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第十章|資格はゴールじゃない。「使って初めて」武器になる

👆️追加コンテンツを含めた、PMP学習法をアップしました!
以下本編


資格を取ると、
何かが大きく変わると思っていた時期があった。

だが実際には、
資格を取っただけで
仕事がうまく回るようになることはない。
現場では、
資格よりも判断が、
知識よりも使い方が問われる。

この章では、
PMPを含めた資格や学びを、
「肩書き」ではなく「現場で使う道具」として
どう位置づけるかを整理する。
勉強と実務のズレをどう埋めるか、
その現実的な距離感について書く。


1.資格取得などのスキルアップでマーケットバリューを高めろ|資格は使って初めて意味を持つ


―― 資格が効くかどうかは、使い方次第だという現実の話

自分のマーケットバリューを数値で表現できるか

この章のタイトルを見たときに、既に優れた社会人であるあなたは、「なぜ不況になれば資格商法が儲かるかを論理的に説明できるか」という頭の働きになっているはずだ。

世の中が不景気になれば、企業は人を切り始める。いわゆるリストラクチャリングだ。この流れを敏感に感じ取ったときに、働いている社会人は、「自分の生活が立ち行くように、自分の価値を高め、会社もしくは社会に必要とされる人でありたい」と、ポジティブ/ネガティブ関係なく考えるものだ。

あなたは、今いる会社が最後かも知れないし、別の企業で活躍するかも知れない。プライベートも忙しいし、仕事はもちろんひどく忙しい。スマートフォンを眺めながら、15分で食事をしている自分を振り返ると、なんだか泣きたくなってくる。

プライベートと、社会人としての時間の間に、何か目標を持って取り組むことがあってもいい。今回のテーマはスキルアップであるが、基本的なスタンスとして、資格などの勉強は、強要されるものではなく、楽しんで、は大げさにしても、進んで実施するものとして欲しい。

筆者は、定期的になんらかの試験を受けるが、終わった後の開放感は、まるでプロジェクトの打ち上げモードのようである。こういう感覚を持てることも、最近では少なくなってきたので、無理やり体験している。試験後のビールはけっこう美味しいものだ。

さて、IT業界にいるあなたは、豊富であるが断片的な、現場に通用する複数のナレッジを持っている。また、それを体系化した書物などを読むことで、頭を整理しているはずだ。

資格の勉強のいいところは、少なくとも座学の頂点としては、テキストが豊富で、体系化されていることにあると筆者は思っている。試験を受けるかどうかは最終的なもので、現場で培った知識を、スッキリと整理して、また現場に還元する。そのナレッジを共有していけば、会社は強くなる。

勘違いしないで欲しいのだが、資格を持っている人が偉いわけではない。ただし、持っていない資格について、「あんなの本気になれば取れる」と思ってしまう思考回路があるのであれば、改めよう。資格については、持っている人のみが経験した世界がある。それが、すぐに優れた社会人として通用しなかったとしても(座学の理屈屋は嫌われるぞ)、花開くときが来る。何より、努力の証だ。自分が一人で取り組んで、結果はどうであれ、目標に向かって進んだ。それは自分が抱えている、正体不明の不安感を、一瞬、忘れさせてくれるはずだ。

今回は、業界特性を考慮して、いくつかのおすすめの資格を紹介しておくことにする。

まずはIT系

IT業界にいる我々にとって、ITについて学ぶことは最早避けて通れない。どんな企業にだってIT戦略はあるし、そもそも技術者であれば、プロジェクトマネジメントをする、またはエンジニアを遂行するに当たって、最低限の知識が必要だ。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)は、ITスキルスタンダード[1]を定めているが、改めてレベル毎に確認してみよう。

レベル1:全ての社会人に〜ITパスポート
レベル2:基本情報技術者
レベル3:応用情報技術者
レベル4:後述

ちなみに最高レベルはレベル7だ。

さて、筆者の個人的な思いを記載すると、技術職を身に着けようとしている社会人は、基本情報技術者試験と応用情報技術者試験から、その道ではなく、プロジェクトマネジメントの道に進みたいのであれば、レベル1(ITパスポート)を取得したら、レベル4に挑戦することを推奨する。

