メガネ初恋|毎週ショートショートnote
専門学校の時、クラスで仲の良かった女子、いつもコンタクトレンズを付けている矢花さんがメガネをかけてきた。僕は何気なく「メガネ似合うね」と言うと、矢花さんは少し顔を曇らせたので、なんか変なこと言ったかな、と心配になった。
「富樫君は視力いくつ?」
「両方とも1.0」
「いいわね。私は小学生の頃からずっとメガネとコンタクト。レンズっていう障害物がないと、ものが良く見えないなんて、なんかイヤね」
僕は何と言っていいのか分からず、矢花さんのメガネを両手でそっと外して自分にかけた。
世界が歪んで見える。
「全然似合わない」
「だろうね」
メガネを返すと、矢花さんは目をぱちぱちさせて、またメガネをかけた。
「なに?」
「いや……メガネ似合うなぁと思って」
矢花さんは「ふふ」っと笑った。
メガネにもコンタクトレンズにも縁がない僕は、実はそれらに対して「憧れ」みたいなものがあった。
でも、今日限りでそれをやめようと思う。
(了)
実話です。
青春ですね。
たらはかにさんの「毎週ショートショートnote」参加用です。
今週のお題は「メガネ初恋」です。
先週のお題は「オノマトペピアノ」でした。
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