「お知らせ」から「お誘い」へ─通知ひとつで売上が変わるマーケティング術
こんにちは。マーケターの小山竜央です。私は国内最大級のアバター売買サイト「みるぴめ」を立ち上げ、集客特化型マーケティングを専門に、経営者向けの講演や法人支援を行ってきました。
その中で、スティーブ・ウォズニアック氏やランディ・ザッカーバーグ氏らを招聘し、累計で40万人以上を集客しています。
現在は、ベストセラー書籍のプロデュースやYouTubeチャンネルの立ち上げ支援に加え、投資家としてスタートアップへの出資も行っています。

さて、スマホの通知やLINEの一斉配信、アプリのプッシュ通知……。私たちは毎日のように「お知らせ」を届けていますが、それに対してお客様はどれくらい動いてくれているでしょうか。
開封されない
クリックされない
来店・購入につながらない
もし心当たりがあるなら、原因は配信頻度やツールの選び方ではなく、見せ方が単なる“お知らせ”で止まっていることにあるかもしれません。
そこで今回は、通知を「お知らせ」から「お誘い」へと切り替えるだけで、お客様の反応を大きく変えるマーケティング手法について解説します。
「広告は『広告だ』と思われなければ勝ち」と同じ理論
多くの企業や店舗が行っている配信は、このような内容が中心ではないでしょうか。
営業時間変更のお知らせ
〇〇フェア開催のお知らせ
本日から10%OFFセールのお知らせ
情報としては何一つ間違っていません。むしろ、正しく伝えようという真面目さゆえに、きっちりとした「お知らせ」になっています。しかし、人間の脳はかなりシビアにできています。
Webの世界には「バナー・ブラインドネス」という現象があります。広告バナーや“告知っぽいエリア”をユーザーが無意識にスルーしてしまう習慣のことで、実はこれと同じことがLINEやプッシュ通知の世界でも起きているのです。
そのため、せっかく通知したのに「どうせセールの案内でしょ」「また営業時間のお知らせか」と、予測された時点で、その内容は見なくていいものとして脳内で仕分けされてしまいます。

マーケティングの世界には「広告は『広告だ』と思われなければ勝ち」という有名な言葉があります。それと同じで、お知らせも「お知らせだ」と思われた瞬間に負けなのです。
親しげな「お誘い」メッセージで受け手の心を動かす
では、「お知らせ」と思われないようにするにはどうすればよいのでしょうか。結論はシンプルで「お知らせ」を「お誘い」に変換することです。

「お知らせ」は基本的には事務連絡です。営業時間や価格、期間、場所などの基本的な情報はもちろん、すべて重要ですが、どれも発信者側の都合の共有に留まります。
一方で「お誘い」は、もっと個人的なもので、友だちとの会話に近いです。例えば、「〇〇さん、今何してますか?」というような一文を目にすると、脳は一瞬、知人からの連絡であるかのように錯覚するのです。
LINEやプッシュ通知は、友だちや家族からのメッセージと同じくロック画面に届きます。そこに「営業時間変更のお知らせ」と並ぶのか「今日は冷えますね。寄っていきませんか?」と並ぶのかで、受け手の印象は大きく変わります。

つまり、文章を作るときの前提を「一斉配信の文面を作る」のではなく、「友だち一人に送る手紙を、そのまま全員に配る」と置き換えたら、言葉選びやトーンは劇的に変わっていくはずです。
友だちのように「お誘い」するための3つのステップ
ここからは「お誘い」メッセージをつくる際に知っておきたい3つのステップを整理します。
ステップ1:相手の名前や状況を入れる

一番反応が変わるのは「名前+状況」の組み合わせです。
例えば、スマホのロック画面に「佐藤さん、帰り道にちょっと寄りません?」「今日は冷えますね…あったかスープ出来てます」というメッセージが届いたら、思わずタップしてしまうはずです。
ステップ2:一緒に行動する表現にする

ステップ2では、一緒に行動を促す表現を入れてください。例えば「一緒に〇〇しませんか?」「今から〇〇取りに行きませんか?」と、誘う文章にします。
ステップ1と組み合わせると、「佐藤さん、帰り道にちょっと寄りませんか?」「今日は冷えますね。温かいスープできていますよ」といったお誘い文になります。
ステップ3:案内文を“会話の途中”っぽくする

最後に重要なのは、誘導の仕方です。「お誘い」の通知ではリンクはあくまで会話の延長として、さらっと置いておくのが理想です。
というのも、友だちとのメッセージのやり取りで、突然「本日より〇〇フェア開催 URL:XX」と送られてくることはふつうあり得ません。
そのため「お誘い」のメッセージにするなら、「あの限定ケーキ、今日から始まりますよ…食べます?」という自然な一文から始まり、「こちらから詳細が見られます」「これどう思います?」という一言とリンクを添えるだけで、十分にクリックにつながります。
よく、リンクを矢印で囲んだり「今すぐクリック!」と強調したりする表現を見かけますが、このような書き方だと、「お誘い」の文章が再び「お知らせ」に戻ってしまいます。
一つ注意してほしいのは、出会い目的と誤解されるようなメッセージは送らないことです。出会い目的と判断されると、アカウント停止の恐れがあるので、くれぐれも注意してください!
「プッシュ通知広告」でユーザーの背中を押す

+αの施策として「プッシュ通知広告」を取り入れてみるのはいかがでしょうか。プッシュ通知はメールやSNS投稿と比べて、即時性が高い点が大きな特長です。
行動を促すきっかけとして活用しやすく、例えばECショップで商品をカートに入れたものの購入していないユーザーに対して、適切なタイミングで通知を送ることができます。
また、申し込み直前の段階で、最後の一押しとなるメッセージを届けることも可能です。
まとめると、プッシュ通知はコスト効率が高く、ロック画面に直接情報を表示できる場合もあるため、反応を得やすい施策と言えます。プッシュ通知に対応したシステムを提供する企業はたくさんありますので、予算やサービスの特徴に応じて最適なものを選定してみてください。
通知は、ユーザーとの関係性を深める入り口
プッシュ通知やLINEの一斉配信は、単なる連絡手段ではありません。使い方次第で、お客様との関係性を深めるための会話の入り口になります。
もし今、あなたの配信が「〇〇のお知らせ」ばかりになっているなら、次の一通だけで構いません。ぜひ「お誘い」の視点で書き換えてみてください。