レベル4の試験は、その高度(かどうかはさておき)な専門性により、区分を複数に分けている。興味のある分野であれば挑戦するにこしたことはないが、教育担当から言えば下記の2つの試験を受けて頂きたい。

レベル4:プロジェクトマネージャー試験(毎年10月)
レベル4:ITストラテジスト試験(毎年4月)

前者は言うまでもなく、PMには必須の知識が体系化された試験である。中身を紐解くと、

午前1試験(60分):IT全般の共通問題30問、18問で合格
午前2試験(45分):PMに必要な問題25問、15問で合格
午後1試験(90分):プロマネの事例問題二問選択、
          60%以上の得点率で合格 
午後2試験(120分):自身のプロマネ経験を論述(3,600字)
           A〜D評価中、A評価で合格 

という構成だ。大変厳しいことに、午前1が不合格なら午前2の採点はされない。午前1を突破しても午前2が不合格なら、翌年まで、午前1が免除される権利が与えられるのみで、以降どんなに論述しても、午後1、2は採点されない。

午後1で60%を下回っても、午後2の論文は採点されない。3,600字を2時間で書くというのは、大変腕が疲れるのだが、その努力が報われない。

会場には、恐らく会社の命令で受けさせられているのだろうなと推察できる人が数多く受けている。その人達は対策をしていないので、時間切れを起こしている。たまには丸暗記も必要だ。


【参考問題:26年秋 午前1 第5問】
2台のプリンタがあり、それぞれの稼働率が0.7と0.6である。この2台のいずれか一方が稼働していて、他方が故障している確率は幾らか。ここで、2台のプリンタの稼動状態は独立であり、プリンタ以外の要因は考慮しないものとする。

ア 0.18
イ 0.28
ウ 0.42
エ 0.46

この問題のやってはいけない、非常識な解き方はこうだ。別に勧めているわけではない・・・。

2台のプリンタをそれぞれA,Bとした時に、Aの稼働率が0.7だから、故障している確率が0.3、Bが稼働している確率が0.6なので、まずは0.3×0.6=0.18を導出する。

次にBの稼働率が0.6だから、故障している確率が0.4、Aが稼働している確率が0.7なので、0.4×0.7=0.28を導出する。

0.18+0.28=0.46なので、答えはエである。

ここまでは、正攻法の解き方。

しかし、この問題は過去の試験において繰り返し出題されていて、筆者は、「プリンタ2台で246」と語呂合わせをした。246は道路の名前だが、覚え方はどうでもいい。計算するのに30秒かかるか、一瞬で答えを出せるかだ。

プロジェクトマネージャー(PM)試験なので、PMBOKの知識も問われるが、理解していなくても解答は導き出せる。読解力の問題だ。既知の問題についてはあっという間に解いてしまわないと、時間がなくなる。6割が既存の使いまわし、残り4割が新規問題だ。注力するのは新規問題だ。最新の技術動向なども問われるため、参考書は改訂がきちんとされ、増刷されているような本をお勧めする。

さて、この勉強法で、午前1、2は突破できる。8割以上は取れる計算だ。学習のターゲットは、午後の論述試験となる。

午後1は、3題中2題を選択する。仮想のモデル企業におけるPMの悩みが事例となっていて、国語の問題のように、『PMのA氏が、各事業部にヒアリングした理由は何か、25字以内で解答せよ』という形式だ。

この種の問題に対しては、拒否反応も多い。しかし、食わず嫌いにするのはもったいない。世間の知名度、会社への貢献、何より自分の価値を高めることができるITSS(スキルスタンダード)レベル4にしては、取り組みやすい問題が多い。解答は必ず、与件文の中にヒントがあるのだから、変な想像を働かせなくてよい。素直に答えれば、60%は十分見込める。

午後2の論文は、自身が行ってきたプロマネの事例を論述せよという、最難関のものとなる。鉛筆で書かなくてはならないのが第一の難関だ。最後の難関は、後半、腕がしびれて痛くなる中で、どうやって文字数を埋めるかだ。冗談を言っているように思えるかもしれないが、論文で問われていることは毎年同じなので、事前にパソコンで文章を作り、覚えておいて、現場で少し臨機応変を効かせねばならない部分を考えるのみだ。3,600字という分量は、原稿用紙9枚で、2時間で埋めるにはかなりのスピードが求められ、会社の命令で受けにきたような人は、大体1,000字を超えるのにヒイヒイ言うことになる。


