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大嘘寺

気が遠くなるほどの長い階段を登った先にあった小さい寺。
「君、大切な人を助けるためにここへ来たのだろ?」
境内を掃除していた住職が、俺に言った。
そうだ。俺は難病で苦しむ彼女を救うため、願いが叶うというこの寺に来たのだ。
「どんな代償でも俺は受ける!だから!」
「うむ。君達お互いの記憶が無くなり、君は皆から嫌われる。それでもいいなら叶えてやろう」
「彼女のためなら構わない。叶えてくれ!」
「分かった。目を閉じなさい」
目を閉じると、頭の中から何かが抜け、大切なものを失った気がした。

俺は皆から別人のように嘘つきになったと言われ、嫌われていった。
町外れにある小さい寺でバイトすることになったが、嘘つきがいる寺だから大嘘寺と呼ばれるようになる。
客は来ず、境内の掃除しかやることがない。
「こんにちは。ここ、静かで綺麗ですね」
寺にやってきたのは、俺と同い年ぐらいの女性。
初めて見る顔なのに、なぜか、涙が流れた。


たらはかにさんの企画に参加させていただきました。
以下の記事に詳細あります。


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