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リピーターに影響すること〜⑦販促の内容とタイミング

販促は「刈り取り」ではない、「水やり」である

「大石さん、今月は売上が足りないので、既存客に一斉セールメールを送っていいですか?」

こう聞かれた時、私はいつも「それはバケツを逆さまにして水を絞り出すようなものです」と警告します。 販促(販売促進)を、単なる「売上不足を補うための刈り取り」と考えている経営者は非常に多いです。しかし、リピーター育成において販促とは、お客様との関係性を深めるための「水やり(ナーチャリング)」でなければなりません。

通信販売の現場では、販促の「内容」と「タイミング」を間違えると、一瞬で「迷惑な売り込み」に成り下がります。逆に、これがピタッとはまると、お客様から「ちょうど欲しかったの! ありがとう」と感謝されながら売上が上がる魔法のしくみになります。

販促を成功させる「3・7・21・90」の法則

私が31年の通販実務で最も信頼しているタイミングのしくみです。お客様の熱量は、時間の経過とともに確実に下がります。その下降線を食い止め、上昇に変えるためのタイミングがこれです。

1. 「3日以内」:感謝と安心(サンクス)

購入・体験から3日以内。ここでは「売り込み」は厳禁です。
「正しく使えていますか?」
「何か困ったことはありませんか?」
「私たちの商品を選んでくれてありがとう」
という、純粋なフォローを行います。この「売り込まない販促」が、その後の信頼を決定づけます。

2. 「7日後」:価値の再確認(教育)

少し熱が落ち着いた頃。商品やサービスの「素晴らしいポイント」を改めて伝えます。
他のお客様の喜びの声や、開発秘話を届け、「自分の選択は正しかった」と確信させます。

3. 「21日後」:習慣化の壁(リマインド)

使い切る、あるいは飽きが来るタイミング。
「そろそろ変化を感じていませんか? 次のステップはこれですよ」
と、2回目への具体的な導線(特典付きの提案など)を提示します。

4. 「90日後」:生存確認(カムバック)

3ヶ月利用がないお客様は、あなたのことを「忘れて」います。
ここでは「安売りクーポン」ではなく、「その後いかがですか?」という寄り添いのメッセージで、バケツの外にこぼれ落ちそうなお客様を引き戻します。


販促の「内容」を劇的に変える3つのスパイス

タイミングが正しくても、中身が「買って買って」では穴は塞がりません。リピーターが喜ぶ販促のコンテンツには、以下の要素が必要です。

① 「えこひいき」の演出

「全顧客対象セール」は価値を下げます。
「1年以上継続されている、あなた様だけの特別なご案内」という、限定感と特別感がリピーターの自己重要感を満たします。

② 「お役立ち」を7割にする

販促のメッセージのうち、7割は「お客様の生活に役立つ情報(ノウハウやコツ)」にし、残りの3割で「商品の提案」をします。
これを「ギブ&ギブ&ギブ&テイク」のしくみと呼びます。

③ 「店主の顔」が見える言葉

AIやテンプレートで作ったような冷たい文章は、バケツを通り抜けていきます。
「沖縄の太陽の下で、この商品を梱包しながら大石様の笑顔を想像しました」 こうした、生身の人間が書いた一言が、どんな割引よりも強力なリピート動機になります。


事例紹介:ある「サウナ施設」の販促タイミング改善

前に書いた紹介したサウナ施設の続きです。 彼らは以前、不定期に「本日レディースデーで500円引き!」といったLINEを一斉送信していました。しかし、反応は薄く、ブロック数だけが増えていました。

そこで、販促のしくみを以下のように作り替えました。

  • 「来店当日」: 「サウナ後の水分補給を忘れずに。明日の朝の目覚めを楽しみにしていてください」というメッセージ。

  • 「来店10日後」: 「そろそろサウナでリセットしたくなる頃ではありませんか? 今週はハーブの香りが特別な『癒やし週間』です」という提案。

  • 「来店30日後」: 1ヶ月来店がない方に、「忙しくされていませんか? 頑張りすぎるあなたに、次回来店時に使える『デトックスドリンク無料券』をプレゼントします」という寄り添い。

この「個別のタイミング」に合わせた販促に変えただけで、LINEのブロック率は激減し、再来店率は25%アップしました。


【実践】あなたの販促は「愛」がありますか?

以下の項目をチェックして、販促のしくみを点検してください。

  • □販促の目的が「自社の売上」ではなく「お客様の悩み解決」になっているか?

  • □お客様の「購入履歴」や「今の状況」に合わせた、個別のメッセージを送っているか?

  • □割引やセールに頼りすぎず、「情報」や「体験」を価値として提供しているか?

  • □送信タイミングを「自分の都合」ではなく「お客様が欲しくなる時」に設定しているか?

  • □販促を送った後の「お客様の反応(感情)」を想像して書いているか?


【まとめ】

  1. 販促とは「収穫」ではなく、お客様を育てる「水やり」のプロセスである。

  2. 「3・7・21・90」の法則に基づき、お客様の熱量に合わせたタイミングで接触する。

  3. 販促の内容は、7割の「役立つ情報」と3割の「提案」で構成する。

  4. リピーターを「えこひいき」する特別感が、長期的な信頼関係を強固にする。

今日から行動に移す一言:
「直近1週間で新規に来てくれたお客様に、売り込みを一切排除した『純粋な体調確認と感謝のメッセージ』を今日中に送ってみよう」


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