【参考問題:22年春 午後2 選択式で3問中1問選択】

ア あなたが携わったシステム開発プロジェクトの特徴と
  プロジェクト組織の構成について、800字以内で述べよ。

イ 設問アで述べたプロジェクトにおいて、チームリーダーなど
  に分担させた業務の内容と分担させた理由、分担のルールと周知徹底の方法について、800字以上1,600字以内で述べよ。

ウ 設問イで述べた業務の分担に対する評価、認識した課題、
  今後の改善点について、600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

※2028年から、IPAの情報処理技術者試験は、キーボードとマウスが使えるという・・・

あなたには、大変なアドバンテージがある。現場でプロジェクトを経験しているではないか。しPMのすぐそばで経験したことは、必ず具体的な事例になる。本番までに、具体的な事例を、一般化(あまりに登場人物を複雑にしない)、普遍化、抽象化して、字数内でまとめておいて、書き込むだけだ。勝負は、開始前に終わっている。

春のITストラテジストも同様の対応だ。特に、プロジェクトマネージャー試験とITストラテジスト試験は、論文に技術的・システム的要素を書く必要がないので、(だからこそ難しいと言う人もいるが)、挑戦してみてはどうだろう。

また、SE出身の人は、レベル4の試験として、

システムアーキテクト試験
データベーススペシャリスト試験
エンベデッドシステムスペシャリスト試験

があるし、インフラ側を経験してきた人は、同じくレベル4に、

ネットワークスペシャリスト試験
情報セキュリティスペシャリスト試験
ITサービスマネージャ試験

がある。自分の興味の赴くまま、いきなりレベル4(試験としては最高区分)に挑戦してみよう。まずは、願書の出願だ。最近はネットで申し込みができるし、受験料も7,500円と良心的だ。少なくともPMIが行っているPMP試験の500ドルよりはよっぽど安い。終わった後のビールは旨いよ。


情報処理技術者以外の役立つ資格

コンサルティング業界で、または優れた社会人の証明として、評価される資格は下記のものがある。

いずれのものも、努力が必要だし、日々仕事で忙しいと現実的に難しい。でも、来年はもっと忙しくなる。思い立ったが吉日である。


PMP
ITコーディネーター
社会保険労務士
中小企業診断士
行政書士
簿記2級以上
英語

仕事が忙しすぎて土日は死んだように眠ります、というのも悲しいではないか。会社のためなんて(ここだけの話だが)どうでもいいので、あなた自身のコンピテンシーを高めるために、何かに興味を持ったら、まず願書を出そう。100%準備して臨もうと思わないこと。テキストは後回しでいきなり過去問から解き始めること。

複雑怪奇な高度資本主義社会の中で、自分だけの努力ができて、面倒な人間関係に煩わされず、自分のやった実績が合格か不合格かだけで判別されるというのは、とてもわかり易い。

繰り返すが、勉強していることは別に偉くもない。しかし、難関な資格を通じて見えてくるものは必ずあるはずだ。違った視界を持つために、第一歩を踏み出して欲しい。

2.PMP資格ホルダーまでの道と、後日談|受験というプロジェクト

―― 合格して変わったことと、変わらなかったこと

ChatGPT、翻訳ソフトと一緒に走った数か月

PMP(Project Management Professional)は、単なる資格試験ではなかった。
それは、自分のキャリア、仕事の進め方、そして「プロジェクトマネジメントとは何か」を、否応なく言語化させられるプロセスだった。

