好き化粧
夕陽のオレンジで染まった校内。
外からは、部活に励む声が聞こえてくる。
「……よしっ!」
気合を入れ、靴を履き替えて外へ出た。
校門で待っている幼馴染の優斗の元へ小走りで向かい、声をかける。
「お待たせ〜!」
「おう、用事はもういいのか?」
「う、うん」
用事というのは、放課後に私は友達から化粧をしてもらっていた。
今ネットで、相手を魅了させる好き化粧というのが流行っているらしい。
「幼馴染を魅了しちゃいなよ!好きなんでしょ?」
友達に言われ、されるがままされたけど……。
いつもより濃い目の化粧、優斗はなんて言ってくれるだろう?
「あれ?お前そんな化粧だったっけ?」
「友達にしてもらったんだけど……ど、どうかな?」
「俺は普段のお前のほうが好きだな」
「えっ?」
「さっさと帰るぞ!」
「あっ!待ってよ!」
逃げるように走っていく彼を、私も走って追いかける。
魅了させる化粧をしなくても、私達は惹かれ合っていた。
たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。
