Awaji島くらし ~淡路島の霊峰三山~

淡路島の霊峰三山 ~東に先山、松尾山、西に諭鶴羽山、南に南辺寺山~
賀集八幡神社の春祭りの時にこの地域を見守ってきた南辺寺山の中腹にある南辺寺と山頂の景色を見たいと思い、翌週、神社の脇から続く細い道を登った。子どもの頃の記憶なので、この山道を歩いたのか覚えていなかった。南辺寺は、うっそうとした杉に囲まれた石の参道を歩いて行くと五百羅漢が並び、本堂が建っていた。喪服を着た地元の方が数人、住職を先頭に歩き、左側の閻魔堂から団子転がしを行う急斜面に向かっていた。三十五日目の法要で親族が谷に背を向けておにぎりを投げる淡路島独自の葬送儀礼を行うのだ。
「投げる」という行事は、春祭りや家の棟上げでお祝いの餅まきを行う。奇祭かもしれないが、初老の年瀬、大晦日に硬貨を中に入れたおにぎりを道の角で後ろに撒く風習を行ったことがあった。人生の節目の年に邪鬼や悪霊が付かぬようにする儀礼だった。六月中旬、早朝の散歩では、先ず東の方角に先山、すぐ隣に松尾山(別名では感応寺山)我が家のある低い丘を山所(やまじょ)と言うが、坂道を下りていくと水田が水鏡となり、空の青が美しく、遠方に諭鶴羽山、南へ目を向けると南辺寺山が見えている。成相川、養宜川に生息している鯉や亀、そして、時々、鰻が泳いでいるのを見ることがある。そんな時、「あーあ!ええとこや!」と一人でつぶやいている。この時期、諭鶴羽山ダムの奥のせせらぎに蛍が飛び交っているだろう。地元では、「山蛍を見て、次は海蛍を見に行こう」そんな声を聴く季節だ。