その過程で、私はChatGPTとGoogle日本語翻訳を使った。
答えを教えてくれる存在というより、考えを整理するための壁打ち相手として。

この文章は、受験準備から合格までを振り返った記録である。


受験準備編

最初の関門は、プロジェクト経験の記述だった。
正直、ここが一番きつかった、というのは、多くの受験者が書いている。

書いてみる。
見返す。
これで通るのか分からない。
そもそも、これはプロジェクトと言えるのか。

何度も書き直し、ChatGPTに投げた。

返ってくる指摘は容赦がなかった。
論理が曖昧。
成果と役割が混ざっている。
マネジメントとしての視点が弱い。

そのたびに、修正した。

ここで初めて気づいたことがある。
自分は「やったこと」は語れても、「マネジメントしたこと」を語れていなかった。

現場では、何とか回してきた。
だがPMPが求めているのは、結果ではなく、判断と責任の所在だった。

書き直す作業は、過去の仕事を否定されることではなかった。
むしろ、自分の経験を、初めて整理する作業だった。

PMIの「監査」からは定型文が返ってくる。
「日常を振り返った駄文で受験資格なんて与えられると思ってんの?」
「なんど提出しても、お宅のおしごとが見えないんだよね。普通のサラリーマンの定常業務書いてんじゃねーよ」


学習編


勉強が始まってからは、Google日本語翻訳と格闘した。もちろん私は英語なんぞ読めないので、この時代でよかったと思う。

この資格はPMBOKも当日の受験問題も、英語と勘違いしている人が一定数いる。

この記述は結局何を言っているのか。
現場ではどういう行為に相当するのか。
日本のプロマネの文脈だと何に近いのか。

PMBOKの文章は、正直に言って読みやすいものではない。
日本語は1字ぶら下げが普通なのに、英語をそのままローカライズしているから文章の頭が妙にずれている。
そうか、PMBOKがA4の縦でそのまま印刷されているのは、アメリカ式なのね。
だが、一つひとつ噛み砕いて考えると、過去の失敗や成功と結びついていった。

あの会議は、ここに書いてある。
あの炎上は、この考え方を無視していた。

いつの間にか、勉強は暗記ではなく、仕事の棚卸しになっていた。

ただの感想文だけではなんなので、一番コスパのよい学習は、
PMIのサブスク、「Study Hall Essentials」月70ドルくらいだったと思う。
もちろん、巷間で買える書籍は2冊買ったが、現在(2025年12月時点)の出題傾向に追いついていないと思った。
かつての、PMBOK第6版までの、プロジェクトマネジメントのツール(業界ではITTOと呼ぶやつ)に関しては有名な書籍は手厚いが、現在の試験問題の大部分を占める「プロジェクトマネージャーの考え方」の問題演習用には、Study HallをGoogle日本語翻訳して望むのが、個人的にはしっくり来た。


受験当日


試験当日は緊張した。
だが、恐怖はそれほどなかった。

理由ははっきりしている。
知らないことを問われている感覚ではなかったからだ。

設問を読みながら考えた。
現場感覚ではこうしたくなる。
だが、事故が起きにくい選択はどれか。

答えはいつも同じ方向を向いていた。
それは、過去に痛い目を見て学んできた、プロジェクトの現実だった。
一つ一つの設問が、事例集を見ているようだったので、4時間の試験時間は苦にならない。飲み会で、デスマーチプロジェクトの話をしているかのようだった。


合格


合格通知を見たとき、もちろん嬉しかった。
だが同時に、冷静な感覚もあった。

これでPMになれたわけではない。
これで評価が変わる保証もない。

ただ一つ確かなのは、自分の仕事を説明する言葉を手に入れたということだ。

若手に説明するとき。
上司と議論するとき。
顧客と合意形成するとき。

その場で感覚的に話すのではなく、根拠を持って語れるようになった。


ChatGPTとGoogle日本語翻訳は、PMPの学習と相性が良かったのだと思う。

一人で考え続けるより、問い返してくる相手がいることが、ここまで効くとは思わなかった。

PMPは、資格を取る話ではなかった。
仕事のやり方を再定義する体験だった。

これから受験を考えている人がいるなら、こう言いたい。

PMPは、今までの自分の仕事を正面から振り返る覚悟がある人向けの資格だ。


Q. PMI会員になったほうがいい?

A. 受験資格を得たら、6割程度は合格するとの統計が出ているので、会員になった方がコスパがいい。
会員、非会員での、受験資格の審査に差はないが、PMBOK第7版(日本語版)をダウンロードできる権利がついてくるので、それで18,000円浮くと思えばよい。

