【コラム】マイホームの残クレが「当たり前」になるまで
〜何故、住宅も、車と同じ道を辿るのか〜
皆さま、こんにちは
前回に引き続き残クレの記事を記載します。
前回の記事
はじめに
前回の記事では、
車の残価設定ローンが、なぜトラブルを生みやすいのかを
制度の構造として整理しました。
実は、これとよく似た構造が、
すでに 住宅分野 にも広がりつつあります。
しかもこちらは、
より長期で、より逃げ場が少ない。
家に「残クレ」は存在しない?
多くの人は、こう思っています。
住宅ローンに残クレなんてない
車とは別物だ
しかし、名前が違うだけで、
考え方は非常によく似ています。
たとえば、
将来の住宅価値を「想定」して
当初の返済額を抑える
住み替え・売却を前提にする
最終的な精算は将来に委ねる
これは本質的に、
将来価値を先に使い、
リスクを後ろに送る設計
です。
なぜ今、「残価型住宅」が出てくるのか
これは一部の企業の独走ではありません。
背景には、はっきりした事情があります。
住宅価格の上昇
若年層の購買力低下
長期ローンでも買えない現実
「売れない」市場
従来のやり方では、
家が売れなくなってきた。
だから、
「買える形」に作り替える
必要が出てきました。
その答えが、
住宅の残クレ化 です。
車と完全に同じロジック
構造を並べると、驚くほど似ています。
当初負担を軽く見せる
将来の精算は曖昧
成功したケースを前面に出す
失敗は個別事象として扱う
つまり、
うまくいった未来を前提に設計し、
うまくいかなかった未来は語られにくい
これは、車の残クレで見た構図と同一です。
大手企業が採用すると、何が起きるか
大手ハウスメーカーが採用し、
公式に「新しい住まい方」として紹介すると、
危険そうに見えなくなる
特殊な制度に見えなくなる
「選択肢の一つ」に格上げされる
ここで、制度は一気に 正当化 されます。
大手がやっている
→ 変なものではない
→ 警戒心が下がる
この心理効果は非常に大きい。
政策文脈で後押しされる理由
さらにこの流れは、
政策の文脈とも結びつきます。
住宅取得を促進したい
経済を回したい
金融システムを維持したい
持ち家政策を続けたい
これらの目的は、
マクロでは合理的です。
しかしその結果、
将来リスクの管理は、
個人に委ねられる
という構図が生まれます。
一番危険なのは「お墨付き」
企業と政策が重なると、
制度はこう見え始めます。
国も業界も認めている
→ 安全そう
→ 自分が警戒しすぎなのかも
この段階で、
判断のブレーキが外れやすくなる。
これは善悪の話ではありません。
制度が社会的に正当化される過程
の話です。
住宅は、車よりも逃げられない
ここで、改めて現実を整理します。
期間は30〜35年
人生イベントと直撃する
売れない可能性が高い
売れても残債が残ることがある
車と違い、
手放しても終わらない
可能性があります。
だからこそ、
同じ構造でも、影響は桁違いです。
「理解して買えば大丈夫」では済まない
住宅についても、
自分は分かっている
計算している
と思いたくなります。
しかし、
病気
失業
離婚
介護
転勤
は、理解していても避けられません。
人生の変化に、制度が耐えられない
これが、家の残クレ構造の弱点です。
本質的な問題
ここまで見てきた通り、問題は
個人が愚か
判断が甘い
という話ではありません。
この形でないと、
回らなくなってしまった構造
が、静かに広がっていることです。
結論
家の残クレは、
危険な制度が突然現れた話ではない。
そうせざるを得なくなった社会構造の結果だ。
だからこそ、
必要なのは断罪ではなく、認識です。
車と同じ道を辿っている――
その事実を知るだけでも、
判断は変わります。
では
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