エジプト・トルコの旅
初めてのエジプト。治安、交通手段、アラビア語がわからないことからツアー旅行を探していたところ、日本人添乗員、現地ガイド、食事付きでトルコのイスタンブールとカッパドキアも周遊する8日間のパッケージツアーを発見。
今まで自由に動く旅をしていた自分が、添乗員付きのパッケージツアーに適応できるのか不安もありつつ、ツアーに申し込んだ。
旅程の中には指定のお店で買い物タイムが組み込まれているが、パッケージツアーなのでそれも初めての経験として楽しむことにした。
1日目:長時間移動の日
朝7:45に成田空港のツアーデスクに集合。
エジプトは過ごしやすい時期だがトルコは冬。参加者は少ないだろうと予想していたが、なんとツアー参加者は30名以上。日本各地から集まっていた。
空路は全てターキッシュエアラインを利用し、出発。
成田空港→(13時間)→イスタンブール空港(乗り換え4時間)→(2時間)→カイロ空港

カイロのホテルに着いた時は現地時間の深夜1時。自宅から現地到着まで、移動に24時間以上かかっていた。
2日目:ピラミッド三昧の日
エジプトはラマダン期間中。
早朝5時、外から聞こえてくるラマダンの爆音放送で目が覚めた。
朝7時、ツアーバスに乗り、ピラミッドやスフィンクスなどの遺跡観光へ。
貸切の大型バスには現地の警察官も1名添乗し、人と車で滞った道路をスムーズに通れるよう、外に出て整理もしていた。
バスの中で配布されるミネラルウォーターを飲みながら、しばらく道路を走ると、住宅などの建物に埋もれるように3大ピラミッドが見え始めた。

フク王の3大ピラミッド
ギザにあるフク王、カフラー王、メンカウラー王の3大ピラミッドとスフィンクスを筆頭に、サッカラの世界最古とされているジェセル王の階段ピラミッド、ダハシュールの屈折ピラミッドや赤のピラミッド、ラムセス2世の巨象が横たわるメンフィス野外博物館など、夕方まで次々に見学。
3大ピラミッドのチケット売り場を入り、トイレの案内表示に描かれた性別を表すサインには、エジプトらしさが表現されていた。

フク王のピラミッド内、石棺が収められている場所まで続く回廊の傾斜は急で頭をぶつけるほど高さがなく、中腰歩きで進むため閉所恐怖症の方や足腰に自信がない方にとっては難所。

ピラミッド三昧の後はパピルス店に案内された。店員の流暢な日本語でパピルスの製造工程の説明を受け、店内の商品を見てまわった。
パピルス店から見えたピラミッドは砂埃が舞っているのか、少し霞んだような夕日の光に包まれていた。

【この日の現地食】
ターメイヤ(豆のコロッケ)、モロヘイヤのスープ、コシャリ(小粒のマカロニにトマトソースをかけるエジプトの家庭料理)
※エジプトのレストランでの食事には、必ず豆やナスのペーストとパンが添えられていた。
この日は全てバスで移動したが、遺跡の近くまで歩くことも多く、睡眠不足と程よい疲労感で、すぐ眠りに落ちた。
3日目:大エジプト博物館の日
朝9時から観光開始。
香水店に案内される途中、バスの中から"自由すぎる車"に遭遇。
車体の上に車輪が付いた乗り物を載せ、運転手は片手でそれを押さえながらもう片方の手で車のハンドルを握り運転していた。そして助手席の人は頭を荷物の横まで出し、窓から身体を乗り出す「ハコ乗り」状態で車道を普通に走っていた。

2日目にカイロ郊外を移動していた時も、トラックの荷台だけでなく運転席の上にも荷物をあふれるように載せた"積載量超えすぎな車"をよく見かけた。
そんな前日の記憶を巡らせながら、バスが停まった場所は見たことがある風景に遭遇。
デジャヴ…ではなく昨日訪れたパピルス店の隣が香水店だった。
パピルス店に劣ることなく店員は流暢な日本語で、ここで売っている天然の香油は一般的に売られている香水のようにアルコールが含まれていないため、火を近づけても燃えないというデモンストレーションを行ってくれた。
その後、アズハル・モスクの外観を遠目で眺め、ハン・ハリーリ バザールへ。
商品が所狭しと置かれたお土産店が路地に立ち並ぶ。狭い路地を奥に進むとお店や人は少なく、賑やかさは一瞬にして消えた。

このバザールの路地にはキラキラした短冊のような飾りが吊るされていたが、郊外の家の入口などにも飾られているのをよく見かけた。

現地ガイドに案内されたバザールのお土産屋でピスタチオとデーツのチョコレート菓子を試食した。初めて食べたデーツはエジプトの名産品のナツメヤシの実であり、カイロ郊外で生い茂っていた木がナツメヤシ。エジプトにも実りのある緑の植物があることを知った。

