「仕事はAIに、問いは人に“作業が消えた日”から始まった、私たちの新しいマーケティング」
「作業が消えた日」──事業会社マーケター、AIと出会う。
「なんでこんなに忙しいのか、分からなくなるときがあるんですよね」
社内MTGで、ふと口に出た言葉だった。
私は某メーカーでマーケティングを担当している。商材は地味。だけど、好きだ。
毎月のキャンペーン、営業との連携、競合比較レポート、社内稟議書。
どれも意味がある。でも、終わらない。気づけば夜22時。画面の光に顔が照らされる日々。
そんなとき、部内で試験導入されたのが「生成AIを活用したマーケティング支援ツール」だった。
最初はよくあるSaaSの延長だと思った。どうせ自動でLPでも作るだけでしょ?と。
違った。
調査資料が30秒で出る。
営業コメントの要点を瞬時に抜き出す。
週次レポートを「読みたくなる」日本語にしてくれる。
思いつきのアイデアをプレゼン用にまとめてくれる。
しかも、返ってくる答えが、なんだか「わかってくれてる」感じがする。
「自分の考えを、ちゃんと拾って、磨き直してくれる存在」そう感じるくらいに。
「これ、AIが作ったんですか?」
役員会議でプレゼンした資料に、取締役がぽつりと漏らした。
「ええ、私がざっくり方向性を伝えて、仕上げてもらいました」
嘘ではない。だけど、大事な“体温”は、自分が込めたつもりだ。
気づけば、私は“作業”を手放していた。
「どこを誰に届けたいか」「なぜそれが必要か」
そういう“問い”と向き合う時間が、戻ってきた。
これはただの効率化じゃない。
マーケティングという仕事の「重心」が変わったのだ。
「無駄の中に宿るもの」──広告代理店でAIと働くということ。
「5案ください。今日中に」
かつて、それは地獄の始まりだった。
企画に企画を重ね、出しては突き返され、深夜までデザイナーと修正に追われる。
「それが、仕事だった。いや、“らしさ”だった。」
でも今は違う。
アイデアの初稿はAIが出す。
資料もラフも、骨子はAIが整える。
むしろ「何を出させるか」が腕の見せ所になった。
働き方は変わった。劇的に。
終電帰りが、週1くらいに減った。
土日に考えごとを持ち帰らなくてもよくなった。
Slackのやりとりが、「やります」ではなく「こうしたら面白くなりませんか?」に変わった。
でも、ふと思うことがある。
AIがすべてやってくれるなら、私たちは何者になるのか?
二つの仕事が、出会うところに。
ある日、広告代理店の私は、クライアント企業のマーケターに会った。 「ここのブランドって、なんか“体温”ありますよね」と話しかけると、彼女は言った。 「それ、AIと一緒に作ってるんです。私たち、いいチームなんですよ」
笑いながら、コーヒーを片手に話し始めた。 AIの使い方、効率化のコツ、でもやっぱり人間じゃなきゃ出せない感覚。 その話は、どこか、自分たちのチームの姿とも重なった。
「やっぱり、マーケティングって“人”ですよね」 「でも、“人”を発揮できるように、AIに任せるって、すごく合理的だと思うんです」
それは、効率化の先にある“創造”の話だった。 属人的であることを恐れず、むしろそこに価値を見出す時代。
その後、私たちは一緒にプロジェクトを立ち上げた。 人間とAIの“共同創作”を前提とした、新しい形のブランドリブランディング。
商材は、10年以上続く家庭用日用品。 「便利だが選ばれない」
そんな悩みを抱えるブランドだった。
キックオフミーティングでは、AIが生成した100通りのインサイト仮説がずらりと並ぶ。 「高齢者にもわかりやすいUI」「手荒れを気にする20代ママ層」 「“台所に出しておける美意識”のある生活」
──その中に、確かに光るものがあった。
それに対して、人間が「なんとなく気になる」「これは面白いかも」と直感でジャッジしていく。
「これ、なんか引っかかるね」 「こっちは完璧すぎて、逆に味がない」 「これ、“売れる”というより、“語りたくなる”よね」
そうした“違和感”をベースに、AIに再度深掘りを指示し、コンセプトを育てていく。
最終的に採用されたのは、「生活に置きたくなる、空気のような道具」という切り口だった。
商品名、ロゴ、パッケージ、ブランドステートメント── どれもAIと人の掛け合いの中で、少しずつ芯が浮かび上がっていった。
AIが“幅”を出し、人間が“芯”を決める。 それが、これからのクリエイティブのあり方なんだと、心から思えた。
ノバセルが目指す、AI時代のマーケティングのかたち
このエッセイはフィクションだ。だけど、私たちノバセルが日々向き合っている現実でもある。
AIによって、仕事の構造が変わろうとしている。
けれど、大切なのは「効率化」ではない。 本質は、“人間らしさ”を取り戻すことにある。
私たちノバセルは、AIをただの自動化ツールとしてではなく、 マーケターやプランナーの「思考を拡張するパートナー」として導入している。
ノバセルが考えるAI導入3つのポイント
作業から解放する
レポート作成、広告案生成、競合調査など、繰り返し業務をAIが代行。
人は「問い」を立てる側へ。
思考を拡張する
多角的なインサイトや仮説を高速で提示。
人間の「決断」と「直感」に寄り添うデータ提供型アシスタント。
属人的な創造を支える
AIが土台を作り、人間が意味を込める。
感情、文脈、文化。人にしかできないことを、もっと。
「AIがすべてを変える」と言われる時代に、私たちはこう答えたい。
“だからこそ、人が輝く”時代が始まるのだと。
そしてノバセルは、そんな未来を一緒につくるパートナーでありたい。
