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香港と記憶の話──映画『ゴールドフィンガー』を観て

トニー・レオンとアンディ・ラウの共演と聞いて『ゴールドフィンガー』を観た。80年代香港の熱狂と金融詐欺、そして返還前後の変化。映画を観ながら、学生時代の友人が語っていた返還前の香港、ウォン・カーウァイ映画に憧れた90年代、2016年に歩いた香港の街並みを思い出した。そしてふと『また香港に行きたい』と思った。

『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』──映画を観ると記憶が騒ぎだす

トニー・レオンとアンディ・ラウの共演ということで観に行ったので、ほとんど情報を入れてませんでした。『インファナル・アフェア』みたいなドラマチックでスリリングなストーリーかと思いましたが、80年代を舞台としたリアリティを感じさせるドラマに仕上がっていました。

トニー・レオンの印象はカッコよさとコミカルを使い分けていて面白い人物、悪い人ほど魅力がある、そんな主人公を演じていました。悪いことをしてる自覚があるような、無いような。ただ、アンディ・ラウに「本気だったらとっくに死んでる」という冷徹な側面も見え隠れしました。面白さと冷徹さ、色々な側面を持ちながら株価を上げていく主人公たちに熱い展開を感じましたね。

対するアンディ・ラウは真面目でマジメ、家庭を犠牲にし、出世の立ち回りも不得手だけど誠実にトニー・レオンの悪事に取り組む警官という感じでした。一瞬、懐柔されそうになりますが。。。

返還前の香港の空気感と、詐欺のリアリティ

80年代香港な感じ、実際には行ったことないけど、イメージとして80年代ぽいな、と服などから感じ取れました。あとみんなよくタバコを吸う感じ。これも80年代だなぁ、と。

そして株式の売買、電話とホワイトボードでたくさんの人を使ってせわしない株の売買。あー昔っぽいな〜、だからデカくて雑な不正とかできちゃうんだな、と思いました。株の凄腕バイヤーをトニーの秘書使って色仕掛けで落とすあたりも、やけにリアル。

物語の後半から香港返還が立ち上がってきて、そこから大きく彼らのビジネスが傾いていく。その時世とアンディ・ラウの捜査が追いついていき、懐柔した人々たちが霧散していく流れ、まあなんとなく分かってはいたんですが、ライジングしていた人たちが自業自得な盛者必衰、そんな憐れみを感じました。

映画を観て思い出したこと

香港に旅行へ行った時のこと思い出した

余韻は、あーこれ実際あった話なんだろうな〜、というのが最初の感想。どの事件だろうか、と調べると、あの時代にあった色んな事件を組み合わせているらしい。アンディ・ラウとトニー・レオン、ラストシーンを見た時「あーコレが実年齢の姿なのかな」。老けたというより、劇中で若作りしてる。

学生時代に友人が返還前の香港に行ってめちゃハマって、何度か行ってた。ホントに楽しかったらしく「絶対行った方がいい」て何度もオススメされたこと、映画を観て思い出した。今が返還前だったら絶対行ったんだけどな。。。そんな友達の言葉がどこかにあって、昔から香港に行きたいと思ってたんですよね。そして90年代はウォン・カーウァイ映画が流行った時代。それも観ていたので憧れが募っていました。

そして、2016年の年末にめちゃ忙しかったんだけど「ここがタイミング」と感じ、妻と香港に旅行へ行きました。ウォン・カーウァイ映画は返還前だったし、当時とは違うんだろうけど、あの雑多な街の感じ。nikeとかのスニーカーショップの横にワンタンを食べさせる昔ながらの小さな飲食店があったり、すごいビル群の夜景だったり。ひたすら歩いていた数日間だったんですが、香港の世界観・空気感・雰囲気、とっても楽しかった! 地下鉄に乗った際の駅が劇中にも出てきて、おお!となりました。

僕たちは2016年に香港へ行ったけど、それから香港はデモとか規制が起きて、さらに中国からコロナが広がって、かなり混乱したと思う。それ以降の香港は全く知らないので、映画の頃の香港と、私が旅した頃の香港、今の香港の違いにも興味がある。そういう時代と起きた出来事の大きさで街の雰囲気が変わっていく。それを感じるために、また香港行きたいな、と思いました。

映画を観ると、記憶が騒ぎ出す

私にとってゴールドフィンガーは「また香港に行きたい」と思わせる映画なのかもしれません。過去から記憶とそれ以降に起こる事件をイメージさせて、現代の香港を体感したいと思わせる。そんな魅力のある街なのかも。

映画を観ると、ふと忘れていた記憶が動き出すことがある。スクリーンの向こうに広がるのは物語のはずなのに、なぜか過去の自分の記憶と重なる瞬間がある。あの時の景色、あの時の感情、昔の旅先で見た光景、あるいはもっと些細な、言葉にしにくい何かがよみがえってくる。

観ると、記憶が騒ぎ出す。それが、私にとっての映画なのかもしれません。


今の香港も全く違うんだろうな、きっと

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