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二人暮らし 11 /私とお店のこと beeteat 竹林久仁子

あっという間に夕食の支度はできた。新聞に挟まっていた広告を取り出し、数枚重ねて折り曲げこたつの上に敷き、小さなおかまをその上に置いた。

すっかり機嫌が良くなった私は、準備する母の周りをついて回るようにウロウロとしていた。いただきましょう、母が私におかまのふたを開けるように言った。

少し熱い蓋をゆっくりと開けるとたくさんの湯気が上がった。湯気に息を吹きかけながら飛ばすと、いつの間に入れたのか、小さなササミ肉がピカピカに炊き上がったお米の上に1切れのっていた。手品でも見たかのような驚きでさらに興奮しながら早く食べたいとせがんだ。キャラクターの絵が描かれた私のお茶碗へ、先に母がご飯をよそってくれた。その上に擦っていた長いもを少しかけ、手で割いたササミをちょこんとのせ私の前に差し出した。

「これ、なーに!」初めて見る食べ物にときめいていた。

「これはとろろご飯て言うの、食べてごらん」とスプーンを手渡しながら教えてくれた。食べる前から美味しいと決めていたが、食べたらもっと美味しくてびっくりした。ツルツルの食感に出汁の香り、苦手な白米がするすると口の中に入っていった。

寝る前の会話で母が私のことをたくさん褒めてくれた。何を褒められたか全部は覚えていないが、病気をして困らせたことがないって話が印象に残った。私も母がお料理が上手だと褒めてやった。


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