誰にでも買ってもらえる商品設計にしてませんか?
台風は無事沖縄を通過していきました。
吹き返しの風が強烈でしたが、ユニオン(スーパー)は休業することなく暴風の中営業してました。
沖縄ではユニオンが閉まるとヤバイ台風と言います。なので沖縄の人から見ると今回の台風は大丈夫な部類なのかな?
1. 「平均点の商品」は、リピーターという名の「熱狂」を産まない
まず、商売の厳しい現実を直視しましょう。
今の時代、モノが溢れ、情報は飽和しています。そんな中で「そこそこ良い」「みんなに好かれる」という平均点の商品は、お客様にとって「他でも代えが効く存在」でしかありません。
通販の世界では、これを「コモディティ化の罠」と呼びます。
誰にでも合うように、角を丸くし、万人受けする最大公約数で設計された商品は、一見、多くの人に売れそうに見えます。しかし、実際には「どうしてもこれがいい!」という強い動機(リピートの種)を産むことができません。
バケツの穴を塞ぐパテの正体は、お客様の「執着」です。
「この商品じゃなきゃダメなんだ」
「これがないと私の生活は成り立たない」
そう思わせるためには、あえて「ターゲット以外の人を切り捨てる」勇気が必要なのです。
2. リピーターを産む「尖った商品設計」3つの極意
では、どうすれば「誰にでも」ではなく「特定の誰か」に熱狂される商品が作れるのか。私が推奨する「仕事人流・商品設計のしくみ」をお伝えします。
① 「100人の満足」より「1人の熱狂」を狙う
商品開発の際、100人のアンケートをとって「全員が80点をつける商品」を目指してはいけません。それは無難な、すぐに忘れられる商品です。
目指すべきは、「99人が0点をつけても、1人が120点をつけて涙を流して喜ぶ商品」です。
そのたった1人の熱狂が、SNSでの自発的な拡散を生み(第20話)、強力なリピートへと繋がります。
② 「買わないでほしい人」を定義する
これが、多くの経営者が怖くてできない「しくみ」です。
「こういう悩みがない人は、買わないでください」
「手軽さだけを求めるなら、他社へ行ってください」
商品のパッケージや広告で、明確に「NO」を突きつけるのです。これにより、ターゲットとなったお客様は「あ、これは私のために作られたものだ!」と猛烈な当事者意識を持ちます。
③ 商品の中に「不便」という名の「愛着」を組み込む
完璧すぎるものは、愛されません。
少し手間がかかるけれど、その分効果が出る。使いこなすまでに時間がかかるけれど、馴染めば一生モノになる。
こうした「手間」や「こだわり」が、お客様を商品に深く関与させ、離れられなくするしくみになります。
事例紹介:ある「シャンプーメーカー」が「全員向け」を捨てて年商5倍になった話
私が以前支援した、小さな化粧品メーカーの事例です。
彼らは当初、「家族全員で使える、肌に優しい低刺激シャンプー」を販売していました。品質は最高です。しかし、大手メーカーの安価な商品に埋もれ、リピート率は10%以下。バケツはスカスカでした。
私は提案しました。
「『家族全員』という言葉を捨てましょう。『白髪染めで髪がボロボロになり、美容室に行くのも恥ずかしいと感じている50代女性』だけに絞ってください」
彼は震えながらも、商品名もパッケージも、そして成分の配合も、そのターゲット一点に絞り込みました。
香りの変更: 万人受けするフローラルから、その世代が落ち着く「深みのあるハーブ」へ。
使い方の変更: 「泡立てて洗う」から「頭皮を3分間マッサージして、価値を浸透させる」という儀式(しくみ)へ。
同梱物の変更: 髪の悩みに寄り添う、同世代の女性スタッフの手書きの相談便り。
結果はどうなったか。
ターゲット外の男性や若者は去りました。しかし、ターゲットとなった50代女性からは「やっと私を分かってくれる商品に出会えた」と感謝のメッセージが殺到。F2転換率は一気に60%を超え、1年で年商は5倍に跳ね上がりました。
「誰にでも」を捨てた瞬間に、バケツに黄金の水が溜まり始めたのです。
3. 専門用語の補足:リピーター・ポテンシャル指数(RPI)
私のコンサルティングで独自に使っている考え方です。
