白髪
白髪を見つけると、
ついつい抜いてしまう。
抜くとハゲるとか言うやん?
でもな、
見つけてしもたら最後や。
そこに白髪が「おる」と分かった瞬間、もう心ここにあらず。
理性「やめとけ」
本能「抜け」
で、だいたい本能が勝つ。
でもやっぱりハゲたくない。
ここは大人の判断や。
よし、
根本から切ろう!
三面鏡のドレッサーに座り、
白髪を一本一本、根元で切る。
これがな、地味にむずい。
白髪だけを狙ってるつもりが、
気づいたらお隣の黒髪さんまで
一緒にいってまう。
「ごめんな…巻き添えや…」
心の中で謝りながら、
また次の白髪を探す。
そんなこんなで、
ぱっと見で見える白髪は切り終えた。
うん、スッキリ✨
若返った気がする。
気分は実年齢マイナス5歳や。
┈┈┈┈┈┈┈┈3か月後
以前切った白髪たちが、
一斉に伸びてきた。
短く、
硬く、
遠慮という概念を知らん長さ。
まるで
針山に待ち針が刺さってる状態。
後ろから光が当たると、
もうアカン!
神々しい✨
聖人か。
悟り開いた僧か。
いや、ただのオッサンや。
鏡を見るたびに思う。
これは白髪ちゃうな。
アンテナやな。
きっと、
「老い」という電波を
全方向から受信してる。
そして今日も、
三面鏡の前で
俺は静かにハサミを持つ。
この戦いに、終わりはない。

ええ、要りません。
