ショートショート口座|ショートショート
「お前の説明、完璧だったな」
「昨日の夜、何度も何度も練習したんですよ!」
会議が終わり、先輩からねぎらいの言葉をもらった。その直後、僕のスマートフォンが「ピコン」と鳴る。
「要点を簡潔にまとめられてえらい!」
「ショートショート口座に700ポイントが入ったよ!」
そして、画面一杯に「よくできました!」という花丸スタンプが表示された。それらを見て、思わずニヤつく。
このアプリは、あらゆるものを「ショート」に済ませればポイントが入る仕組みで、1ポイント1円になる。
今は省エネ、時短、コストダウン……全てにおいてショートがもてはやされる時代だ。
まっすぐ家に帰ると、
「寄り道しなくてえらい! 800ポイント!」。
100円ショップで100円(税別)で済めば、
「無駄な買い物をしなくてえらい! 2600ポイント!」。
デートの食事を立ち食いそばで済ませれば、
「大切なのは気持ちだからえらい! 7500ポイント!」。
そんな僕を見て、先輩は呆れる。
「お前……そんなチマチマとポイント貯めて、もう老後の備えか?」
「だって、人生100年時代でしょ?」
(了)
2022年6月28日、田丸雅智氏による「坊っちゃん文学賞presents 誰でも書けるショートショート講座」に参加した時、「ショートショート講座」の変換ミスをヒントに作りました。
第19回坊っちゃん文学賞の応募作です。(初応募)
応募総数7,026点(1人で複数応募可)、最終審査通過作品が6作という超狭き門で、私は4作応募しました。
残念ながらかすりもしませんでしたが、応募した自分を誇りたい!
落選の悔しさを、書くエネルギーに変換して書き続けるのみ!
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ありがとうございます!(・∀・)
大切に使わせて頂きます!