Q. 勉強時間の確保は?

A. PMI Study Hall Essenntial(サブスクで模試及び練習問題フラッシュカードが学べる)を、スマホで通勤にできる人は、受験資格を得たら1ヶ月後に受験するのがオススメ。
昼休みにご飯食べながら、試験問題に「慣れる」ことを目標に頑張る。
スマホではブラウザをChromeから入る。そして、翻訳機能を一度セットすると、問題をめくった途端に翻訳される。その翻訳具合が、ちょうどPMP本番の翻訳具合と酷似している。つまり、日本人が書いた書籍より、本番に近い。

Q. 現時点での出題傾向は?

A. 2026年の8月までは、現在の出題傾向とのこと。個人的には今が取得チャンスだと思う。
予測型(いわゆるウォーターフォールモデル)、反復型(いわゆるアジャイル)、それからメンバーのモチベーション管理が肝。つまり、問題を読んで当てずっぽうになる可能性が低いのが今の出題傾向だ。
体感で1割(180問出題なので約20問くらい)が、「ITTO(技法とツール)」からの出題。
例えば、EVMの問題で、SPIやCPIの基礎問題が出るが、普段からプロジェクトで、毎日WBSをチェックしているならば当たり前すぎる問題が出る(SPIが1より大きければ、スケジュールは遅れていない、等)ので対応可能。
PMBOK第6版以前は、(私は第6版以前の形式のPMP試験は受験したことはない。情報として知っているだけ)、ITTOの中でも細かな論点が多く出題されていたが、現在の出題傾向は、PMBOK第7版を受けて、ITシステム開発を含む、世の中のすべての「プロジェクト」に適応するようになっているので、EVMの問題にしても、SVだCVだBACだと計算させる問題は鳴りを潜めた傾向だ。

Q. 自宅受験と試験場受験のどちらがいい?

A. 好みの問題
【自宅受験】
・PCに専用ソフトをインストールする。時間の管理や、試験官からの指示チャットも全てそのソフトから行う。そのソフトの使用中は、よっぽどのPC熟練者出ない限り、他のアプリ(ブラウザとか)を立ち上げられない。
・当然ながらカンニング防止のため、PCにはHDMIすら繋がせない。
・PC周りの写真を4方向から撮影し、参考書やメモなどがないかチェックされる
・スマホを常に撮影モード(これもアプリが動く)にして、ビデオ監視もされる。つまり、PCのカメラでの監視と、スマホの2台で監視。余談だが、スマホの台(よくアップルストアなどにある、スマホ展示用の台)がないと、本番で、試験官からの指定の角度で設置するのに焦ることになる。
・更に余談だが、マイナンバーカードの撮影と、当日の自分の姿の撮影を求められ、適当に対応したが、免許証の撮影より簡易にやってしまって後悔した・・・。
・ドリンクがそばにある安心感は自宅の方がいいかも
【試験場受験】
・経験しなかったので語れない。
・ただし、気合の入り方は、試験場の方がいいだろう。

Q. 合格がわかるタイミングは?

A. 試験終了後3分程度。180問出題で、そのうち5問はダミー問題だということであるが、合格か不合格かは、すぐに発行される速報成績表で、合格範囲にグラフがプロットされていれば、暫定合格。
PMIの処理(バッチ処理かな)の関係で、合格証書がPDFで届くのは、4営業日後くらいだった。

Q. 試験はいつやっているの?社会人は対応可能?

A. 私の知る限り、月に2回。第2週の週末、第4週または第5週の週末。それも、片方は土曜日、片方は日曜日で設定されていたため、社会人のシフトに対応している。

Q. 試験時間は?

A. 8:30入室もしくはアプリでのログイン
それから、自分の写真をアップロード
マイナンバーカードのアップロード
PC周りの写真を4枚アップロード
9:00から試験開始。画面右上に残り時間が出る。合計4時間だが、多くの人は時間が余る。
60問を「通り過ぎる」と、休憩に入るかを尋ねられる。その際、後回しにしたものを再度見直して解かないと、空欄のままの採点となってしまう。そして、一度休憩に入ったら、過去の問題には二度と戻れない。まあカンニング防止にはそれしかないであろう。
120問を通り過ぎても同様に休憩10分。トイレいったら終わる時間である。