商品の「汎用性(誰でも使える度)」が高ければ高いほど、リピートの強度は下がるという相関関係を数値化したものです。
RPI = \frac{解決する悩みの深さ \times 独自性}{対象となる顧客の広さ}
分母である「対象の広さ」を無理に広げると、指数は下がり、リピートしにくい「穴の多い商品」になります。逆に分子である「悩みの深さ」と「独自性」を高めることに注力すれば、指数は上がり、バケツの穴は勝手に塞がっていきます。
4. 図解:八方美人商品 vs 一点突破商品のバケツ

5. 商品設計を「尖らせる」ための3つのステップ
では、あなたの今の商品をどうやってリピート仕様に書き換えるか。仕事人流の処方箋です。
ステップ1:お客様を「一人」に絞り込む(ペルソナの特定)
以前書いた「上位10%の優良客」の中から、最もあなたの商品を愛してくれている一人を選んでください。その人の名前、年齢、悩み、休日の過ごし方までを思い浮かべ、「その人のためだけの限定品」を作るつもりで設計し直します。
ステップ2:商品の「弱み」を「強み」に変換する
「効果が出るまで1ヶ月かかります」というのは、一見弱みですが、一点突破の設計では「それだけ本気で改善する成分が入っている証拠」という信頼のパテになります。
万人に好かれるための「無難さ」を捨て、こだわりを突き通す「不器用な誠実さ」を前面に出します。
ステップ3:次に繋がる「余白」を作る
以前の「商品開発」でも触れましたが、その商品で全てを完結させないこと。
「この商品で土台を整えたら、次はこれを使うとさらに良くなりますよ」という、リピーターの階段を登らせるしくみを、商品設計そのものに組み込みます。
6. 実践:あなたの商品の「尖り度」チェックリスト
明日の朝、自分の商品を眺めながら、以下の質問に答えてみてください。
□その商品を「買わなくていい人」を、はっきり3パターン挙げられますか?
□大手メーカーが明日、同じような商品を半額で出したとしても、「それでもあなたから買う」という理由を10秒で説明できますか?
□パッケージや説明書に、あなた自身の「熱すぎるほどの想い」が溢れていますか?
□ターゲットではない人から「使いにくい」「高い」「趣味が悪い」と言われることを恐れていませんか?
□その商品を使ったお客様が、誰かに「これ、凄いのよ!」と語る時の「決め台詞」が用意されていますか?
一つでも「NO」があるなら、その商品はまだ「誰にでも」向けられた、穴の空きやすい設計かもしれません。
7. 最後に:商品を絞ることは、お客様を愛すること
「ターゲットを絞る」ということは、誰かを排除することではありません。
それは、「自分を本当に必要としてくれる人を、迷わせずに見つけ出し、全力で守り抜く」という愛の決断です。
全員を救おうとして、誰の力にもなれない。そんな悲しい商売は、今日で終わりにしましょう。
通販実務31年の私が、山田養蜂場時代に学んだこと。
それは、どれほど大きな会社になっても、「たった一人のお客様の、たった一つの悩み」に応え続ける商品設計こそが、最大の資産になるということです。
あなたのバケツには、今、どんな水が入っていますか?
それは、あなたの理想とするお客様の「喜び」で満たされていますか?
尖ることを恐れないでください。
その鋭さが、お客様の心の厚い壁を突き破り、一生離れない絆という名のパテになります。
さあ、明日は商品カタログから「誰にでも」という言葉を削除することから始めてみましょう。
【まとめ】
「誰にでも」向けた商品は、比較対象になりやすくリピートされない。
ターゲットを極限まで絞り、あえて「買わないでほしい人」を定義する。
尖った設計は、100人の満足より1人の「熱狂」を生み、最強の穴塞ぎになる。
商品の「不便さ」や「こだわり」が、情緒的な愛着(リピート動機)を産む。
今日から行動に移す一言:
「自社の商品を『絶対に使ってはいけない人(ターゲット外)』を定義し、それをあえて公言してみよう」
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