節分胎教
ぽっこりと大きくなった妊娠七ヶ月の正子の腹。
鬼の俺と人間の正子の子供がこの腹に入っているとは、今でも信じられない。
「どうしたのパパ。そんな鬼のような顔をして」
「いや、俺は鬼なんだが」
「冗談よ」
聖母のように微笑む正子。
この笑顔が、俺は好きなのだ。
正子は腹の中にいる子供に話しかけたり、歌を歌ったりしている。
胎教という親子のコミュニケーションらしい。
「そういえば、今日は節分ね」
正子は腹を撫でながら、俺に言った。
節分は確か鬼を追い出す行事だった気がする。
「この子にはどう教えようかしら」
「俺は外に出ていかないぞ」
「どうしたのパパ。真っ赤な顔して」
「生まれつきずっと赤いんだが」
「冗談よ」
「むう……」
「この子には邪気は外、福は内って教えましょうか」
「そうだな」
俺達をよく思ってない奴が何かしてくるかもしれない。俺が二人を守ってやらないと。
我が子がいる正子の腹を、俺はゆっくりと撫でた。
たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。
