リピーターに影響すること〜③価格(設定)
価格設定は、お客様への「招待状」である
「大石さん、2回目のお客様を増やしたいから、思い切って半額キャンペーンをやろうと思います!」 もしあなたが私の目の前でそう言ったら、私は全力で止めます。
前にもお伝えしましたが、「安売り」はリピーター育成において最も強力な「毒」になり得るからです。
価格設定とは、単なる数字の決定ではありません。
「私は、こういうお客様に来てほしい。そして、これくらいの期間、あなたとお付き合いしたい」という、あなたからのメッセージ(招待状)なのです。
リピーターを「選別」する価格のしくみ
通信販売の世界では、価格を戦略的に「3つの層」に分けて考えます。ここを理解すると、利益を出しながらリピーターを増やす黄金比が見えてきます。
1. 入口の価格(お試し・フロントエンド)
まずは知ってもらうための価格です。ここでは利益を追わず、バケツに水を入れることに集中します。ただし、重要なルールがあります。「安売り」ではなく「価値の体験」にすること。 「本来5,000円の価値があるものを、初回だけ1,000円で『体験』していただく」という正当な理由が必要です。
2. 継続の価格(定価・ミドルエンド)
ここがバケツの本体です。リピーターがストレスなく、かつあなたがしっかりと利益を出せる「適正価格」です。 ここで安売りを続けると、あなたは疲弊し、バケツは重みに耐えきれず壊れます。価値を感じているリピーターは、ここでの10%程度の価格差には動じません。
3. 絆の価格(特別・プレミアム)
長く続けてくださる「優良客」だけが手にできる価格、あるいは高付加価値な商品です。 「ずっと続けてくれているあなただから、この価格で提供します」という「えこひいき」のしくみです。これにより、お客様は「ここに居続けるメリット」を確信します。
事例紹介:ある「エステサロン」の価格設定の失敗と成功
大阪の繁業街にあるエステサロンの事例です。 当初、彼らは「初回980円」という破格のクーポンで集客していました。バケツには毎日大量の水が注がれますが、2回目に定価の12,000円を提示した瞬間、お客様は蜘蛛の子を散らすようにいなくなっていました。F2転換率はわずか3%。
私は価格の「しくみ」を以下のように作り替えました。
初回を「3,980円」に引き上げ: 安さ目的の客を排除し、悩みが深い客に絞りました。
「3回おまとめチケット」の導入: 2回目に来る際、3回分を先に契約すると、1回あたりが少しお得になる設計。これにより「習慣化の壁」を突破しました。
継続者限定の「会員価格」: 半年以上通っている方だけが受けられる、定価より5%安い「サンクス価格」を設定。
結果、全体の客数は減りましたが、リピート率は45%まで向上。広告費を1/3に削っても、利益は以前の2.5倍になりました。 「安くして呼ぶ」のではなく「続けてもらうための階段を作る」。これが正しい価格のしくみです。
専門用語の補足:サイコロジカル・プライシング(心理的価格決定)
単にコストから計算するのではなく、お客様の「心の満足」を最大化する価格の付け方です。例えば、2回目購入時に「割引」をするのではなく、同等の価値がある「プレゼント」を付ける方が、定価(価値)を維持しやすく、リピート時の満足度が高まるという手法などがあります。
【実践】利益を残しながらリピーターを育てる価格点検
あなたのビジネスの価格設定を、今すぐ見直してみてください。
□初回の低価格は、あくまで「体験」のための投資だと割り切っていますか?
□2回目以降の価格を伝える際、堂々と「価値」を説明できていますか?
□長く続けているお客様が、「続けていてよかった」と思える価格上のメリット(または特典)がありますか?
□「安ければ買う」というお客様を、あえて断る勇気を持っていますか?
□セールや割引が、あなたの「ブランド価値」を下げていませんか?
【まとめ】
価格は「誰に来てほしいか」を決める最強のフィルターである。
入口(フロント)は広く、継続(バック)は適正に、VIPは特別に。
「割引」ではなく「価値の提供」で、お客様の脳内の天秤を動かす。
リピーターを「えこひいき」する価格のしくみが、長期的な安定を産む。
今日から行動に移す一言: 「今の価格設定を見て、『この値段で集まってくるお客様は、本当に自分が大切にしたい人か?』と問いかけてみよう」
🎥 YouTubeチャンネルもやってます!
YouTubeでは、ここだけの話や“ぶっちゃけトーク”も公開中。
📢 毎月オンライン勉強会を開催中!
「バケツの穴の塞ぎ方を学びたい」
「自己流で限界を感じている」
「他社の事例を知りたい」
そんな方のために、毎月オンラインで勉強会を開催しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
