作品番号125番。ありがとう、2022年。
恒例の
年末恒例の第九。
N響。渋谷NHKホール。
僕にとって、クラッシックと言えば、幼少の頃から馴染みなのがN響で、
なので第九もやっぱりN響の演奏で聴かせて頂きます。
去年は池袋でした。NHKホールが改修中でしたから。
二年越しの煌びやかに飾られたNHKホール。
残念なのが、アルコールも軽食もなくなってしまったこと。
クリスマス、年の瀬、
それでも賑やかなロビー。
指揮はマエストロ井上道義。N響第九は、去年に続いての日本人指揮者。
イメージ通りにお若い。スマートでしゃんとしていて、まるで舞うように指揮をなさる。
告白すると、お恥ずかしながら、(親しみを込めて)井上先生の棒するオーケストラを生で耳にする機会を持たせていただいたのは、今回が初めてでした。
浅薄な自分は、メディアで接することの多いマエストロが、とてもフレンドリーなこともあり、そのお身体で表現なさる音楽もそのような、なんというか、「エモーショナルに偏った」演奏をなさるのだろうな、という、まるで無教養丸出しの偏見を抱いていたことを告白いたします。申し訳ありませんでした。
むしろ、いま綴るこの文字こそ「エモーショナルに偏っ」てしまわないように律さないといけないほどに感動的な師の指揮するベートーヴェンの交響曲第九番は、理に則り解像度を目一杯にあげた音音として我が耳と身体に染み入りました。
ブラボー。
いつもの(音楽会での)とおり、音場に心身が馴染んでいき、スコアが進んでいくにつれ、自らの音楽体験においてただならぬ事態が起き始めてることに気付きました。
最後の<<第9>>を指揮するつもりで
指揮をなさっているNHK交響楽団の奏でる音は多くのエネルギーを持って身体を刺激しました。それを自分は「言葉」として「理解」するとともに、まるで音楽というものの豊かな表現のできる、つまり、芸術であることの本質に触れて震えながら、「同時に」、それを言葉に置換しつつ、その感動的な体験を記憶として収めることの叶った、誠に希有な音楽体験は、クリスマスイブの本当に素晴らしい第九演奏会となりました。
すなわち、感動的であったのは、偉大な師・井上道義マエストロの男気でした。
その御覚悟が、眼前の楽団とソリストたちと合唱団の奏でる音楽にはっきりと聞き取れて、かつ、それが全く美しく、二度も涙してしまったのです。ああ。
演奏が終わり、客席に向かい直られた井上マエストロは、あの「テレビのマエストロ」でした。万雷の拍手。場の一体感。
"お客さん"という存在はないんですよ。音楽は一人ひとりが感じるものだから。誰がどう受け止めたかには興味があるけど、それがみんなバラバラなんだよ。70パーセントの人が拍手したらいいというものではない。
「全部をみせる」今年のベートーヴェン第九番は、お言葉の通りに、嘗て体験した事のない、はじめて触れることのできた素晴らしい演奏でありました。ありがとうございます、マエストロ。また、聴かせていただきい、何度でも、という演奏でした。
さようなら2022年、
そうして迎える2023年。
次の卯年は良い年になる予感しかありません。
