USJの特別教室で表の華やかさと裏の尊さを知る(パークフロントホテル宿泊記)
ユニバーサルスタジオジャパンの目と鼻の先、そこは「世界の裏側」を学ぶ特別教室。
USJに最も近い場所にある「ザ パーク フロント ホテル」。
多くの人がここを選ぶ理由は、その金額に見合った圧倒的な立地の良さにあるでしょう。しかし、私がこのホテルの窓から見つけたのは、移動の便利さ以上に価値のある、忘れられない「景色」でした。
圧倒的な空間で見つけたもの
正面エントランスから入ると、そこにはタイムトラベルをコンセプトにした広大な空間が広がっていました。高い天井と豪華な装飾。日常を脱ぎ捨て、期待感というドレスを身に纏うような感覚。その高揚感に包まれたまま、私たちはパークビューの部屋へと向かいました。
部屋のカーテンを開ければ、そこはもうUSJの特等席。しかし、子供たちの視線は、煌びやかなパークの光や叫び声が聞こえるジェットコースターから、その傍らにある「もう一つの入り口」に釘付けになっていました。
「夜にお仕事をする人がいるの?」
入場ゲートの地下に見える従業員専用のエントランス。
「あそこの下にある出入り口は何だと思う?」
と子どもたちに聞いてみた。子どもたちは少し悩んでいる様子。
「あれはね、働いている人たちの出入り口で、あの道を歩いているのは夜の間にお仕事をする人たちなんだと思うよ」
そう教えると、子供たちは「夜に?」「何のお仕事をしているの?」と、驚きを隠せない様子で窓に張り付きました。
私はかつてテレビ番組『朝メシまで。』で見たUSJの夜勤特集の話を思い出していました。ゲストがいなくなった深夜、真っ暗なレールの上を点検する人、道をピカピカに磨く人、植栽の枝一本を整える人。
「みんなが明日、安心安全に遊べるように準備してくれるアトラクションの『お医者さん』やパークの『お掃除屋さん』がいるんだよ。あの人たちが夜通し頑張ってくれているんだ」
窓の外に広がる社会の鼓動
『朝メシまで。』は個人的に好きなテレビ番組で、放送があれば必ずと言っていいほどつけています。しかし、これまで社会を支える夜勤の人たちの尊さを、子供と真剣に語り合ったことはありませんでした。
煌びやかな「表の顔」と、それを支える「裏の顔」。その両方が同時に見えるこの部屋は、子どもたちにとって、どんなテレビ番組や教科書よりもリアルな「特別教室」となりました。
夜が深まっても、従業員専用のエントランスへ向かう人の流れは途絶えません。感謝の気持ちを持ってずーっと眺めていました。ユニバに限らず、この世界は、誰かが寝ている間にも動いている。誰かの仕事でできている。その忘れがちな、当たり前で誇り高い事実に、私自身も改めて背筋が伸びる思いでした。
「楽しい」の正体を知った朝
翌朝、ゲートをくぐる時、子どもたちの様子がいつもと違っていました。いつもこういう時は少し遠慮がちなのですが、今日はスタッフの方の声掛けに元気いっぱいに反応をしていました。
昨夜、あの隠されたエントランスへ向かった背中を見ていたからこそ、目の前のエンターテイメントが「当たり前」ではないことを知ったのでしょう。
パークフロントホテルが教えてくれたのは、単なるアクセスの良さだけではなく、この世界の安心安全を支える人たちへの敬意。そして、自分たちが楽しんでいる時間の裏側にある、誰かの献身。
このホテルの「立地が良い」という特長の本当の価値は、文字通りパークに近いことだけではなく、その世界を「俯瞰」し、大切なことに気づける点にあるのだと、私は悟りました。