カイロ旧市街地にあるエジプトの墓地「死者の町」と言われている地域をバスから眺めながら大エジプト博物館へ。

ラマダンのため博物館は閉館時間が17時から16時に短縮されており、広い館内を足早にまわる鑑賞となった。
ツタンカーメンの黄金のマスクを筆頭に、人型棺、厨子、王座、金やラピスラズリなどで煌びやかに装飾された調度品にあふれていた。

現代でスラム街と化した旧市街の墓地と王族の墓、それぞれの風景があった。
【この日の現地食】
ターゲン(タジン、肉と玉ねぎの煮込み)、コフタ(少し固めで細長い形をしたエジプトのハンバーグ)、シャクシュカ(オムレツのようなトマトソースと卵の料理、バスブーサ(甘いシロップ漬けの薄いケーキ)、エジプトビール「SAKARA」
ホテルに到着後、夜の街は散策せず、エジプトのビールを飲みにホテルのバーへ。しかし、バーの中ではお酒を飲むことができないとのことで、ビールを部屋に持ち帰りエジプト観光の日々を終えた。
4日目:終日移動日
朝10時、飛行機でカイロ空港を出発。
カイロ空港→(2時間)→イスタンブール空港(乗り換え2時間)→(1.5時間)→カイセリ空港→(バス:1時間)→カッパドキア
カッパドキアでは洞窟に造られたホテルに宿泊。同じ間取りの部屋はなく、広さも敷かれたトルコ絨毯も様々だった。

エジプトでは食事の時にお酒を頼むことができなかったが、トルコでは特に制限はなく、久々にお酒を飲みながらの食事を楽しんだ。
※トルコもラマダン期間中

古くからトルコ固有のぶどうの品種で造られてきたワイン、1890年にスイス人のボモンティ兄弟によって造られたトルコのビール、この土地で生まれたものがテーブルに並んだ。
【この日の現地食】
トルコのビール(Bomonti)
カッパドキアの赤ワイン(TURASAN)
他のツアー参加者もお酒が入り、ホテルの食堂全体が賑やかな夕食になった。
5日目:雪が降るカッパドキアの日
前日から雨が降る天気予報だったため、カッパドキア名物の気球は飛ばなかった。

そのため、朝はゆっくりホテルで朝食をとり、カッパドキアの地形の浸食によってできたラクダ岩や三姉妹の岩、キリスト教徒が隠れ住んだ地下8階まであるカイマクル地下都市やギョレメ野外博物館、ローズバレーなど造形物の観光と絨毯工房、トルコ石店へ。
絨毯工房ではHEREKE(ヘレケ)と言う手織り絨毯を作っており、その他に染色していない羊毛で作った絨毯やギャッベなどがあり、靴を脱ぎ踏み心地の違いを試させてくれた。
職人の作業部屋では、平山郁夫氏から提供された絵のタペストリーを制作中だった。

その後に案内されたトルコ石店は、製作過程を見学するのではなく、店内の商品を見て回るものだった。
気球ツアーという大きなイベントが中止になっても、盛り沢山の観光と買い物タイムで慌ただしく時間が過ぎていった。
【この日の現地食】
壺焼きケバブ(羊の肉と玉ねぎを壺で煮込んだもの)、トルコアイス(ピスタチオとチョコレート味)
ホテルでの夕食後、雪がちらつく中、スーパーマーケット(Migros)まで買い物へ。カッパドキアのワインを探したが見当たらず…
6日目:イスタンブール観光の日
朝8時、雪景色の中、カイセリ空港から旅程の最終都市イスタンブールへ。
カイセリ空港→(1.5時間)→イスタンブール空港
機内食のホットサンドで小腹を満たし、そのままディナークルーズの時間まで、アヤソフィアを横目で見ながら通り過ぎ、トプカプ宮殿、スルタンアフメット・ジャミィ(ブルーモスク)、ガラタ橋の観光となった。
トプカプ宮殿では王が所有していた宝飾品がたくさん展示されていたが、その中にライオンと太陽の顔が描かれた宝飾品があった。

写真以外にももう1つ同じような絵が描かれた宝飾があり、力強さの象徴とされている「ライオンと太陽」は柔らかいタッチの画風だった。
スルタンアフメット・ジャミィ(ブルーモスク)では、礼拝者と観光客が混ざる中、コーランを唱える声にトルコランプの原型とされているランプの光と空気が重なり、静寂を生み出していた。

