「RYTHEM」という私の根幹
「ねえ 聞こえますか」
「ハルモニア」の歌いだしのハーモニーは、当時小学生の私に大きなきっかけをくれた。
当時放送されていたアニメNARUTOの初代ED。当時高校生のYuiさんYukaさんが描き出す世界、その歌声の虜になった。
発売されていたアルバム「ウタタネ」を購入し、RYTHEMの世界をしっかり味わってみた。
出だし1曲目「風船雲」。この時点で泣いてしまうほどに美しい歌声と、鮮やかな空と風船雲が浮かぶ情景に漂っているように感じる世界観。幼いながらにかつてない感動を覚えた。
それからというもの、MDプレイヤーが壊れるほどリピートし、いつしか生活の一部としてRYTHEMの曲が存在するようになった。
そんなとき、「実際に歌っているところを見てみたい」という感情が湧いてきた。幼いころからFlash倉庫を漁ってきた愛用PCで調べてみることにした。
人生初のライブ
2ndアルバムが発売されると共に、ライブツアーもやっていることが分かった。これはフリーでライブを行い、CDを買った人は握手と会話ができるというもの。
多くはない小遣いを握り、何回かららぽーとに足を運んだ。そこにはCDを通してしか聞けなかったハーモニーが、イヤホンを通してしか見られなかった世界観が、実際の声として聴ける夢の空間があった。
本人にも会えると共に、同じ歌手が好きな人が周りにいることにも感動を覚えた。自分以外にも好きで観に来る人がいて、たまたま見かけて興味を持つ人がいて。
みんなで同じスキを共有している空間の心地よさを味わっていた。
握手会にも参加した。1万人握手企画とあり、ナンバーが振られたカードを配っていた。一番大きい番号が7930番だったことを覚えている。
なかなかに財布の紐が堅かった少年時代に於いて、唯一出し惜しみをせずに楽しんでいた趣味だったと思う。
現在の自分がプロレスや舞台を見に行くようになる根源は、RYTHEMが作ってくれたステキ体験だったように思える。
いざチケット購入
渋谷C.C.Lemonホールという大きな会場でライブを行うと知り、人生初のチケット購入。ドキドキワクワクの大きなライブ参加。
グッズ購入のために早めに到着すると、ガチ勢の方々が早くも集まっており、ライブというものの奥深さを実感した。
使いもしないペアネックレスやらを購入し、いざライブ開始。これまで行っていたフリーライブとは大きく違う、派手な演出と大きなスピーカーから出る音。メッチャ盛り上がってる観客。すべてが自分の知らない世界で、感動が止まらなかった。何よりその美しいハーモニーが最高の環境で聞ける。払ったチケット代以上の感動をもらって帰った家路は、形容できない充実感であふれていた。
それからというもの、ライブ関連の情報はできる限り集めるようにし、ファンクラブにも加入し、コミュニティにも参加するようにした。全国ツアーの際には、同級生が現地に住んでいたこともあり泊めてもらい、高校生にして人生初の独り遠征も経験した。
ライブに行けば常連が顔を連ね、知っている顔には挨拶をして回った。ガチ勢の大人たちはやはりお金の掛け方が違い、金銭的にも熱意的にも付いていけない世界の一端を味わいもした。
いろんな面で人生初を経験させてもらって、現在のプロレスや写真に対する活動のベースとして根付いている。人生の中で唯一と言える青春を謳歌していた時期だなと改めて感じる。
解散発表とラストライブ
当時高校生の自分にとっては青天の霹靂だった。当時ライブ配信ツールの先駆けとして運営されていたUstream(19時女子プロレスもやってた。。。)にて、二人が解散する旨が発表された。原因は定かではなく詮索するつもりもないが、予兆はあった様子。当時の自分はわかっていなかったため、突然の発表に衝撃を隠せずにいた。
そこから解散ライブまでの期間はまるで記憶がない。恐らく自分でもショックが大きく、何も手がつかない状況だったのかもしれないし、受験と被って何も覚えていないのかもしれない。
解散ライブ当日もグッズの購入に早くから並んだり、入場で人がごった返して中々入れなかったりと。一番印象に残っているのは、解散へのショックからか会場内でパニックを起こして大泣きしている人がいたこと。あの悲痛な叫び声は今でも脳裏に焼き付いている。
ライブ自体はいつものRYTHEMライブ。とても楽しく、美しいハーモニーとメロディと世界観を、余すことなく楽しめる最高の空間だった。思い出たちを撫でていくメロディーに心打たれ、琴線に触れるハーモニーに数えきれないほど涙を流した。賞味3時間のライブは、終わってほしくない気持ちを残酷に優しくさらっていく時間だった。最後に会場全員で歌った「自由詩」は、聞くたびに泣きそうになる一曲になった。
ここに、私の青春が終わった。
RYTHEMを通じて
先述のとおり、学校だけでは味わえないような青春を、RYTHEMを通じて謳歌していたように思える。何かに熱中すること、ステキを人と共有すること、スキに価値を見出すこと。現在につながる価値観を与えてくれたのは、間違いなくRYTHEMであったと思える。
その後のお二方の活動自体は把握していたものの、大学に進学して色々忙しくなってしまった都合上、追いきれなくなってしまった。もしくは解散してしまった現実を受け入れたくないがために、未来へ進めなかったのかもしれない。
現在は、思い出は思い出として抱え、現在の活動についても追うようにしている。数年ぶりにフリーライブに行ったときは、とても懐かしい温かな気持ちを味わうこともできた。
振り返れば、物事の考え方や、何かの始まりと終わりという在り方についても、あの経験を通じて学ぶことができたのかもしれないと思っている。そしてこの学びたちは、現在の自分を形作る幹として、姿をとどめているのかも知れない。
私にとってRYTHEMとは?
「私の根幹であり、私の青春」
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