が公に語ってくれることで、もっと大きい視点で長期的に、家庭料理に対するスタンスが問われたり軌道修正されるのはすごく良いことだと思います。
私は社会とか女性とかの話をSNSで語るのは極力避けたいと思ってしまうから(しんどいし、意図しない届き方をするし、そもそも色々拗らせてる)、ちゃんと向き合って、自分の言葉で話す誠実なあかりさんを素直に尊敬します。
あかりさんの言葉に共感した人、救われる人がたくさんいるのがその答えやと思う。全方位に配慮されてるしな……まさに時代を作る方。
自分のため、誰かのため…他人の文言にモヤモヤせんぐらい、みんなが心から自分のやりたいようにできる世の中になったらいいなーと思う。
以上、ここまで離脱せずに読んでくださってる心優しい方、本当にありがとうございます。
といいつつ最後に余談
今、主婦向けじゃない料理本が当たり前にあって若い子も料理をするようになったり、ファッション雑誌にも料理ページが入ってるのは「作ってあげたい彼ごはん」のSHIORIさんが作った道でもあるんですよね。
当時からむしろ誰よりも媚びない、時代の流れのその先を常に読んで進化してくめちゃカッコいい方なので、ずっと尊敬してます。
作ってあげたいのも、ごちそうさまが聞きたいのも、褒められたいのも主語は自分やし、みんなカッコいいんですわ。
最後まで読んでくださって本当にありがとうございました!!
なっが。明日の朝には恥ずかしくて消す文章や
※追記 朝見たけど大丈夫、置いておきます笑