ブルーモスク内の装飾
その後、ヨーロッパサイドの新市街と旧市街をつなぐガラタ橋へ移動。
橋の上は人通りが多く、釣りをしている人たちもたくさんいた。人通りの多さから川に架かる橋のイメージが頭によぎるが、釣れた魚はイワシ。ここは海の上である現実に引き戻される。
ヨーロッパとアジア、2つの大陸の間に流れる海峡が望める場所。
ガラタ橋近くから出発するボスボラス海峡のディナークルーズは、ヨーロッパサイド、アジアサイドの両岸を眺めながら日が暮れていく景色と共に過ごした。

【この日の現地食】
サバのソテー、ロクム(砂糖、でんぷん、ナッツなどで作られたトルコの伝統菓子)
ホテル近くの大通りにはお店が立ち並んでおり、この日もスーパーマーケット(Migros)へ買い物へ。
ここでもカッパドキアのワインに出会わず…
7日目:観光最終の日
ホテルのチェックアウトまで時間に余裕があり、イスタンブールの街を少し散歩した。
ボスボラス海峡を境にヨーロッパサイド、アジアサイドに街が分かれているが建物はヨーロッパの街並みに似ている。地下鉄、路面電車も走り、人が行き来する都市の流れがあった。

ツアー最後の観光(買い物タイム)は、革製品のお店とエジプシャンバザールへ。
革製品のお店で行われたファッションショーの最後に、モデルになったツアー参加者がランウェイを楽しそうに歩く姿は観ている者を楽しませてくれた。
エジプシャンバザールのL字型のアーケードには、スパイス、ドライフルーツ、トルコ石のジュエリーや雑貨など、似たような品揃えのお店がひしめくように並んでいた。
午前中でツアー最後の観光を終え、イスタンブール空港へ。
搭乗時刻までは時間があるため空港内を散策。売店でボトル入りのコールドブリューコーヒーが目にとまった。

6.42oz=190mlのボトルが375トルコリラ(約1300円)。WEBサイトでは155トルコリラ(約540円)で販売されていた。「空港内は市街地と比べて値段が高い…」と添乗員から教えられていたが2倍以上の価格差があった。
また、陳列されていたピンク色の商品は "ICED COTTON CANDY(綿あめ)"と記されており、日本でお目にかかれない飲み物の味と鮮やかな色をしていた。
このメーカーの商品は、同じボトルサイズでも味によって内容量が8oz=200mlのものがあり、こちらもあまり日本でお目にかかれない内容量の微妙な違いが設定されていた。
飛行機に乗る直前まで気になっていた購入できずじまいのカッパドキアのワイン。搭乗直前、近くの免税店をのぞいたところ、カッパドキアワインの「TURASAN」を発見。
箱に入っておりカッパドキアのホテルで飲んだワインとは違う物のようだったが、中身は確認せず急いで購入し、持ち帰った。
帰宅後、予想外のボトルの造形に驚愕。

ボトルを包んだ造形物は、カッパドキアのお土産屋で売られていた置物と質感が同じようだった。(ワインの味はホテルのレストランで飲んだものよりも軽い口当たりの赤)
【この日の現地食】
マントゥ(ラビオリにトマトソースとヨーグルトをかけたもの)、チャイ(トルコの紅茶)
空港内で昼食を済ませ、15時台の飛行機で日本へ出発。
イスタンブール空港→(11時間)→成田空港
8日目:日付を越えて帰国の日
成田空港到着後、荷物をピックアップした人から順次解散し、ツアー終了。
あとがき
初めて参加した添乗員、現地ガイド付きパッケージツアーは「模索からの解放」の旅だった。
決められた旅程の流れに身を任せて主要な名所を効率良く周り、守られながら旅をした。
ツアー参加者との会話も楽しく、和やかな雰囲気の旅。その人たちが経験してきた旅歴史や背景は自身の旅への興味を更に深めてくれた。
今回の旅は、行きたい場所を探し、どのルートで行くのか、どこで何を食べるのか、迷い、考え、判断することがほとんどなかった。
言葉の壁、時間のロス、アクシデントへの対処…頼れる人がいるという安心感は、常に判断する張り詰めた気持ち、ストレスからの解放だったのかもしれない。
この「模索からの解放」は楽しみ方の選択肢の1つで、自身が旅に求めるものが何なのか、改めて振り返るきっかけになった。
普段、自分が生活している環境とは違う場所に行き、何を経験したいのか。
過剰なストレスは良くないが、適度なストレスは物事を印象に残るものへ変換し、達成感を味わうことができると言ったプラスの作用もある。普段の生活環境とは違う場所に旅することは、その適度なストレスを刺激として味わう絶好のチャンスなのだろう。
パッケージツアー旅行、個人旅行…どの旅も面白い。どの旅のかたちを選択するかは自分次第。様々な巡り合わせが選択するきっかけを与えてくれる。そこにビットを立てながら次の旅へ繰り出そう。
