『デールカーネギー』の教えをビジネスに活かす
デール・カーネギー『人を動かす』とは何か?
『人を動かす』は、アメリカの自己啓発作家・講演家である デール・カーネギー が1936年に出版した名著です。
原題は『How to Win Friends and Influence People』。
90年以上前に書かれた本ですが、現在でも世界中で読み継がれ、累計販売部数は数千万部を超えると言われています。
本書のテーマを一言で表現すると、「人は理屈ではなく感情で動く」ということです。
多くの人は、「正しいことを言えば相手は動く」と思っています。
しかし現実には、
正論を言われると反発する
批判されると心を閉ざす
命令されるとやる気を失う
ことがよくあります。
だからこそカーネギーは、
「相手の自尊心を傷つけず、気持ちよく動いてもらう方法」
を体系化しました。
これは営業、マネジメント、組織運営、夫婦関係、子育てなど、あらゆる人間関係に応用できます。
なぜ『人を動かす』は今も読まれるのか?
テクノロジーは変化しました。
AIも登場しました。
SNSもあります。
しかし、
人間の感情は100年前と変わっていません。
誰でも、
認められたい
尊重されたい
否定されたくない
必要とされたい
と思っています。
その本質を理解しているからこそ、この本は時代を超えて読まれています。
『人を動かす』の三原則
本書には数多くの原則がありますが、根本は次の3つです。
① 批判しない
カーネギーは言います。
批判は無益である
人は批判されると反省するのではなく、防御します。
例えば部下に、「なぜこんなミスをしたんだ!」と言えば、
部下は改善策を考える前に、「でも〇〇が原因で…」と言い訳を考えます。
つまり批判は改善を生みにくいのです。
② 非難しない
非難は人格否定につながります。
例えば、「君はダメな人間だ」と言われて成長する人はいません。
ミスを責めるのではなく、行動に焦点を当てることが大切です。
③ 苦情を言わない
不満ばかり口にする人に人は集まりません。
逆に、前向きな人には自然と人が集まります。
これは経営者やリーダーにとって非常に重要です。
人を動かす6原則
カーネギーは人間関係の基本として6つの原則を示しています。
① 誠実な関心を寄せる
人は自分に関心を持ってくれる人を好みます。
営業で失敗する人は、商品にしか興味がありません。
成功する人は、顧客に興味があります。
例えば、「御社の商品を売りたい」ではなく、
「御社の課題は何ですか?」と聞く人です。
② 笑顔を忘れない
笑顔は最も安価で効果的なコミュニケーションです。
電話営業でも声の表情は伝わります。
コールセンター研修でもよく言われることですが、
笑顔で話しているコミュニケーターと無表情なコミュニケーターでは成約率が変わることがあります。
③ 相手の名前を覚える
人は自分の名前に強い関心を持っています。
交流会で、「すみません」より
「大石さん」と言われた方が嬉しいものです。
④ 聞き上手になる
人は話を聞いてくれる人を好みます。
営業の現場では、話す人より聞く人の方が売れます。
カーネギーは、「相手に話をさせること」を強調しています。
⑤ 相手の関心事について話す
自分の自慢話ではなく、相手が興味を持つテーマを話す。
これはマーケティングでも同じです。
企業が言いたいことではなく、顧客が知りたいことを発信する。
これが重要です。
⑥ 心からほめる
お世辞ではありません。本心からの承認です。
人は誰でも認められたい生き物です。
だから、成果だけでなく、努力や工夫も認めることが大切です。
人を説得する12原則
カーネギーは説得の方法も示しています。
その中で特に重要なのが次の考え方です。
相手に「イエス」と言わせる
最初から反対されるテーマをぶつけない。
小さな共感を積み重ねる。
例えば、
「売上を伸ばしたいですよね?」
「リピート率を上げたいですよね?」
という共通認識を作る。
すると提案が受け入れられやすくなります。
相手にアイデアを思いつかせる
人は自分で考えたことには熱心になります。