合格通知を見た瞬間は、(英語だから確証が得られなかったけども)正直うれしかった。
数か月間、仕事の合間を縫って勉強し、書類を書き直し、英語にうなされながら辿り着いた結果だ。
だが、少し時間が経って冷静になると、ある事実に気づく。

何も変わらない。

少なくとも、私が所属している会社では。


PMPを取っても評価されない現実(´;ω;`)

私が所属しているのは、いわゆるSES企業である。
ここははっきり言っておこう。
PMPに合格したからといって、給与が上がるわけでも、案件が変わるわけでも、突然「PMさん」と呼ばれるわけでもない。

極端な話、昨日までと今日で、名刺以外は何も変わらない。その名刺も、自分で印刷するのだから、何も動かなければ、名刺すら変わらない。
自分で印刷するから、盛り込み放題であるが、奥ゆかしい私は、以前の通り「プロジェクトマネージャー」という肩書の名刺をそのまま使っている。

評価制度にPMPが組み込まれていない会社も多いし、そもそも上層がPMPをよく知らない、というケースも珍しくない。
受験費用はけっこうかかったが(円安恐るべし)、それを請求できるような土壌は整っていない。
現場で求められるのは、資格よりも「今この案件で何ができるか」だ。

だから、「PMPで人生変わりました」「◯◯という資格で、年収が100万上がりました」などという話を聞くと、
私はつい、どこの架空の天国の話ですかね、と心の中で突っ込んでしまう。


SESという現場でPMPは意味があるのか

では、SESの現場でPMPは意味がないのか。
これも、よく聞かれる問いだ。

答えは、半分イエスで、半分ノー、だと思っている。

確かに、PMPを持っているだけで仕事が楽になることはない。
炎上案件は炎上するし、仕様は曖昧なまま飛んでくる。
会議が多くて結論が出ない現場も、相変わらず存在する。

だが一方で、PMPの勉強を通して身についた「考え方」は、確実に効いてくる。

このリスクは誰が持つのか。
この決定は誰の責任なのか。
今やるべきことと、後回しにしていいことは何か。

こうした問いを、自分の中で整理できるようになった。
声に出さずとも、頭の中で一段冷静になれる。
これは資格そのものというより、思考のフレームを手に入れた感覚に近い。

SESという環境では、自分の立場が曖昧になりがちだ。
だからこそ、考え方の軸を自分の中に持っていることは、意外と大きな武器になる。


50代で資格を取るということ

ここで、年齢の話をしておきたい。
私は50代だ。
この年齢で資格を取る、というと、
「今さら?」
「若手に任せたほうがよくない?」
そんな空気を感じることもある。

実際、体力も記憶力も、20代の頃のようにはいかない。
夜遅くまで勉強すると、翌日に露骨に響く。
もはや無理が効かない身体だ。

それでもPMPを取ったのは、キャリアの逆転を狙ったからではない。
一発逆転ホームランなど、この年齢になると、だいたい幻想だと分かっている。

自分がやってきた仕事を、ちゃんと説明できるようになりたかった。
感覚や経験だけで語るのではなく、言葉として整理したかった。

PMPは、そのための良い鏡だった。

資格を取ったから偉くなるわけではない。
だが、資格を通して自分の仕事を見直した人間は、少しだけしぶとくなる。

天国へのパスポートではない。
だが、地獄に落ちにくくするための地図くらいにはなる。

私はそう思っている。

同じような立場で迷っている人がいたら、この章が少しでも参考になればと思う。


もしこれを読んでいる人が、
「取っても意味があるのか」
「評価されないのでは」
と迷っているなら、こう言いたい。

評価は変わらないかもしれない。
だが、自分の見え方は、確実に変わる。

それだけでも、取った意味はあったと、今は思っている。

※本note記事は、これまでに公開してきた記事をもとに、構成を見直し再編集したものです。

👉第十一章 開発と品質は、構造で決まる

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プロジェクトマネジメントは、言葉でできている


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