漫画「北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝」(作:武論尊・原哲夫/倉尾宏)を読んだ。20250413
時は世紀末。 海は枯れ、地は裂けた世界。 弱きを傷つける悪に立ち向かう革ジャンの男。 敵を華麗に倒す姿に大きな叫び声が重なる。 「カーーーット!」 枯れた海も、裂けた地も大規模なドラマセット。 これはドラマ『北斗の拳』を日夜撮影する者たちの血と涙と汗の記録。
言わずと知れた名作『北斗の拳』が実写ドラマだったら…という新発想で、『北斗の拳』のさまざまなシーンや展開に小君良いツッコミを入れていく本作。『いちご味』とはまた違うベクトルで面白い。
実は、『北斗の拳』の原作者の武論尊先生を取材したことがある。制作の裏話などを聞いたのだが、とにかく読者を楽しませるために、毎週あの手この手で物語を紡いできた先生のアプローチは、『ドラマ撮影伝』で描かれる現場での起点の効いた発想に近い。
『ドラマ撮影伝』ではコメディとして描かれているが、武論尊先生は一人で、毎度“発明”とすらいえる展開を描き、読者の心を震わせてきた。しかも時代を超えて。
だからこそ、『ドラマ撮影伝』で描かれる『北斗の拳』の名シーンは、コメディパートを経ているのにも関わらずカッコよく見える。
3話まで無料公開されているためぜひ読んで欲しいのだが、2話の「てめぇらに今日を生きる資格はねぇ‼︎」のコマ、そして3話の「実さ…」に、グッときた。
最新話では、サウザーとの戦いに差し掛かっている。本作では、テレビドラマとして社会現象となった『北斗の拳』が、お茶の間にどう届いているのか。そんな細かな描写も面白い。きっと当時の少年少女も同じうように、毎週月曜火曜に興奮しながら語り合っていたはずだ。
『ドラマ撮影伝』はコメディだ。確かに笑える。だがどうして、熱い。それは『北斗の拳』が燦然と輝く名作であり、私の血肉になっているからだろう。
そして言うなればそう、『北斗の拳』の応援上映に近い。『北斗の拳』を愛する人たちとともに、やいのやいのいいながら読み返している感覚だ。
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関口大起
集英社オンライン、@DIME、ENCOUNT、Mac Fan PortalなどのWebメディア、雑誌、企業向けの会報誌などで編集・取材・執筆をしています。お仕事のご依頼は「ttt.write.0119@gmail.com」まで。漫画家さんやクリエイターさんへの取材、製品や作品のレビューなど、ご連絡お待ちしております。いつか「このマンガがすごい!」の選者になるのが夢です。