例えばコンサルティングでも、答えを教えるより、
質問によって気付かせる方が実行率は高くなります。
相手の立場で考える
カーネギーは、「まず相手の立場から物事を見る」ことを強調しています。
これができない営業担当者は、売り込みになります。
できる営業担当者は、課題解決のパートナーになります。
人を変える9原則
マネジメントに活かせる部分です。
まずほめる
いきなり欠点を指摘すると反発されます。
まず認める。
その上で改善点を伝える。
これは部下指導の鉄則です。
遠回しに注意する
人前で叱責するとプライドを傷つけます。
改善してほしいことは、相手の尊厳を守りながら伝える。
自分の失敗談を話す
「私も昔は同じ失敗をした」
と言われると相手は受け入れやすくなります。
命令ではなく質問する
「やれ」ではなく、
「どうしたらできると思う?」と聞く。
すると主体性が生まれます。
ビジネスへの活かし方
ここからが最も重要です。
① 営業に活かす
多くの営業担当者は商品説明ばかりしています。
しかし顧客は商品を買いたいのではありません。
課題を解決したいのです。
例えば私の仕事なら、「通販コンサルです」よりも、
「リピート率が低い原因を一緒に見つけませんか?」の方が響きます。
相手の課題に関心を持つことが重要です。
② コンサルティングに活かす
コンサルタントは答えを教える仕事と思われがちです。
しかし本当に成果を出すコンサルタントは、クライアントに気付きを与える人です。
カーネギー流に言えば、相手自身に答えを発見させる。
その方が実行されやすいからです。
③ リピート戦略に活かす
顧客は商品だけでリピートするわけではありません。
自分を覚えてくれている
感謝されている
大切にされている という感情がリピートを生みます。
つまりCRMの本質は、顧客との人間関係づくりです。
これはまさに『人を動かす』の世界です。
④ 組織運営に活かす
離職率が高い会社には共通点があります。
批判が多い
承認が少ない
命令が多い
一方、人が定着する会社は、
感謝が多い
承認が多い
相談が多い
傾向があります。
カーネギーの考え方は、そのまま組織づくりに応用できます。
交流会や人脈づくりに活かす
経営者との交流会の場で成果を出す人は、自分を売り込む人ではありません。
相手に興味を持つ人です。
例えば、
どんな事業をされていますか?
今どんな課題がありますか?
なぜその仕事を始めたのですか?
と質問する。すると相手は心を開きます。
結果として信頼関係が生まれます。
『人を動かす』を読んで最も重要な学び
この本を読んで多くの人が勘違いすることがあります。
それは、「人を操作する技術」だと思うことです。
そうではありません。
本質は、「相手を尊重する姿勢」です。
相手を大切にし、
相手の立場で考え、
相手の自尊心を守る。
その結果として、
人が自発的に動いてくれるのです。
まとめ
『人を動かす』は単なるコミュニケーション本ではありません。
人間心理の本質を教えてくれる本です。
特にビジネスでは、
営業
コンサルティング
マネジメント
CRM
組織運営
人脈形成
のすべてに応用できます。
どれだけAIが進化しても、人は感情で判断し、信頼できる相手から購入します。
『人を動かす』は、その「信頼のつくり方」を教えてくれる不朽の名著なのです。
日本だけでなく全世界で『デールカーネギーの人を動かす』をビジネスのバイブルとして経営の参考にしている人はたくさんいます。
著名人で言えば、
松下幸之助
稲森和夫
永守重信
ウォーレン・バフェット
ビル・ゲイツ
リー・アイアコッカ
メアリー・ケイ・アッシュ
ジャック・ウェルチ
実は『人を動かす』は、90年前に書かれたにもかかわらず、
現代のCRMやリピートマーケティングの本質をかなり先取りしている本なのです。
読んだことがない方は一度読まれてみてはいかがでしょうか。
🎥 YouTubeチャンネルもやってます!
YouTubeでは、ここだけの話や“ぶっちゃけトーク”も公開中。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
