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【短編小説】 空を見上げて 星を数えて

「コンビニで働く男の子ゆきちゃんの恋愛編 6」

いつにも増してコンビニの店内を走り回り仕事をしている男の子。
ゆきちゃんだ。
早く仕事を終わらせてお寺に向かいたいらしい。
今日からゆきちゃんのお寺ライフが始まる。
ゆきちやんは夜勤だったので仕事を終えて着替えたら
そのままお寺に直行するらしい。

ご住職から紺色の作務衣を頂いていた。
それに着替えた姿を携帯に送って来た。
ゆきちゃんは身長が160㎝位で痩せているので
とても似合って居てとても可愛らしい。
満面の笑みだ。

お寺までは二十分位で着く。
ゆきちゃんは十五分で着いたらしい。

お寺に着くとご住職が待ち構えて居た。
ゆきちゃんは丁寧に挨拶をした。
「よろしくお願いします」
ご住職も丁寧に挨拶をした。
ゆきちゃんにはご住職の「男の子が大好きの件」はまだ話していない。
ご住職にはゆきちゃんの事は話しているが
ご住職は男の子を取って食う訳では無くただ傍にたくさんの男の子を
置いていたいだけのおじさんだったので 多分!
お遍路から拉致されたお弟子さんたちは知っているのかはわからないが。

今日は最初にお寺の見学をする事になった。
このお寺は本堂と護摩堂が離れていた。
それに観音堂も別に建てられていた。
本堂の大日如来。
護摩堂の不動明王。
観音堂の千手観音。
どれも大きくてゆきちゃんは見とれて居た。
それともう一ヶ所滝場が作られていたので見学した。
大きな岩の上から水が流れていた。
本物の滝とは違い迫力には欠けていたが
ゆきちゃんは滝行もあるんだ~とかなり驚いて早くやってみたそうな顔だ。
まだどんなものかわからないのだろう。

見学が終わるとお弟子さんを紹介されて
その中にこの前お茶を運んで来てくれた男の子が居た。
名前は優という名前らしい。
かなりのイケメンだ。
コンビニのイケメン大好きおばさんが見たら大変な事になりそうな!

大学を卒業して有名企業に入社したのだが人間関係に悩み
鬱病になったらしい。
そして仕事を辞めて小豆島お遍路に出かけて居た所を
ご住職に声をかけられて今お寺に居るらしい。
今度得度式を行うらしかった。

とりあえずゆきちゃんは今日の護摩行に参加する事になった。
護摩行には私も参加する事になった。
法衣には着替えずゆきちゃんの横に座っていた。

ほら貝を合図にお弟子さん達のお経が始まり太鼓が鳴り
護摩壇の炎が段々大きくなってきた。
その迫力にゆきちゃんは驚いていた。
ゆきちゃんにはとりあえずお経本を見て唱えてもらう事にした。
そのうちにお経も詠める様になるだろう。

そして不動真言が長い間唱えられる。
ゆきちゃんの失恋の痛みも炎に焼き尽くされる事だろう。

ゆきちゃんも初めての護摩行に感動していた。
お弟子さん達も顔が炎で真っ赤になっている。

護摩行に来ていた信者さんにうどんと俵おにぎりが準備されていて
それをお客様に出すのをゆきちゃんもお手伝いした。

ゆきちゃんは接客上手なので信者さんにすぐに気に入られた。

信者さんが帰られて片付けは優君とゆきちゃんに任された。
ゆきちゃんは少し照れた様子で優君に挨拶をした。
「よろしくお願いいたします。」いつになくしおらしい。
優君は軽く頭を下げた。

ゆきちゃんはとりあえずお寺だし
最初は大人しくして置くことにしたらしい。

気に入った相手と仲良くなった時も誰かに怒ってる時と同じ
おねえ言葉のマシンガントークになるからだ。

ゆきちゃんは煩悩を捨てるために来ている事はすっかり忘れている。

優君は鬱病を患っていた為かあんまり話さない。
心の病気はそんなにすぐに治るものでもない。
深く深く沈んだものをゆっくり溶かして行かなくてはいけない。
それにはかなりの時間がかかる事だろう。

とりあえず護摩壇の片付けをしたら今日は終了だ。
法具を磨いてるとゆきちゃんは大きなあくびをした。
夜勤明けだから仕方ない。
その内にうとうとして法具を落として慌てていた。
「きゃ~ ごめんなさい 私ったらどうしよう」
寝ぼけて居たのでお姉言葉になっている。
この様子に優君も思わず吹き出していた。

とりあえず今日1日のお寺ライフは終了した。
ご住職にあいさつをしてお寺の門に向かった。
住込みのお弟子さんたちが庭掃除をしていた。
そこに優君も居てゆきちゃんに頭を下げていたその顔は
少し微笑んでいた。



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